ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST

●セットリスト
1.ROCKSTEADY
2.TRAVELING GARGOYLE
3.Ark
4.DISCOGRAPHY
5.KILLER TUNE
6.From Noon Till Dawn
7.SIX DAY WONDER
8.シンクロ
9.SAD AND BEAUTIFUL WORLD
10.冬の太陽
11.Alternative Dancer
12.月に読む手紙
13.Curtain Falls
14.TENDER
15.DAY TO DAY
16.シンデレラソング
17.Melodic Storm
18.鱗(うろこ)
19.SENSELESS STORY TELLER SONY
20.Farewell Dear Deadman
(アンコール)
EN1.シーグラス
EN2.REMINDER


「対バンをずっとやってると、ワンマンが長く感じるよね(笑)。だけど、年末にSTUDIO COASTでワンマンをやるっていうのは、なんとなく体に染み付いてるっていうか……この景色を毎年のように見れるっていうのは、本当にかけがえのないことだと思います」
満場のフロアを見回して語りかけるホリエアツシ(Vo・G・Piano)の晴れやかな言葉が、新木場STUDIO COAST一面の拍手喝采を巻き起こしていく――。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
来年の結成20周年&メジャーデビュー15周年を目前に、10月からいよいよアニバーサリーイヤーに突入したストレイテナー
6月の「BROKEN SCENE TOUR 2017」に続き、ねごと(新潟)/BIGMAMA(福岡&広島)/9mm Parabellum Bullet(大阪&高松)/ASIAN KUNG-FU GENERATION(札幌)/ACIDMAN(名古屋)といった錚々たる対バンゲストを迎えて行われた、今回の「BROKEN SCENE TOUR 2017 AW」。
2017年のテナーは対バンやフェス/イベント出演を積極的に行ってきた一方で、ワンマンライブはツアー初日=11/4・仙台Rensaと11/14・マイナビBLITZ赤坂、そして今回の12/12・新木場STUDIO COAST公演の3本のみ――ということで、超満員のオーディエンスの熱気が開演前から濃密に渦巻いていたフロアを、テナーの4人は“ROCKSTEADY”、“TRAVELING GARGOYLE”の剥き身のロックの躍動感と“Ark”の清冽なエッジ感でもって、伸びやかに歓喜の果てへと導いてみせた。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
さらに「新木場、踊ろうぜ!」のホリエのコールから、ナカヤマシンペイ(Dr)&日向秀和(B)の激烈リズムが唸りを上げるダンスナンバー“DISCOGRAPHY”、“KILLER TUNE”を連射して会場をでっかく揺さぶってみせると、すかさず“From Noon Till Dawn”へ突入。ホリエ&大山純(G)のギターのせめぎ合いが、STUDIO COAST丸ごとOiコールと拳の突き上がるロックの地平へと塗り替えてみせる。
何より最高なのは、ロックのダイナミズムそのもののように磨き抜かれた4人のアンサンブルと歌声も、“SIX DAY WONDER”、“シンクロ”のようなピアノナンバーの麗しの音像も、張り詰めた緊迫感や切迫感ではなく、至ってポジティブでオープンマインドな生命力とともに鳴り渡っていたことだった。それによって、ホリエのメロディの魅力が格段にカラフルに咲き誇っていく――そんなマジックに満ちた一夜だった。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
「最高の仲間たちが、本当に愛の詰まったトリビュートを作ってくれて――俺たちも僭越ながら参加してるんですけど(笑)。そんなトリビュートの曲を、今日はメインにやっていきたいと思います」というホリエの言葉通り、10月にリリースされた初のトリビュートアルバム『PAUSE~STRAIGHTENER Tribute Album~』にカバーバージョンが収録された12曲(テナー自身による“SAD AND BEAUTIFUL WORLD”も含む)が主軸を成していたこの日のアクト。
さらに“月に読む手紙”(Twitter発の4コマ漫画企画『シャープさんとタニタくん』テーマソング)、さらにはバンド自身初のコラボが実現したストレイテナー×秦 基博のシングル『灯り』のカップリングに収録されていた秦の名曲“鱗(うろこ)”のカバーなど、他アーティストとの共演/コラボレーション越しに新たな可能性を切り開いたこの1年を象徴するようなセットリストを構築していたのも印象的だった。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
“TENDER”、“DAY TO DAY”が繰り広げる、ロックマーチとでも言うべき力強いビート感。“シンデレラソング”のスリリングな熱量を“Melodic Storm”へジャックインして、圧巻のシンガロングと多幸感を生み出していたこの日の4人。
髪を切ってさっぱりした佇まいのホリエを日向がいじったところから「OJもそろそろ髪型変えるか……坊主?」(日向)、「(坊主は)職質がすげえんだよ!(笑)」(大山)と話の矛先を次々に他のメンバーに向けたり、「さっき“シンデレラソング”のところを、てっきり“Melodic Storm”だと思って弾いてた……」(日向)、「俺、モニター(スピーカー)がイカレたと思った(笑)」(ナカヤマ)と裏話をぶっちゃけたり……といった具合に、トークショウばりにフロアを沸かせていたMCも、STUDIO COASTの突き抜けるような開放感をさらに後押しするものだった。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
“SENSELESS STORY TELLER SONY”に続けて、“Farewell Dear Deadman”をオーディエンスの高らかな歌声&クラップとともに響かせて本編を締め括ったテナー。
アンコールで再登場したナカヤマの「今年3回しかワンマンをやらなかったおかげで、あなたたちの大切さがよくわかります。ありがとうございます!」の言葉に、熱い拍手喝采が広がる。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
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ナカヤマ 「ミドルテンポの曲やってても、もはや信用できるっていうかさ。『絶対みんな気持ちよくなってるんだろうな』っていうのが、わかりながら演奏してるから。ありがてえなあって」
ホリエ 「でも、“SENSELESS〜”の時ばっかりは、あの変拍子にやられて、みんな手の動かし方がバラバラなの」
日向 「あれはでも、俺たちでさえ危ないもんな」
大山 「作曲した本人(ホリエ)が『あれって5(拍子)だよね?』って言ってたからね(笑)」
ホリエ 「あの曲の中で《理解に苦しんで〜》みたいな歌詞があるんだけど、俺が理解に苦しむっていう(笑)」
――そんな4人の自然体なやり取りが、会場の温度と一体感をなおも刻一刻と高めていく。

ストレイテナー/新木場 STUDIO COAST
「来年あたり、全然ライブでやってない曲だけのライブをやろうと思ってます!」というホリエの告知に歓声が広がったところで、アンコールでは“シーグラス”、“REMINDER”を立て続けに披露。ロックのロマンを高純度に凝縮したテナーの名曲が、どこまでも鮮烈な輝度と色彩感をもって、名演のラストを眩しく飾っていた。(高橋智樹)

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終演後ブログ
【速報】ストレイテナー年内最後のワンマンに観た、逞しく開放的なロックの風景
「BROKEN SCENE TOUR 2017 AW」も終盤、しかも2017年最後のワンマンライブ!ということで、ただでさえ歓喜のレッドゾーンに振り切れまくった新木場STUDIO COAST満場のオーディエンスを、ストレイテナーの4人はいとも伸びやかに、かつパワフルに高揚の頂へと導いていった。…
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