RADWIMPS × Mr.Children@ Zepp Tokyo

RADWIMPS × Mr.Children@ Zepp Tokyo - RADWIMPS/all pics by 植本一子RADWIMPS/all pics by 植本一子
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「『胎盤』ツアー、いろんな人たちが出てるじゃない? まあ、若い人いっぱいいるよ。で、サッカーで言う『オーバーエイジ枠』で2枠――スピッツと僕ら(笑)。まだまだ伸び盛りの、これからもっともっと躍進していくだろうバンドの中に、僕らを入れてくれてありがとう!」という桜井和寿(Vo・G)の粋なMCとポップの凄味そのものの激演でMr.Childrenが沸点越えの熱狂空間を描き出せば、「ヤバいねヤバいねヤバいね! ビールの1本ぐらい飲みたい気分だったんだけどさ、ライヴがあるもんですから(笑)。最後まで精一杯、ミスチルへの愛をこめて演奏しますんで! かかってこいよ!」と野田洋次郎(Vo・G)が感激を剥き出しにしながらRADWIMPSのすべてをZepp Tokyoの空間で完全燃焼させていく――。RADWIMPSの対バンツアー「RADWIMPSの胎盤」、横浜アリーナ3DAYSに続いて急遽アナウンスされた追加公演では、モンスターバンド=Mr.Childrenをゲストに迎えての2マンライヴが実現!

今やアリーナ&スタジアムが主戦場であり、今年もトータル100万人動員規模のツアーを行ってきたMr.Childrenがライヴハウスに、しかもゲストとして登場するという異例中の異例な一夜となったこの日の「胎盤」だが、奇しくもライヴハウス対バンツアー(9年ぶり!)=「Mr.Children 2マンLIVE」を2日前に終えたばかりということもあり、桜井和寿・田原健一(G)・中川敬輔(B)・鈴木英哉(Dr・Cho)+サポートキーボーディスト・SUNNYの5人はまさにトップギアの最高潮。1曲目の“未完”が鳴った瞬間からRADファンがメインのはずのフロア一面を歓喜の声で埋め尽くしてみせる。「RADWIMPS、呼んでくれてありがとう! 幸せだよ!」と叫び上げる桜井に応えて割れんばかりの歓声が湧き起こり、“ロックンロールは生きている”“REM”のタフなサウンドと歌声が熱いシンガロングを巻き起こしていく。

「10周年おめでとうございます!」と最高の表情で語りかける桜井。「このツアー、『胎盤』ツアーっていうんでしょ? ここで、人生の先輩として言えることは……本物の胎盤を、僕は何度も見てるんです!(笑)」「胎盤ってさ、食べる人いるんだよ。出産した後、お醤油つけてお刺身みたいにして食べると、すごく美容にいいんだって。だから……僕らも今日、胎盤(対バン)食べるよ!」と、ツアーのネーミングをネタにしながら、この日の競演への闘志を朗らかに覗かせるポップモンスターの姿に、驚きと喜びの声が沸く。トータル10曲中4曲を“足音 〜Be Strong”など最新アルバム『REFLECTION』収録曲で占めつつ、“掌”“youthful days”“Sign”などシングル曲群も盛り込み、1曲ごとに会場をむせ返るような熱気に包んでいく。

「自慢じゃないですけど僕、RADのデビュー前のデモをいただいたんですよ」と、RADの思い出を桜井が語る。ほとんどの曲が英語詞だった中に1曲日本語詞の曲があって、「日本語でやったほうがいいですよ」と事務所社長に伝えたこと。後日、スガシカオと話した際に「歌詞がすごい! ついにここまで来ましたよ、日本のロックは!」とスガが熱く語っていたのが他でもないRADだったこと。自分でもBank Bandでカヴァーしたぐらい衝撃を受けたこと。「今日のRADと僕らみたいに――いつもは別々に活動してますけど、こうやってジャンルを越え、隔たりを越え、ファン層を越えて、男と女が、人と人が深いところでつながっていきたいな、という曲をお届けします」という言葉とともに響いた“隔たり”の麗しき旋律、そして最後に披露したロックバラード“終わりなき旅”が、10周年を迎えたRADWIMPSと、この場に集まったすべての人々のアンセムとして力強く響き渡った。

