「こんばんは、日本! 元気ですか? イギリス、ロンドンから来た、ドラゴンフォースだよ! 日本に戻って来れて、とてもうれしいです!」。意気揚々と日本語MCで呼びかけるマーク・ハドソン(Vo)の言葉に、フロアから熱い拳と歓声が突き上がる――。2014年・2015年と2年連続「LOUD PARK」出演を果たしているほか、ハーマン・リ(G)&サム・トットマン(G)のBABYMETAL“Road of Resistance”へのギター参加が注目されるなど、ここ日本でも熱い支持を集めているUKメロディック・スピード・メタルの雄=ドラゴンフォースが、4月13日に発売されたばかりのベストアルバム『キラー・エリート』を携えて東京・渋谷のduo MUSIC EXCHANGEにて開催したスペシャル・ショウケースライヴ。当初は4月22日一夜限りの予定が早々にソールドアウト、急遽21日にも追加公演の開催が決定、という経緯からもこの日の会場の熱気は伝わると思うが、ステージの6人が繰り出す歌と音は、集まったオーディエンスの期待感丸ごと歓喜の異次元へと導くものだった。
ジー・アンザローネ(Dr)のツーバスセット&ヴァジーム・プルジャーノフ(Key)のシンセセット、さらにハーマン/サム/フレデリク・ルクレルク(B)の機材が所狭しと並べられたduoのステージに6人が登場、いきなり“Holding On”で高々と伸び上がるマークのハイトーン・シャウトに、ツインリードとスラッシュ・ビートのデッドヒートに、会場の高揚感はあっさりと沸点を越え、フロアの熱い歌声を呼び起こしていく。さらに“My Spirit Will Go On”で巻き起こったOiコールが、緻密にしてダイナミックなアンサンブルと響き合って、エモーショナルな祝祭空間を描き出していく。ツーバスを駆使した激速ビートと、超絶テクニック満載のハーマン&サムの奇跡のギター速弾きが「名場面」ではなく「デフォルト」のものとして轟く、ドラゴンフォースのスリリングな音楽世界。一瞬でも気を抜いたら振り落とされそうな加速感を備えたサウンドを、メンバーはいとも楽しげに(サムは時折ビールを飲みながら)次々に撃ち放っていく6人の姿は、それ自体が衝撃であり、無上の感激を与えてくれるものだ。
〈SETLIST〉
01. Holding On
02. My Spirit Will Go On
03. Black Fire
04. Heroes Of Our Time
05. Wings Of Liberty
06. Fields Of Despair
07. Reasons To Live
08. Operation Ground And Pound
09. Symphony Of The Night
10. Heart Of A Dragon
En1. Soldiers Of The Wasteland
En2. Through The Fire And Flames