シシド・カフカ@Zepp Tokyo

シシド・カフカ@Zepp Tokyo - all pics by 梶田明弘all pics by 梶田明弘
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
セッションミニアルバム『K⁵(Kの累乗)』を引っさげ、5日に行われたシシド・カフカのワンマンライヴ「ミディアム・レア」。冒頭、彼女は「今日はシシド・カフカ初のZEPP TOKYOにようこそいらっしゃいました!」「今月でちょうどデビュー丸3年。3歳です。みんなの笑顔が見れてうれしい」と声高く呼びかけた。甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、斉藤和義、KenKen(LIFE IS GROOVE)ら錚々たるアーティストとコラボした『K⁵(Kの累乗)』だが、その経験や手応えは、ステージで躍動するシシド・カフカの佇まいに新たな自信、確信となって表れているように感じられた。この日は、コラボ相手の斉藤とKenKenもゲストで登場、カフカと共演するスペシャルな企画もあり、ドラム&ヴォーカリストとしてスケールアップした姿に、会場中のファンが大歓声で呼応していた。

シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
開演前の会場に入ると、『K⁵(Kの累乗)』のジャケットイメージを踏襲してステージ上に林立する無数のシンバル群と、さらにフロアを二分するように舞台からのびたファッションショーのランウェイを思わせる花道の威容が、目に飛び込んできた。やがて場内が暗転。ステージ奥から鞭を打つようにシンバルを鳴らして登場したカフカは、中央のドラムセットに座るなりドラムソロ曲“theme”を轟音で演奏し、ライヴがスタート。G、B、Key×2の4人のバンドメンバーを従え、渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET)&TOSHI-LOW(BRAHMAN)とのコラボ曲“くだらない世の中で - feat.常磐道ズ”と“Miss.ミスミー”で長い髪を振り乱し、さっそくドライヴ感満点のタイトなR&Rでグイグイ引っ張る。続いて、ちょっとファンキーな“デイドリームライダー”では、メロディに表情をつけるボーカルが映え、グリコ「プリッツ」のイメージソング“Hunger×Anger”では、お馴染みのサビ部分で「歌ってみ。聞こえない」と会場をドSに煽り大合唱を誘った。この日設えられた花道の意味が明らかになったのが、次のカラフルなポップチューン“ラヴコリーダ”だ。途中まで豪快にドラムを叩いていたカフカが、ふっとドラムセットを離れ、軽やかなステップで花道を踊りながら歌いだす。ワイルドでクールなドラム姿もカッコいいが、スタイル抜群の立ち姿、シンガーの姿も対照的に美しい。アコースティックアレンジの“100年ビール”やバラードの“月の輝きかた”でも、花道中央に立ち、観客とアイコンタクトをとりながら歌う演出で、エモーショナルな魅力が引き出されていった。ただ彼女自身は“ラヴコリーダ”後のMCで「ドラムを離れると、こんなに緊張するんだ!」と苦笑気味に話してはいたが。

シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
この日のもう一つのハイライトは、やはり斉藤和義、KenKenとの共演だ。“Trans fatty acid - feat.KenKen”、”無敵のロックスター”では、KenKenの重低音ベースに絡むカフカのドラムが黒っぽいグルーヴを漂わせ、ビートに体をむずむず刺激された観客も、たまらずハンドクラップを打ち鳴らす。その後KenKenに替わって登場した斉藤とは、“Don’t be love - feat.斉藤和義”、斉藤の最新シングル“傷口”を演奏。こちらは歌心あふれるドラム&ヴォーカルがメロディを引き立たせ、二人の声が混じり合う瞬間の色気も絶妙だった。“負けないゲーム”“愛する覚悟”の連打で大盛況のうちに本編終了。アンコールでも斉藤の代表曲、“歩いて帰ろう”を再び斉藤と演奏し、ラストは爽快なR&R“バネのうた- feat.甲本ヒロト”で締めくくった。シシド・カフカのまっすぐな眼差しが物語るように、彼女の歌とドラミングはいつも鮮烈で、竹を割ったように清々しい。この日のライヴもデビュー3年を経て、深みとスケールを増した彼女の魅力を十分に伝えるものだった。(岸田智)

シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
シシド・カフカ@Zepp Tokyo
●セットリスト

00. (KAVKA Dr.solo~inst.)theme
01. くだらない世の中で
02. Miss.ミスミー
03. デイドリームライダー
04. Hunger×Anger
05. ラヴコリーダ
06. あの夏、君が見てたモノ
07. 100年ビール
08. 月の輝きかた
09. Trans fatty acid - feat.KenKen
10. 無敵のロックスター
11. Don’t be love(Piano Ver.)
12. Don’t be love - feat.斉藤和義
13. 傷口
14. サバイバル
15. キケンなふたり
16. 負けないゲーム
17. 愛する覚悟
(encore)
18. 歩いて帰ろう
19. バネのうた- feat.甲本ヒロト
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする