──音源もリリースするごとに評価が高まる中で、今回、1stフルアルバムが完成しました。ロックバンドとしては1stアルバムというのは特別なものだと思います。完成して、今どんな気持ちですか?当事者が言うからこそ響くものがあるはずで、SNSで受ける賛否は、どちらも自分たちの武器にできるのが私たちの強み(Cocoro)
Natsu 今までEPは2枚出しましたけど、1stアルバムっていうのはやはり一度きりだし、もっとNEK!を好きになってもらいたい、もっとNEK!の輪を広げたいと思いながら作った1枚だったので、できあがって全部聴いたときは、自分もすごく感動しました。
──1stアルバムとして、非常に内容の充実したアルバムが完成したと思います。
Cocoro EPの制作よりもちろん曲数も多いし、次から次へと作っていく感じで、鍛えられましたね(笑)。EPの制作で培った実力をしっかり発揮できた1枚になったと思います。
──より多彩な楽曲が詰め込まれて、新たなNEK!の魅力を発信する1枚でもある。『MEME』というのは、やはり「拡散」の願いを込めて?
Hika そうですね。1曲1曲、各々の実力のすごさを感じてもらえると思うので、いろんな人に聴いてほしいなっていうのはありました。
Kanade 成長記録というわけではないですけど、自分がさらに大きく1歩を踏み出せた作品になったと思うし、とにかく弾いていて楽しかったです。
Cocoro この曲はやばかったです。テンポが速めのBPM185で、1曲叩いたらもう汗だくになるくらい、ものすごいカロリーを消費する楽曲です。
Kanade 曲の中でベースラインに表情をつけるっていうのが難しかったです。サビではストロークみたいなのも入れてるし、手数も多くて強弱の表現もかなり必要とされた楽曲だったので。でも、これも楽しかったですね(笑)。
Natsu ギターソロや、その前のタッピングで効かせるフレーズも難度が高くて、レコーディングで集中して弾くときはまだしも、初めて4人で通しで合わせたときに、やばい、この曲めっちゃ忙しいって思って(笑)。そのぶん聴きどころがたくさんある曲だと思います。
──歌詞の《普通なんてシナリオ通り全てまがいもの》というフレーズが印象的ですが、この曲にはどういう思いを込めていますか?
Hika 自分自身を見失わずに生きていこうという力強い歌詞にしたかったんです。他人に何を言われようとも「これが自分」だっていうことを、魂を削って歌ったつもりです。
──それはこのアルバム全体を通してのメッセージでもありますよね。さらには、NEK!というバンドの重要なテーマでもある。
Hika 自分たちが本気で思っていることを伝えていきたくて。NEK!は言葉では伝えられない思いも音に乗せて、いろんな人の背中を押せるような存在になりたいんですよね。中でもその思いは、絶対に大事にしていきたいです。
──NEK!として伝えたい思いやテーマは、4人の共通認識?
Natsu そうですね。話し合っていると、4人の思っていることや考えていることが一緒だと思える瞬間がすごく多くて。特に私たちはSNSのことを歌った歌詞が多いんですけど、SNSに対して思うことは本当に一緒だなあと感じています。
──それはたとえばどういう部分で?
Cocoro SNSでは日々、いろんな意見や反応があって、中傷のターゲットにされてしまって苦しい思いをしている人が世界中にいっぱいいるという状況があって。私たちの曲を聴いて、少しでもそんな苦しい心が軽くなったり、救われたりしたらいいなあっていうのが根底にあります。ダークな部分も多々あるSNS社会だからこそ、「前を向いて生きていこうよ」っていうのは、総じてNEK!のテーマとしてありますね。
Kanade 特にルッキズムに関して思うところがあります。今はみんなが「これがいい」って言っているから「これが正義」みたいなところがあるけど、それがすごく嫌で。どんどん自分らしさがなくなってきているというか、個々の意思が薄れていっているような気がしていたんですよね。だからやっぱり、まわりに流されずに前に進んでいきたいと思っています。
──“rip-off”はまさにそういうテーマだし、Kanadeさんのその思いが、炸裂するスラップベースにも込められてるような気がします。
Kanade あのベースはめっちゃ楽しんでますね(笑)。もう、やってやるぜ!っていう感じ。女の子ですけど、こんなベースも弾いちゃうんだから、舐めないでくださいよっていう(笑)。強めの意思が込もっています。
Natsu できあがったときに「きたなこれ」っていう手応えがありました。レコーディングでは最初ドラムとベースを録って、Hikaのギターも録って、その音を聴いて私はギターを弾くので、「これは、やってくれたな」って思いながらレコーディングしたのを覚えています。歌詞は、それこそ不毛なルッキズムを私たちが突き破ってやるぞっていう気持ちを込めて作ったので、みんなに届いてほしい。
──ガールズバンドとしてルッキズムに対して「NO」を突きつける楽曲は非常に頼もしく響きます。
