2008年に開催したアルバム『orbital period』リリースツアーのリバイバルツアーとなった「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」。2008年当時のツアーを観ていた人が懐かしい気持ちになって、思い出に浸るようなライブになるだろうと最初は思っていた。実際、大きなビジョンに映し出される『orbital period』の世界観を象徴する「星の鳥」のビジュアルには、あの頃アルバムに対して抱いていた感情を思い起こさせるようなエモさがあったが、それ以上に、16年経っても「やっぱり名曲だな」と新鮮に感動できる色褪せない楽曲のパワーに感動した。しかも、“真っ赤な空を見ただろうか”のような当時のシングルのカップリング曲を含むセトリで、下手すればライトなファン層を置いてけぼりにしかねないほどのかなり再現度の高い「リバイバル」ではあったが、そのコンセプトに共感した多くのリスナーが集ったという事実が、いかにBUMP OF CHICKENがみんなに愛され続けてきたのかを物語っていた。あの当時の曲たちを、電波塔のような大掛かりなセットを背負い、16年前よりも多くの観客に見守られながら、当時と同じように4人だけで音を鳴らす姿は、長年のファンにとっても誇らしかったに違いない。
有明アリーナ1日目のMCで藤原基央(Vo・G)は、リバイバルツアーができるのは、16年もの間大切に曲を聴いてくれた君のおかげだと丁寧に感謝を述べていた。当時、ライブ中に「ありがとう」と言いすぎだとスタッフに指摘されたというエピソードを聞いたことがあったが、そんなところも根本は変わっておらず、だからBUMP OF CHICKENの楽曲はいつまでもみんなの心の中で輝き続けるのではないかと、人生で初めて観に行ったライブが「ホームシップ衛星」だった私は勝手ながらそう思っている。
4月30日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』6月号では、「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」の後半戦レポートを掲載! こちらもお見逃しなく!(有本早季)
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BUMP OF CHICKEN、16年経っても色褪せない名曲たちを鳴らすツアー「ホームシック衛星2024」完結!
2024.04.26 18:30