K:ream、全16曲収録の1stアルバム堂々完成! 非対称のふたりが決然と鳴らすロックの核心にインタビューで迫る

K:ream、全16曲収録の1stアルバム堂々完成! 非対称のふたりが決然と鳴らすロックの核心にインタビューで迫る
内川祐(Vo・Pf) 僕らふたりとも、ひとりじゃなんにもできないのかなと思いますね。僕はもともとシンガーソングライターとして活動していて、でもライブも何もしていなかった期間があって。その時、彼(鶴田)はバンドをやってたんですけど、「もう一回歌いたいんだけど、ひとりじゃ無理だ」って彼に相談してたんです。「おまえがどんなにサボってても舵取りしてくれるような人がいたらいいね」、「そんな人がいたらめっちゃいいわ!」とか話をしてて。で、1週間経って、今度は彼から呼び出されて、「バンド解散したんだよね」って。彼はギターボーカルをやってたんですけど、「自分が歌わないバンドをやりたいんだよね」と言われて。じゃあボーカル誰がいいだろうね?とか3時間ぐらい話して……そしたら「おや?」ってなるわけですよ。「俺ちゃうん?」みたいな。でも、お互い「組もうや」とは言わないっていう(笑)。

――実はボーカルをやってほしくて話をしたわけではないんですか?

鶴田龍之介(G・Vo) いや、本当に盲点というか(笑)。友達で、地元も高校も一緒で、でもやってる音楽のジャンルが違うんで、まず考えてなかったんですけど。「でも、よく考えたら面白いかも」って。J-POP(内川)と洋楽(鶴田)って、お互いのルーツも知らないんで、まず「オアシスっていうバンドがいるんだけど……」というところから始めました(笑)。

内川 「ああ、そうなんだ」って言いましたからね(笑)。だいたいバンドマンって、洋楽を聴いて「俺は27歳で死ぬかも……」みたいなのは学生時代に済ませると思うんですけど、僕はそれ22、3歳でピークがきてるんで(笑)。

鶴田 結局、組んだ時のその感じって変わってないし。J-POPの成分と、海外のロックバンド――主にブリティッシュロックの成分との融合は、K:reamが追求していきたい音楽のひとつですね。そういう意味でも1曲目の“Live”は特に、内川らしいポップセンスのメロディに、あえてストリングスをゴージャスにしない、90年代のブリットポップのサウンド感で表現したいっていう。

――これだけいろんなジャンルでロックが引用され拡大解釈されてきた2020年代という時代にあって、K:reamは意識的に「ロック」であることを表明していますね。

鶴田 僕は本当に、かっこいいロックバンドをやりたいし、やり続けたい。それによって、「自分が自分を認められる」じゃないですけど、自分をかっこいいと思えるような――ロックバンドに影響を受けて育ってきて、何が自分を形作ってるかはわからないですけど、自分の今の感覚とかやりたい音楽をアウトプットして、それをロックバンドって思ってもらえるのがいちばん嬉しいですね。

内川 理想とか憧れみたいなものと、弱さ・素直さ――お尻の穴みたいな、人に見られたくないものとの交差点にロックってある気がしていて。僕が小学生ぐらいの頃、親父がターザンロープみたいなのをやって、膝をエグく擦りむいて血だらけになってたんですけど、一言「唾つけときゃ治る!」って言ってて、「大人の男ってなんて強いんだ!」って思ったんです。でもその1週間後に、親父は家のタンスの角に足の小指をぶつけて泣いてたんですよ。それを見て「ロックだな!」って思って(笑)。血が出てても僕の前でかっこつけたかったのは、たぶん親父の真実だし。一方で、小指をぶつけて流した涙も真実なんだろうなって。そのふたつを理解して、ありのまま表現する、映し出すのがロックなのかなって思います。

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