セットリストはこれ。
JUMP
涙のプリンセス
誇り高く生きよう
ダンスミュージックあいつ
NIGHT AND DAY
デイ・ドリーム・ビリーバー
いい事ばかりはありゃしない
君が僕を知ってる
チャンスは今夜
ぼくの好きな先生
私立探偵
多摩蘭坂
毎日がブランニューディ
コーヒーサイフォン
GOD
スローバラード
激しい雨
ドカドカうるさいR&Rバンド
キモちE
Baby何もかも
よォーこそ
ROCK ME BABY
雨あがりの夜空に
LIKE A DREAM
素晴らしいセットリストだ。
そして新井田さんも入ったツインドラムにニュー・ブルーデイ・ホーンズも加わったゴージャスなバンド。
前半、ソロの曲を熱唱する清志郎のヴォーカルはまさしく完全復活! これまで何度も何度も武道館で歌う清志郎を見てきたが、これほどまでにパワフルなヴォーカルは初めてと言い切れる。やっぱり清志郎は凄い。2年間のお休みで、なんと清志郎はパワーアップしていた。
中盤、“いい事ばかりはありゃしない”のイントロでチャボがギターを弾きながら登場。最高に感動的な登場だ。イントロを弾きながら、チャボと清志郎が一歩一歩近づいていく。そして歌が始まる。「いい事ばかりは、ありゃしない」。大変だった季節を経た清志郎と、きっと家族と同じぐらい心配して心を痛めてきたチャボが歌うこの歌は、でもそんな心情を突き抜けて過去も未来も繋ぐような普遍的なバラードとして心を打った。いつのまにかドラムは新井田さん一人になっている。
もう少し加減してもいいんじゃないかと思ったぐらい厚いサウンドで演奏された“多摩蘭坂”。でも清志郎の声はそのサウンドを圧倒する力があった。何度も言う。本当に完全復活だ。いや、それ以上だ。
チャボが清志郎んちに行って初めて一緒に作ったという“コーヒーサイフォン”をチャボが歌った。国立駅で清志郎との待ち合わせに遅刻したことをそのまま歌にしたんだって。当時、清志郎は21歳、チャボは22歳。なんてかわいいんだろう。
清志郎は目が小さくてしかもステージでは青いアイシャドウを塗っているからいつも本当の表情が読み取れないのだが、今日は明らかに嬉しそうな、満足そうな幸せな顔をしている。ステージの上のメンバーも全員(厚見玲衣さんだけは暗くて見えなかったけど)嬉しそうだ。
「座って、小さな声で大人しい歌しかできないかと思っていた。バンドに、バンドの音楽に戻ってこれた事が嬉しい」と清志郎は言った。胸がいっぱいになった。(山崎洋一郎)