め組×ONIGAWARA 「7月のお化け屋敷は8月より怖いぞ」/TSUTAYA O-nest

め組×ONIGAWARA 「7月のお化け屋敷は8月より怖いぞ」/TSUTAYA O-nest - め組 All photo by yosuke kamiyamaめ組 All photo by yosuke kamiyama
め組の配信シングル『お化けだぞっておどかして』リリース当日に開催された自主企画「7月のお化け屋敷は8月より怖いぞ」。ゲストにONIGAWARAを迎えての2マンである。それぞれのスタンスで偏執狂的なポップへのこだわりと情熱を注ぎ込む2組が、ステージ上でせめぎあい、そして満場のオーディエンスを熱狂させ続けるという、素晴らしい一夜になった。
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先行は、元・竹内電気の竹内サティフォ(Vo・G・Programming)と斉藤伸也(Vo・GAYA・Programming)によるスーパーJ-POPユニット=ONIGAWARAだ。初っ端からペンライトを振りかざして焚きつけるディスコチューン“タンクトップは似合わない”を放ち(同じようにペンライトで舞うファンも多数)、“シャッターチャンス’93”ではトラックのブレイク部分でポーズを決める。オーディエンスが撮影した写真を、SNS上に拡散することを促していた。
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竹内が掻き鳴らす布袋寅泰モデルのギター以外はカラオケなのに、ポップのツボを心得まくったキャッチーな楽曲とふたりの歌声はやたら高性能。ユーモラスに踊る斉藤に視線を奪われてしまうのが悔しい。「最近、め組ってバンドが目立ってるらしいじゃん。むしろ俺たちの方が目立ってる。そうだろ相棒!」と告げて中毒性の高いフックを次々に投げかけ、“Eじゃん”までの7曲を一気にフィニッシュした。彼らは8月2日・3日に新代田FEVERで2デイズの自主企画を予定しており、その直後の8月5日にはROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017に出演する。

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さて転換後、ステージにはプロジェクターが用意され、め組・菅原達也(Vo・G)の挨拶が浮かび上がる。新曲“お化けだぞっておどかして”のミュージックビデオを、インターネット上の公開に約2時間先駆けて、この日のオーディエンスに観てもらおうという趣向だ。賑々しくパフォーマンスするめ組と、爽やかに駆け抜ける少女、そしてビルより大きなプロレスラーの格闘がフィーチャーされた痛快なビデオになっているので、ぜひ今からでもチェックしてほしい。
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そしてお馴染みラッツ&スター“め組のひと”のSEに乗って、喝采の中に飛び込んでくるめ組の5人。「今日は僕らと、人生だめにして貰っていいですかーっっ!!」と菅原が第一声を投げかけ、“悪魔の証明”でライブがスタートだ。メンバー個々が高い演奏技術を誇りながら、アンサンブルとしてより筋肉質に引き締まった響き方をしていて素晴らしい。《ちゅるりらら》の合言葉を高らかに歌い上げるオーディエンスの様子に喜びつつ、出嶋早紀(Key)の叩きつけるようなピアノ、そして歌詞の言葉を誘爆させる大熊諒(Dr)のビートとともに未音源化のナンバー“1+1=”も繰り出されていった。
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富山京樹(G)のワウギターと下山拓也(B)のファンキーなベースプレイが交錯する“ホワイトタイガー”では、コミカルな悪夢の歌をオーディエンスががっちり共有している。め組とフロアの間に一切の温度差が感じられず、歯車がカッチリと嚙み合ったライブ空間だ。「めちゃめちゃいいお客さんじゃん!」と菅原は興奮気味だが、それはめ組のパフォーマンスによって導かれたムードでもあるだろう。「あたし」の一人称で歌われるさまが気持ち悪いということで、紅一点・出嶋による初のリードボーカル曲となった新曲“あたしのジゴワット”(菅原は最初から出嶋のために練り上げたと主張していたが、嘘つき、と突っ込まれていた)は、出嶋が艶のある歌声に専念し、ヘヴィな轟音とのコントラストを描き出す。
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一言一句の情景描写が熱を帯びる“放課後色”を経て菅原は、5人で作り上げたという手応えが強い“お化けだぞっておどかして”を早くリスナーと共有したかった、と今回の自主企画の意図を告げ、この曲を歌う。鮮烈な勢いの中から切ないラブストーリーが浮かび上がり、唐突なラップパートをオーディエンスが手拍子で援護射撃するという盛り上がりを見せていた。ONIGAWARAの楽曲にあやかった「ヒットチャートを!」「ねらえ!」のコール&レスポンスを巻き起こして傾れ込む“ジュゴンの背中に乗って”、そしてもはや菅原が歌う必要もないくらいの大合唱を巻き起こす“500マイルメートル”と、片時も熱冷めやらぬまま本編を締めくくるのだった。
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アンコールでは、10月25日にニューアルバム『僕だってちゃんとしたかった人達へ』をリリースすること、そして11月・東名阪のワンマンツアー開催を大発表。来るニューアルバムから披露された新曲“ござる”は、タイトルの割に壮大なテーマを持つナンバーだ。菅原は「自分たちの音楽が本当にいいと思うようになって、多くの人に届けたいという気持ちが強くなりました。メンバーもスタッフも気合が入っていて、本当にいい状態なんです。今年は特に、みんなの力を貸して貰っていいですか?」と呼びかけていた。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017出演は8月12日。夏の向こうに見えため組の未来を、こぞって追いかけてほしい。(小池宏和)
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●セットリスト
ONIGAWARA
1.SE~タンクトップは似合わない
2.シャッターチャンス’93
3.恋のメリーゴーランド
4.目立ってます
5.恋はすいみん不足
6.ヒットチャートをねらえ!
7.Eじゃん

め組
1.悪魔の証明
2.マイ・パルプフィクション
3.1+1=
4.ホワイトタイガー
5.余所見
6.あたしのジゴワット
7.独りな武士
8.放課後色
9.お化けだぞっておどかして
10.ジュゴンの背中に乗って
11.500マイルメートル
(アンコール)
EN1.ござる
EN2.HEARTFUL



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