11月4日にリリースを控えた最新ミニアルバムの楽曲をいち早くオーディエンスに届けたいという想いから開催された宇宙まおの「3rd MINI AL『7つのうた、あなたの虹になれ』レコ発先行ワンマンライブ」。会場は原宿VACANT。ショップとカフェスペースからなる1階の階段を上がると、木板の壁が温かなイベントギャラリースペースが出現。元々ライヴ会場として使用されている場所ではないため、ステージはなく椅子が並べられた客席スペースの目の前に楽器がセッティングされている。
定刻を少し過ぎてから登場した藤田顕(G)、脇山広介(Dr)、そして宇宙まおの3人。藤田のカッティングに乗って「宇宙まおです、よろしくお願いします!」と挨拶する彼女の笑顔は今日も眩しい。そのままハンドクラップを煽りながら“CONTRAST!”へと突入した。ドラムのビートとアコースティックギター、それから歌というシンプルな編成によって、曲が持つ力強さと彼女の歌声の伸びを思う存分堪能することができる。活き活きと弾む彩り豊かな音のひとつひとつが、そのままこちらに飛び込んでくるようだ。客席からは手拍子が起こり、曲に合わせて大きく手を振って応える光景も見られた。とても和やかな雰囲気である。
さざ波のようなギターの音色に誘われて披露した“深海レストラン”。青を基調とした照明とリバーブのかかった歌声が幻想的な雰囲気を見せたあと、「みなさんと仲良くなって帰りたい!」とギリギリまで前方へ出てきた3人。藤田:アコースティックギター、脇山:ジャンべ、宇宙まお:ヴォーカル&マラカスという形態で“素直に生きたい”を演奏した。ハンドマイクで客席まで入っていき観客にマラカスを渡したりしながら歌う宇宙まお、満面の笑みである。そして中盤では、くじで選ばれた観客が、用意された7つの質問から1つを選び、それに宇宙まおが答えるというMCコーナーが。保育園時代の初恋の人に高校で再会したという甘酸っぱい思い出から、「2020年にはオリンピックのテーマソングを歌いたい」という堂々たる宣言まで飛び出したのだった。続いてアルバムの話題。水戸ホーリーホックのオフィシャル応援ソング“無限の力”以降、「誰かのために曲を書きたい」「求められたら応えたい」という気持ちが強くなったという彼女。『7つのうた、あなたの虹になれ』は、そんな「誰かのため」の曲が詰まった作品になったのだと語りながら、「素直な気持ちで受け取ってもらいたいです」とその想いを言葉にした。
終盤では、新作ミニアルバム収録曲を立て続けに披露。“ハロー、グッドミュージック”ではMV(フルバージョンは2日前に公開されたばかり!)の振り付けを真似る観客の姿も。「パンとライス」「ナイフとフォーク」「アボカドとアボカド」といったコール&レスポンスも起きた“夢みる二人”のあとには、12月5日に自主企画「宇宙ツアーズ vol.3」を開催することを発表(ゲストは南波志帆)。「みなさまの力で宇宙まおもこのアルバムも大きくなっていきたいと思います!」と“おいしいごはん”で本編を締めくくった。
「何というかもう……歌を歌えて幸せだなあと思ってます。ありがとうございます!」と素直な想いを伝える言葉で始まったアンコールでは“哀しみの帆”、最後には1人残って弾き語りで“ドアー”を披露。終演後には「私のうたがあなたの虹となって帰り道をお守りします。どうぞお気をつけて」という本人による影アナも。宇宙まおの歌が「あなた」の歌になっていく過程と、そこに溢れるエネルギーが伝わってきたライヴだった。(蜂須賀ちなみ)
●セットリスト
01.CONTRAST!
02.無限の力
03.かわいい人
04.誰も知らない国へ
05.深海レストラン
06.素直に生きたい
07.あの子がすき
08.つよくなる
09.そばにいるよ
10.ハロー、グッドミュージック
11.夢みる二人
12.おいしいごはん
(encore)
13.哀しみの帆
14.ドアー