ステージに降ろされた透かしの幕の向こうに、バンドメンバーのシルエットが浮かび上がり、タイトなドラムの音とともに、最新作の象徴でもあるリップマークが投影される。客席では、事前に1人ずつに配られたリストバンド型のライトが、一斉に赤く点滅。今宵のライブへの期待に早くも大歓声が沸き起こる。ヘヴィでソリッドなギターが鳴り響き、“Wild Lips”でショーはスタート。そこから畳み掛けるように、ニューアルバムから5曲を演奏し、早くもシンバルキックも炸裂! このオープニングからの圧倒的なドライブ感たるや。強烈で心地好いビートを、オーディエンスだけでなく、吉川自身が楽しんでいるのが、その声やアクションから伝わってくる。
そして「ここからの2曲だけは休むところ。あとはもうイキっぱなしだから」と言いつつ、「エロイ歌を」と披露した“Expendable”ではAOR感の漂う官能的なファルセットを、さらにスローな“ONE WORLD”では思わず引き込まれてしまうほどの低音を聴かせ、改めてボーカリストとしてのレンジの広さを感じさせる。その後はもう宣言通りのアッパーなセットリストで、吉川自身もギターを弾きながら極上のブギーを奏でる“スティングレイ”、華やかなシンセ音がゴージャスに彩る“A-LA-BA・LA-M-BA”(サビはもちろんシンガロング!)、ウエノの高速ダウンピッキングベースにしびれるイントロからテープキャノンも飛び出した“恋をとめないで”と、とびきりポップな名曲たちが、とびきりソリッドなロックに形を変えて繰り出されていく。“Juicy Jungle”で聴かせるダンサブルでプリミティブなビートにもロックのグルーヴが加わって、会場中が気持ちよさそうにそのリズムに体を揺らす。
●セットリスト
1.Wild Lips
2.The Sliders
3.サラマンドラ
4Dance To The Future
5.Oh,Yes!!
6.にくまれそうなNewフェイス
7.LA VIE EN ROSE
8.Expendable
9.ONE WORLD
10.MODERN VISION
11.スティングレイ
12.BOMBERS
13.A-LA-BA・LA-M-BA
14.Black Corvette’98
15.恋をとめないで
16.Fame & Money
17.THE GUNDOGS
18.Juicy Jungle
19.BOY’S LIFE
(encore)
20.Over The Rainbow
21.せつなさを殺せない
22.Dream On