そんな超弩級のアクトに続いて、「胎盤」の最後を飾るRADWIMPSのアクトも壮絶だった。ツアーを通して鍛え上がった、野田洋次郎/桑原彰(G・Cho)/武田祐介(B・Cho)+サポートドラム=刄田綴色&森瑞希のWドラム5人編成から繰り出される“DADA”“ギミギミック”“DARMA GRAND PRIX”の爆風のようなアンサンブル。冒頭からシャウトしまくり踊りまくりながら、「はっちゃけっか!」と衝動の化身のようにアグレッシヴに煽りまくる野田洋次郎。Zepp Tokyoが轟々たる歓声と歌声で包まれ、フロアが激しく揺れる。「今日来るまで信じられなかったんですけど。コピーバンドが来るんじゃないかって思ってたぐらいで(笑)」という桑原の言葉が、夢の共演の感慨をリアルに物語っている。「僕、小学校の時アメリカにいたんですけど。7歳ぐらいの時に、いとこが日本から遊びに来てくれたんですよ。『これが今の日本の音楽だ』って4本ぐらいのテープにまとめてくれてて。そこから4年間、テープが擦り切れるまでミスチルの音楽だけを聴いてました」という回想とともに野田が弾き語りで歌うMr.Children“CROSS ROAD”が、オーディエンスの高揚感と響き合っていく。

“おしゃかしゃま”“ます。”でフロアをがっつり狂騒の渦に叩き込んだかと思えば、“‘I’ Novel”後に最新シングル『記号として / ‘I’ Novel』の告知MCをする武田の様子を「新米の高校教師。先生頑張れ!」と野田がいじったり、静と動がジェットコースターのように入り混じるエモーショナルなステージングからも、制御不能なメンバーの喜びが滲む。「こんなに僕は音楽を、昔から好きじゃなかった気がします、10年前は」と野田。「だけど、今は『なくてはならない』ものになってしまって……死にたくない想いでいっぱいです。作りたいものを作り続けて、自分のかわいい子供のように育てて、みなさんのところに届けようと思います」……そんな決意の言葉に、惜しみない拍手喝采が降り注いでいく。

メジャーデビュー曲“25コ目の染色体”から“君と羊と青”、さらに「本当に今日はありがとう! ミスチル愛してるよ!」という野田のシャウトとともに放った“会心の一撃”で本編を終えた後、アンコールでひとり再登場した野田が「ずっと夢の中にいるみたいですけど……夢の続きをやってみましょうか!」と呼び込んだのはMr.Children・桜井&田原。「楽しかったよ。RAD観ながら飲むビールは最高だよ!」と言いつつ、さらっと“夢番地”を歌ってみせる桜井。野田ピアノ/田原ギター/桜井アコギの編成で、ミスチル初期の名曲“車の中でかくれてキスをしよう”を美しく歌い上げた後、RAD+桜井の6人編成のセッションで披露したのは、まさに桜井がBank Bandでカヴァーしていた“有心論”! サビの主メロとハモリを交互に歌い合い、演奏後に熱くハグする桜井&野田の姿が、濃密な感動を呼び起こしていった。

「『幸せになる』とか『努力し続けたら何かが叶う』とか、俺は口が裂けても言えないし、そんなことを言う人は一生信用しないんですよ。それは絶対嘘だから。そんなふうにできてないから、世の中は。できてないけど、だから何だ?って俺は思う」。アンコールの最後、野田はひときわ力強くそう語っていた。「現に10年間やって、こういう景色が見れたりとか、あなたの前に立てたりとか、それは事実として今、目の前にあります。後は、それをあなたがどう思うかです。うちらみたいなのもいるよっていうことを、最大限僕らのメッセージとして受け取ってほしいなと思うし、明日からのあなたの何かの糧になったらいいなと思ってます。一緒に生きていきましょう!」。そんな切実な言葉とともに響かせた“夢番地”の、《僕はきっと今誰かの夢の上に立っている》のフレーズが、「胎盤」ツアーのフィナーレを目映い祝祭感で包んでいった。そして――RADWIMPSの道程は12月23日の幕張メッセワンマンライヴ=「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり」へと続く!(高橋智樹)

●セットリスト

■Mr.Children
01.未完
02.ロックンロールは生きている
03.REM
04.掌
05.FIGHT CLUB
06.youthful days
07.隔たり
08.Sign
09.足音 〜Be Strong
10.終わりなき旅

■RADWIMPS
01.DADA
02.ギミギミック
03.DARMA GRAND PRIX
04.05410-(ん)
05.遠恋
06.ヒキコモリロリン
07.アイアンバイブル
08.ふたりごと
09.夢見月に何想ふ
10.おしゃかしゃま
11.ます。
12.‘I’ Novel
13.いいんですか?
14.25コ目の染色体
15.君と羊と青
16.会心の一撃
(encore)
17.車の中でかくれてキスをしよう (w/ 桜井和寿・田原健一)
18.有心論 (w/ 桜井和寿)
19.夢番地
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