VAMPS/幕張メッセ イベントホール

VAMPS/幕張メッセ イベントホール - All photo by 岡田貴之、田中和子All photo by 岡田貴之、田中和子


●セットリスト
1. UNDERWORLD
2. INSIDE OF ME
3. LIPS
4. EVIL
5. BREAK FREE
6. DON'T HOLD BACK
7. BLEED FOR ME
8. IN THIS HELL
9. CALLING
10. BLOODSUCKERS
11. DEVIL SIDE
12. RISE OR DIE
13. AHEAD
14. B.Y.O.B. (BRING YOUR OWN BLOOD)
15. MIDNIGHT CELEBRATION
16. SIN IN JUSTICE
17. SWEET DREAMS
18. RISE UP
19. SEX BLOOD ROCK N'ROLL


「今日が一番かっけえとこをみんなに見せてやろうぜ!!」(HYDE)。4枚目のフルアルバム『UNDERWORLD』を引っさげ、6月より開催されてきた『VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD』が11月5日にファイナルを迎えた。彼らはまさに今、えげつないロックのパワーでもって時代の先を切り開いている。そのことを証明するような一夜だった。

VAMPS/幕張メッセ イベントホール
SEが鳴り、開演時刻の17:06、つまり(1)6:66までのカウントダウンがスタートする。定刻を迎えメンバーが入場すると、沸き起こったのは地鳴りのような大歓声。「Let’s go!!」というHYDEの咆哮を皮切りに、“UNDERWORLD”の重低音が空間を侵食していく。音源よりも獰猛性を増したボーカルがオーディエンスの身体を震わせ、理性のタガを外し、会場全体による壮絶な掛け合いが実現。続く“INSIDE OF ME”の終了時、HYDEが舌を出し舐め回すような官能ポーズを決めると同時に“LIPS”へ。舞台両端に配されたパトカーに登るK.A.Zも、そのダイナミックで荒々しいストロークに自身のすべてを込めるかのような熱演を披露していく。
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『UNDERWORLD』というアルバムは挑戦作だ。おもにアメリカにおけるさらなる成功を目指し、ダークでヘヴィな音像とシリアスかつ力強いメッセージが収められている。それは国内のリスナーを度外視しているようでもあるけれど、従来の魅力にとどまるよりも、リスクを覚悟してでも冒険し、一層進化した姿を観せつけること。それこそが日本のファンに対する本当の愛情であり、だからこそ彼らはかっこいい存在であり続けられるということが、この3曲で早くも体現されてしまった。

「UNDERWORLDへようこそ。準備できてるか、悔いのないようにいこう!!」(HYDE)というMCを経て、さらに濃密な時間へ突入する。“EVIL”でHYDEが碧眼を輝かせると、“BREAK FREE”でK.A.Zはジャンプしながら狂瀾のプレイをぶちかます。畳み掛けるように重厚なリフの“DON’T HOLD BACK”、ヘヴィとはスローであることだと言わんばかりの“BLEED FOR ME”、小気味よいシーケンスに爆音の壁、どでかいメロディが悠然と響き渡った“IN THIS HELL”を連続投下。圧巻は、アリーナでこそ威力を発揮する“CALLING”の大シンガロングによる絶景だった。「ファイナルがやってきたよ。この後しばらく(ライブが)ないから。少々ぶっ壊れても大丈夫だからね。一緒に暴れようぜ。すげえとこ見せてもらわねえと成仏できねえからな!!」、HYDEはそう煽り、“BLOODSUCKERS”になだれ込む。極悪リフに全身全霊のスクリーム。会場の壁をぶち破り天井すらぶっ飛ばすかのような勢いに、ロックって最強なんだと思わされる。
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次の“DEVIL SIDE”、“RISE OR DIE”、そしてHYDEもギターをかき鳴らした“AHEAD”では、ロックが本来持つシンプルかつキャッチー、みんなで爽快に歌えるパワーを爆発させた。一転、ダンスナンバーの“B.Y.O.B”に入るとミラーボールが回り、K.A.Zの後ろから右へ左へと顔を覗かせるHYDEがなんともキュート。かと思えば“MIDNIGHT CELEBRATION”で、アリーナへ降りスプレーを噴射するやんちゃな暴れっぷりも露にした。

一旦小休止を挟んだ後、“SIN IN JUSTICE”からラストスパートへ。地獄の底から這い上がるような前半を経て炸裂するメロディ、その美しさったらもう身悶えするほど。演奏が終わり、K.A.ZのMCタイムが始まる。「素晴らしいアルバムができて、アメリカツアーをやったり、国内ツアーをやったり、この間ハロウィンもあったしね、フェスもやったりとか。みんながいてくれたからこんだけ盛り上がってこれたと思います。ほんとにありがとう。今年はこれでVAMPSの活動が最後になるんですよね。じゃあ……早いけどよいお年を」。続いてHYDEも「長いようで短かったけど無事に回れて、みんなの顔が見れてすごいうれしいです。みんなね、かわいいなあと思って。今日はすごく楽しかったです、ありがとうね」と語る。そして観客にスマートフォンのライトを灯すように求めると、ファルセットを交えた美旋律による“SWEET DREAMS”の幻想的で神秘的な光景が広がった。
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締めはやっぱり「はっちゃけるぞ!!」(HYDE)と激ヤバ楽曲の2連発。この国を想う“RISE UP”、その《We will rise up》という歌詞が大合唱された瞬間、胸の中がいっぱいになってしまった。いよいよ迎えたラストは、花火を打ち上げるように“SEX BLOOD ROCK N’ROLL”をかき鳴らし、万感のフィナーレを飾った。曲が終わり、ステージ上で自撮りをするふたりはまさにキッズそのもの。心の底からこのツアーを楽しんだことが伝わってくる。「また会おうな。首洗って待ってろよ!!」とHYDEは言い、投げキスをしながらK.A.Zとともに姿を消したのだった。

なお今回のツアーのうち、Zepp Osaka Bayside公演を完全収録した映像作品『VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD』が12月6日にリリースされる。こちらもぜひチェックを。(秋摩竜太郎)

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【速報】VAMPSのツアーファイナル、えげつないロックのパワーを喰らった
「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」が幕を閉じた。ダークもヘヴィもメロウもキャッチーも、すべてをかっこいいに昇華してしまう。それがロックの力であり、VAMPSのすごさである。なぜそんなことができるのか。その理由は、彼らが常に本気で挑戦し、走り続けているからだ。その証明が『U…
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