──2曲目が堀江晶太さんの提供曲、“泥の誉れ”。これがとにかくヘヴィなサウンドで、マッドな雰囲気もありつつ。これは、受け取ってちょっとびっくりしたというのが正直なところで(笑)。打ち合わせで話したことが後日、媒体に載ってしまって少し恥ずかしかったんですけど……「そろそろ歌唱的に『最強』の部分を出していくか」みたいなことを言ってたんですよ。その想いを真芯で受けて、作ってくれた曲だなと感じました。──加賀美さんの中でもチャレンジングな1曲となったのでは?でしたねぇ。最初は「これ、歌えるかな」って思いました。でも堀江さんとは聴いてきた音楽が近かったのもあって──レコーディングのときもディレクションで来てくださったんですけど、「ここってひょっとしてシステム(・オブ・ア・ダウン)のあれみたいな感じですか?」って訊いたら、「そうです」みたいな(笑)。お互いに話のつながりが早くて、レコーディングも楽しかったです。──そして3曲目が“キャリィ”。作詞が加賀美さん、作曲・編曲はおなじみ、ぎゃぷいちさん。シンセサウンドが牽引する、非常に加賀美さんらしいミクスチャーロックです。アルバムを作るんだったら、他がどのようなアーティストでも、ぎゃぷいちさんの曲だけは絶対に入れるという発想でした。申し訳ないことに、この曲はアルバムの話が出る前にいただいていた曲だったんですよ。ただ、ぎゃぷいちさんと曲を作るとき──これは謙遜でも卑下でもなく事実としてなんですけど──ぎゃぷいちさんの曲の力に対して、自分の作詞の力が圧倒的に足りてなくて、とんでもなく時間がかかってしまって。それでこの曲もめっちゃ時間がかかっていたんです。アルバムの話が出てから改めて書き下ろしていただいた曲もあって、それもすでにデモをいただいているんですけど、それもまた私が別途作詞をしてアップしようかなと思っています。音楽って聴いた人によってさまざまな景色が思い浮かぶものだと思うんですが、“Luminous”ではみんなに同じ景色を見せようという意識がありました
──4曲目がクボタカイさんの手による“デストロイアガール”。加賀美さんの作品としては少し意外性のある、軽やかなギターサウンドで。そうなんですよ。これは今回の『ULTIMATE CITY』の制作チームから、「こういうのもどうですか」と提案いただきまして。自分がこれまであまり触れてこなかったジャンルなんですけど。──ROF-MAOではなく、加賀美さんのソロ曲としてこのニュアンスは新しいですよね。柔らかくてダンサブルで。楽しかったです。今まで自分が使っていなかった引き出しを開けてもらったような気がしたし、歌唱的にも使っていない筋肉みたいなものをすごく使わせていただいて。やってよかったなあと思います。このアルバムの中で、みんなに聴いてほしいという意味では、これが1番かもしれない。──“フメツフハイ”は、首藤義勝(the cabs/B・Vo)さんの提供曲。シンセが印象的なロックサウンドですが、これは加賀美さんの歌唱がとても気持ちよく響きます。首藤さんにはROF-MAOで“I wanna! You wanna!”を書いてもらったときに、またぜひ別の機会でもお願いしたいと思ったんですけど、今回は自分のソロで独り占めさせていただいた感じですね(笑)。曲の展開に関してはすごくthe cabsらしい暴れ方でありつつ、しっかりキャッチーな感じで落ち着きました。最高です。──肩の力を抜いて楽しめる、とても小気味の良い1曲です。そして“THE OPEN WORLD”は、超絶ギタリストのLedaさん提供曲。メタルですね。Ledaさんをご指名させていただきました。自分の好きな曲ってLedaさんが関わっていることが多いなと、突然気づきまして。それでデモをいただいて最初に聴いたとき、「おい、やったなあ」って(笑)。ラウド系をいろいろ聴いていると、これはほんとにポジティブな意味で「やったなあ!」っていう感じになるときがあるんですけど、この曲はまさにそういうやつで。いい意味で「やりすぎだろ」と思いました(笑)。──加賀美さんの歌唱が乗ることで、ヘヴィさと楽しさと爽快さとが伝わってくる楽曲に仕上がりましたよね。これは、アニメでいうと『勇気爆発バーンブレイバーン』な感じがあって(笑)。涙と笑いが同時にくる、謎の感動があるんですよね。──聴いているだけで達成感みたいな感覚が湧いてくる曲でした。そして最後が“Luminous”。これはNovelbrightの沖聡次郎(G)さんの手による楽曲ですが、このオファーも加賀美さんの希望で?そうです。3年前、「FANTASIA」というにじさんじのライブがあって、そこでNovelbrightさんの“ハミングバード”という曲を披露させてもらったんです。そのときは、自分がにじさんじの共通衣装を着てステージに出るということで、どんな曲をやったらいいだろうと、そこにコミットした形で選ばせていただいた曲だったんですが、すごく反響が大きくて。求められている自分の像として、こういう部分もあるのかと思いました。
──スケール感の大きな楽曲で、アルバムを締めくくるに相応しい曲だと思いました。アンセム感のある曲ですし、自分が歌う意味も表現したいという想いがあって、歌詞を噛み締めるような形で歌わせていただきました。音の動きが多い、自分の中ではちょっと挑戦的な曲でもあって。あと……勝手な話なんですけど、Novelbrightさんが描く景色と自分の見ている景色とで、どこか共通する部分があるような気がしていて。そのビジョンをしっかり表現しようと思っていました。音楽って聴いた人によってさまざまな景色が思い浮かぶものだと思うんですが、“Luminous”ではみんなに同じ景色を見せようという意識がありましたね。最後はみんなに寄り添う自分でありたいという想いからお願いした楽曲でもあったので。
──“Luminous”は特にライブで聴くのが楽しみになる楽曲ですが、2026年1月17日には、初のソロライブがTOYOTA ARENA TOKYOで開催されますよね。「ALPHA ONE」というタイトルに込めた想いを聞かせてください。……一番いいライブにしたいよなあって。簡単な言葉で言ってしまえばそれだけです。あと、にじさんじという世界の中で、音楽的な試みを最初にやらせてもらうことが多いので、そういう意味でも、先頭でいる覚悟というか決意というか。そういったものがタイトルにあったほうがいいなと思って、このタイトルにしました。──8月のライブ配信では「最強を最高の形で届けたい」と言っていましたよね。もちろん、言ったからには頑張りたいですね。──こうしてアルバムが出て、ワンマンライブも決まって。ここからは加賀美ハヤトのソロの音楽活動もギアが上がっていくととらえていいのでしょうか。今年からいろいろ動き始めたこともあるし、来年はそれをレールに乗せていくということに、取り組んでいきたいと思っています。気持ち的にはまたここから、新たな自分を見せられるんじゃないかなと思っています。ぜひ、楽しみに見ていてください。一番いいライブにしたい。簡単な言葉で言ってしまえばそれだけです。