BIGMAMA@Zepp Tokyo

BIGMAMA@Zepp Tokyo - all pics by AZUSA TAKADAall pics by AZUSA TAKADA
去る4月16日にリリースされた 最新作『Roclassick 2』を引っさげたツアー初日であり、BIGMAMA恒例の「母の日」スペシャルライヴは、「どうやら絶好調で明日を迎えられそうです。クソ程熱い夜にしよう」(金井政人facebookより)との予告どおり、気迫と開放感に満ちたアクトで3,000人を熱狂させた絶頂的な一夜となった。まだツアー初日なので楽曲引用は数曲に留めつつレポートしたいと思います。

開演予定の18時を迎えるころには、ZEPPのフロアは大勢のキッズで溢れんばかりに。スポットライトを浴びた壇上の大きなカーネーションの花束が、この日が特別な夜であることを無言のうちに伝える(その花束は終演後に出口付近に飾られ、来場者にプレゼントされました)。大歓声を浴びて登場するなり、金井はギターを高々と掲げ、「いくぞ、東京!!」と一喝。『Roclassick 2』のオープニングを飾る柿沼のギターリフが獰猛に響き渡り、躍動的なバンド・アンサンブルに駆られて場内のヴォルテージは急上昇。一気に押し寄せるクラウドに「Welcome to Roclassick Tour! 熱い熱い熱い夜にしましょう!」(金井)と呼びかけて、5人は矢継ぎ早に楽曲を投下しては幾度も沸点を更新していく。圧巻のスタートダッシュだ。
BIGMAMA@Zepp Tokyo
4曲ほどが披露され、ギターチェンジでようやくひと息。「言わなくても今日が何の日かわかってるよな??  後悔しないよう楽しんでください」とアコースティック・ギターを抱えた金井は、早くも最新作からのキラーチューン “No.9”をプレイ。<ラァーラーララ、ラーラーラー!>とオーディエンスが一丸となってあの名フレーズを響かせれば、「一緒に!」「もっと! もっと!」「まだまだこんなもんじゃないよね!?」とさらにシンガロングを煽る金井。気持ちを全開にして拮抗する両者の熱はどこまでも高まり、ZEPPの隅々に輝くような祝祭感が広がっていった。誰もが知るクラシックの名曲を他ならぬBIGMAMAのロックとして昇華させた『Roclassick』、そのマジカルな威力を見せつけられた感動的なひと幕だった。
BIGMAMA@Zepp Tokyo
「リアドー!」と野郎からも熱い声援が飛ぶなか、中盤には「はじめはほんの出来心でした」と『Roclassick』誕生に至るプロセスを金井がMC。「お姉ちゃんの結婚式でカノンのフレーズが流れてて。『あら、素敵!』と思って、次の日スタジオ行ったら真緒ちゃんがヴァイオリン持ってるからさ、弾いてもらってそれに合わせたら曲が出来ちゃって。それがどんどん楽しくなって、2010年に第一弾が出来ました」。そして、バンドは後半戦もアクセルを思いっきり踏み込んで疾走。たびたび特大のシンガロングを巻き起こしながら、誰ひとり置き去りにしない、全員参加型の熱狂が生み出されていった。そう、BIGMAMAの楽曲には、そのいずれもにオーディエンスのために用意された招待席があって、僕らはそこで歌ったり踊ったり、飛んだり跳ねたり、思い思いに楽しむ権利を与えられているのだ(もちろん、ルール違反しない範囲で)。肩を組んで声を限りに歌い踊る、オーディエンスの心底楽しそうな笑顔が忘れられない。
BIGMAMA@Zepp Tokyo
本編終盤のハイライトは、なんと言っても最新作のリードトラック“Swan Song”だろう。華麗に氷上を舞うようなヴァイオリンの調べと、獰猛なバンド・アンサンブルのコントラストも鮮やかに、5人はエモーショナルに熱演。フロアが一斉にジャンプアップするサビでの光景は、まさに圧巻の一語に尽きた。アンコールでは母の日にちなんで、金井がオカンへの想いを語り出す。「今日もどっかで見てくれてると思うけど、仮に俺の来世が猿でもカニでも、あんたの猿とカニに生まれたいよ!と、そんなことを思って作った曲があります。一年に一回、親孝行しようと思います――」と“母に贈る歌”を熱唱。そして、ラストナンバー“until the blouse is buttoned up”では、フロア一面に無数のタオルが掲げられ(スゴい!)、「ここにいるみんなの人生がうまくいくように、願いを込めます。みんな負けんなよ! 誰かにじゃなくて、自分に負けんなよ!!」(金井)と精いっぱいの歌声とエールを届け、ZEPP一丸の大合唱のもとツアー初日はフィナーレを迎えたのだった。一発目から高い熱量と完成度を見せつけた5人は、7月6日のファイナルまで貪欲にレベルアップを目指し、幾多のハイライトを生み出していくに違いない。(奥村明裕)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする