この日のゲスト・バンドは、ツアー中の対バンとして登場していたMONICA URANGLASS/Lillies and Remainsの2組。チープなシンセとぶっといベースが印象的なMONICA URANGLASSは、70年代まっしぐらなファッションとは似ても似つかないハイパーな暗黒ディスコ・ファンクを鳴らしていたし、続くLillies and Remainsは繊細な2本のテレキャス+タフでストレートなグルーブ越しに、ルースターズとディスコ・ビートの核融合のような魅惑のロックを聴かせていた。そして……。
20:25、ついにVOLA & THE ORIENTAL MACHINEの登場! ステージ上手側(向かって右)にジャズマスターを構えた楢原の姿が……え? 1曲目“self-defence”から、アヒト イナザワはギターを持たずに何やら首から提げた小さなコントローラー(後で訊いたら、KORGの「KAOSSILATOR」らしい)をうにょうにょいじりながらハンドマイクで嬉々として歌いまくるし、それがまるで違和感なく聴こえる。ベース・有江/ドラム・中畑とともに、VOLAならではの痙攣ダンス・ロック・アンサンブルの一翼を任せられるギタリストを新たに見つけたんだなあ、と早くも手応えを感じてしまった。
アヒトがギターを手にして、そのまま次の“An Imitation’s superstar”へ雪崩れ込む――時速60km制限の道路をマッハでかっ飛ばすような、イケナイ快楽! 背後のビジョンに流れる「通行人無差別射殺」とか「ヌンチャクvsかめはめ波使いの忍者」みたいなシュールな映像と一体になって、背徳的な熱狂がフロアに渦巻き始める。「東京都民のみなさん。VOLA & THE ORIENTAL MACHINEがミッドナイトをお知らせします」の口上でお馴染みの“MIND CONTROL”の後、アヒトが改めて楢原をオーディエンスに紹介。
楢原「ただいまイナザワ アヒトさんからご紹介にあずかりました、楢原英介です。がんばります!」
アヒト「……普通の挨拶やね」
楢原「よく俺を見つけて、メンバーにしてくれたね!(偉そげ)」
アヒト「……彼、自分のことばっかり話すんですよ。無間地獄みたいな話しかしないんで(笑)」
と、すでにいじられまくってる楢原。続くミドル・テンポの新曲は、普通はギター同士が掛け合いをやるべきところを、あえてギターを抜いてベースに置き換えたみたいなスカスカの構造を持っていながら、それが不思議な浮遊感とユーモアを生んでいる。さらに、“Internal division”の明るく爽快な退廃感、そして本編最後の“ORIENTAL MACHINE”でパーカッション叩きまくるアヒト&バイオリンで流麗なカオスを奏でる楢原の姿……この4人での準備期間は1ヶ月ほどしかなかったそうだが、それでもバンドが「次」へ向けて音楽的フォーメーションの自由度と、それを可能にする4人のタイトなチームワークを実現していることがよくわかる、充実のアクトだった。終演後には、「年末はちょっと企んでるんで。やらかしますよ」と、COUNTDOWN JAPAN 08/09への抱負を語っていたアヒト。楽しみだ。
追記:この日、the telephonesの4人がリキッドルームに観に来てました。明日の『LOVE & DISCO E.P.』レコ発ワンマン@ラフォーレミュージアム原宿もここで速レポします。乞うご期待。(高橋智樹)
1.self-defence
2.An Imitation’s superstar
3.principle of machine
4.FOOD’S NEXT
5.MIND CONTROL
6.新曲
7.夢診断
8.Internal division
9.soft genocide
10.comeback in darkness
11.Mexico Pub
12.A communication refusal desire
13.ORIENTAL MACHINE
アンコール
14.Double Standard
15.Song of Ruin