GOING UNDER GROUND @ 赤坂BLITZ

GOING UNDER GROUND @ 赤坂BLITZ - GOING UNDER GROUNDGOING UNDER GROUND
GOING UNDER GROUND @ 赤坂BLITZ
昨年11月からスタートしたGOING UNDER GROUNDの全国ツアー『GOING UNDER GROUND TOUR 2008-2009 “LUCKY STAR”』。このツアーは先ごろ発表された4月18日の日比谷野外大音楽堂でのワンマンまで続くので、この赤坂BLITZ公演はまだまだ中盤戦。といわけで詳細を書くのは差し控えるが、ツアー・タイトルの“LUCKY STAR”=3月4日に発売されるニュー・アルバムのタイトルということで、新曲もふんだんに盛り込み、アルバムへの期待感を煽る一夜となった。

場内が暗転し、SEとともにゆっくりと5人がステージに現れると、会場は何とも温かい拍手に包まれる。そして、いきなりニュー・アルバムのタイトル曲“LUCKY STAR”をはじめ新曲3曲を立て続けに披露。一音一音を大事に紡ぎ出し、一言一言に熱い想いを込めて歌う松本素生。この出だしの3曲で、来る新作がいかに充実しているかが伝わってくる。ゴーイングらしいセンチメンタルなメロディーにオープニングにもかかわらず、ちょっと涙が出そうなくらい感動してしまった。松本は「頭3曲、新曲でみんなポカーンとしてたけど…」とMCで言っていたけど、多分みんなポカーンとしていたのではなくて、ものすごく聴き入っていたんだと思う。

また、「(今日のライブは)新曲発表会みたいにはならないから。いつも通りやるんで楽しんでください!」と言っていたけど、前半戦は半分くらい新曲。それでも、オーディエンスは一音一音を聞き逃すまいと耳を傾けながら盛り上がっていたし、なんら違和感なくいつもと変わらないゴーイングの良さに身を委ねることができる流れだった。今日披露された新曲群がいかにGOING UNDER GROUNDらしさを貫いているかということを証明しているとも言えるだろう。

前半戦を終えたところで、昨年末のCOUNTDOWN JAPAN 08/09の大阪会場で披露してくれたユニオンジャックのジャケット話に。(詳しくは大阪会場のクイックレポートをご覧ください!)大好きなザ・フーの来日を機にオーダーメイドしたそうだが、大阪では笑われてしまったそう。そんな物議をかもしたユニオンジャックのジャケットを今日も実は持ってきていた、ということで再び着用し「後半戦、飛ばすぞ!」と“TRAIN”を熱唱! 1曲演ったら暑くなってしまったようでジャケットは脱いでしまったが、「もっと、行こう!」とモニターよりも前にせり出し、ステージのギリギリのところまでマイクスタンドを移動させ、オーディエンスと近い距離でエネルギッシュなナンバーを次々と畳み掛けていった。“Holiday”ではお馴染みのタオル回しやミニトランポリンでのジャンプで伊藤(Key)がオーディエンスを煽動し、この日一番の盛り上がりを見せた。

時に温かくて、時に胸を締め付けるように切ない想いが溢れ出てくるこの感じはやっぱりGOING UNDER GROUNDのライブでしか体感できない。今日のライブを観ていてずっと「GOING UNDER GROUNDらしさ」ってなんだろうと考えていたのだけど、それはラストで披露された1月21日に発売されたばかりのシングル『いっしょに帰ろう』がすべてを物語っているような気がする。松本自身もこの曲について「『4年に1度書けたぜ!』という曲」「結局、俺らはこういうことが歌いたかったんだ」と説明していたけど、本当に今のGOING UNDER GROUNDが歌いたい、伝えたいことが凝縮された1曲だ。郷愁を誘う切ないサックスのイントロは、松本がブルースハープで演奏。寂しくても、苦しくても、迷っても、最後にはすべてを笑顔に変えてしまう魔法のような歌。これこそがGOING UNDER GROUNDだ。今日披露された新曲はそんな「らしさ」がギュッと詰まった楽曲ばかり。アルバムの発売が待ち遠しくて仕方がない!そう思わせてくれる一夜だった。(阿部英理子)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on