Cocoro ルッキズムに関して言えば、私たちもその攻撃の対象になりやすいんですよね。顔を出して活動しているミュージシャンなので、いろいろ言われることもある。でも当事者が言うからこそ響くものがあるはずで、SNSで受ける賛否は、どちらも自分たちの武器にできるのが私たちの強みだと思います。“rip-off”は《同担拒否》とか《ミュート祭り》とか、SNS社会を切り取るワードをちりばめているんですけど、何年後かに聴いたときに、「ああ、こんな殺伐としてた時代だったなあ」って、過去のものにしたいんですよね。「今も変わらず共感できる」とはなってほしくないという思いがあります。
──そうした強いメッセージを発信していくことも、Hikaさんは今、この4人でならやっていけると感じていますか?《「たかがガールズロックバンドw」》なんて言葉をぶち壊してやるよ、そんな見方を壊してやるよっていう思いで歌っています(Hika)
Hika それはすごくありますね。まず、SNSで発信して音楽を届けたいという思いが全員共通してあったのと、何かを伝えたいというのはみんなそれぞれに同じ思いとしてあって。メンバーが鳴らす音からもそれが伝わってくるのが嬉しいです。
──“Tic Tac Toe”にも決意と覚悟が滲み出ていますよね。《「たかがガールズロックバンドw」ってさ/舐め腐っている Snarkster》という歌詞がズバリで。そういえば、もう随分と昔から「ガールズバンドなんて」っていう見られ方は変わらずあるよなあって。
Cocoro なんなら、今はさらにその見られ方が増長している気がします。
Hika だからこそ《「たかがガールズロックバンドw」》なんて言葉をぶち壊してやるよ、そんな見方を壊してやるよっていう思いで歌っています。でもここは、歌詞が力強いからこそ、あえてファルセット気味に優しく歌っているんですよ。あと、“Tic Tac Toe”は英語で「◯×ゲーム」っていう意味なんです。日々、自分自身を見失うこともあると思うんですけど、結局は自分の中にしか正解はないから、自分自身に◯をつけてあげようっていう思いで作った曲でした。
──ラストの“OOAK”も、これこそ「自分」であることの大切さとか、閉じた世界から出ていこうというメッセージです。“OOAK”は「One Of A Kind」の略とのことですが。
Hika 「One Of A Kind」は「唯一無二」という意味で、この曲が、聴いてくれた人にとって唯一無二の存在であってほしいという思いもあってつけたんですけど、これもSNS社会で戦っていく人たちに寄り添える曲にしたいなと思っていました。最後のみんなで歌うコーラス部分とかは、狭い世界から一緒に抜け出して、明るい未来を作っていこうよっていう、前向きな歌詞になっています。
Natsu あなたは世界にひとりだけの存在、唯一無二の存在だっていうことを歌っているから、この曲を聴いた人が「そうかもしれないな」って思ってくれたら嬉しいです。
Cocoro ドラムフレーズに着目して言うと、他の曲では聴いたことのないフレーズを、イントロや、サビ前でボーカルとドラムだけになるところ、落ちサビでやっていて。そのフレーズ自体が「唯一無二」だなと、私は思っていますね。
Kanade 私も、このアルバムではベースを3本使っているんですけど、そのうちの1本は“OOAK”でしか使っていないんですよ。そこでもその「唯一無二」のメッセージを密かに体現しています。
Hika やっぱり目標は「日本武道館」です。しかも……。
Kanade 「ガールズバンドとして最速で」武道館に立ちたいです。
──今デビュー後の最速記録を保持しているガールズバンドはSILENT SIRENですよね。
Cocoro SILENT SIRENさんは、デビューして2年2ヶ月で武道館に立ったんですよね。
Hika 来年デビューして、デビュー後最速で武道館に立つという目標を達成したいと思っています。
──それを成し遂げるために、どんな活動をしていきたいですか?
Kanade 今回のアルバムですごく音楽性が広がったので、今後さらにいろんな人に刺さる曲を届けられたらなと。
Hika NEK!界隈を広げていきたいよね。
Natsu 今の時代を生きている私たちにしか伝えられない音楽って絶対にあるから、その「今」を歌うという軸を大切にして、NEK!の輪が広がっていったら嬉しい。そうなるように自分の演奏スキルも成長させていきたいです。
Cocoro ネットで毎日「NEK!」っていうワードを見るくらい、ネット社会をNEK!で埋め尽くしたいですよね。今年の8月末に初めてZepp Shinjukuに立たせていただいて、そのときにXのニュースみたいなところに載ったんですよ。これを「トレンド」のほうにもっていきたい(笑)。
──このアルバムのリリースを機に、大きく広がっていくような気がしています。
Hika ありがとうございます。憧れの日本武道館に立つためにバンドとしてさらに成長して、1日1日を大事にしながら、一つひとつのライブを、愛を持って届けていきたいなと思っています。