マイ・モーニング・ジャケット @ duo Music Exchange

マイ・モーニング・ジャケット @ duo Music Exchange - マイ・モーニング・ジャケットマイ・モーニング・ジャケット
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ついにフルセットのライブがここ日本で実現!!! 現在、世界最高峰のライブ・バンドとの呼び声も高い、アメリカはケンタッキー州出身の5ピース・バンド=マイ・モーニング・ジャケット。そうした海外での評価は大げさでも何でもなく、本当に圧巻・凄絶なライブだった。

場内は、1Fも階段も2Fの関係者席まで、人がびっしり。熱気も半端じゃない。男性率が高く、場所によっては、自分より身長が高い男性陣に囲まれて、全くステージが見えないという状況。幸運にも見通しの良い場所をキープして、開演を待つ。

満場の歓声に迎えられ、メンバーがステージに。最新アルバム『イーヴル・アージズ』の冒頭を飾る表題曲で幕開け。リバーブがかったギターの音色が、じわじわと脳内宇宙を刺激していく。フロントマン、ジム・ジェイムスの、切々とした透き通るような歌声も神秘的で美しい。ゆったりとしたリズムから、一転、ウェスタンっぽい反復ギター・リフをきっかけに、疾走感溢れる展開になっていくこの曲でのオープニングは、まるで船出のよう。この先どんな世界に誘われていくのか、期待感が膨らむ。

そしてアルバム随一のドリーミー・ナンバー“タッチ・ミー・アイム・ゴーイング・トゥ・スクリーム・パート1”へと。聴き手を幻惑するように、ジムはマントを身に着け上下に揺らす。おとぎの森をさまようようなふわふわした快感に溺れかけていると、次にきたのが、軽快なカントリー風味のレゲエ・チューン“オフ・ザ・レコード”。メンバー間の息もぴったりで、心弾むリズムが、跳ね上がりながらも超パワフルに繰り出される。フロアからも「ウォーッ」とエキサイトした歓声が。そして雄大なメロディアス・ナンバー“ザ・ウィイ・ヒー・シングズ”“アイム・アメイズド”へと。おおらかに歌い上げる、ジムの歌声が切なく、郷愁を誘う。

もう、ここまでで「今日このライブに来られて本当に本当によかったー!!!!」と心の中で叫び声を上げていた人は少なくないと思う。どっしりとしたドラム、力強くうねるベースライン、メタルの名プレイヤー達もかくやという技巧とパワフルさでギターを操るギタリスト二人、的確かつあでやかなキーボード・プレイ。各メンバーの演奏力が恐ろしく高く、自在に様々なリズムを操る。各々のプレイに目を奪われることもしばしば。緊張感溢れるヒリヒリしたパフォーマンスには、音の求道者といった感じの静かな闘志が熱くみなぎっていた。メタル、ロック、カントリー、フォーク、エレクトロ・ポップ、R&B、ブルース、ソウル、ニュー・ウェイヴにアブストラクト・・・・・・本当に多彩な音楽背景を持った楽曲が続々と飛び出すが、その融合のさせ方具合にどれも、オリジナリティが溢れている。各音楽性がもつ温度感が、いい形でキープされたまま、ミックスされている。

そして天井が高くないこの会場であっても音が気持ちよく抜けており、PAとの連携もばっちりといった感じ。期待以上に、ライブでしか体感できないダイナミズムが満載なのだ。響き渡るジムの歌声も神がかっている。加えて、所々に、オーディエンスを楽しませようとする、音楽愛に溢れたパロディ的アクションや、茶目っ気溢れたユーモア精神がみられてなんともほっこり。アイ・キャッチになるファッション性とか表層的なところには目もくれず、やり方は不器用かもしれないけど、ディープなところで、めちゃくちゃ研ぎ澄まされたことをやっているバンドなのだ。あらためて惚れ惚れするばかり。

個人的には、ドラマー=パトリックのクマさんのようなたたずまいと、安定感たっぷりのドラミングにグッときた。本当にいいキャラしているよなー。アンコールまでに約19曲を披露、恍惚と覚醒と熱狂、各曲ごとにツボが異なる「心の感涙ボタン」が押されていくような、そんなライブだった。

アンコール、ラスト2曲のキラー・チューン“エニイ・タイム”“ワン・ビッグ・ホリデイ”での、完全に感情が解き放たれたフロアの盛り上がりも圧巻。鮮烈な光景が今も瞼の裏に焼きついている。オーディエンスの空気感も含めて最高の一夜。海外での圧倒的な人気を思うと、これを見逃したら次の来日がいつになるかわからないなんて思っていたけど、日本のオーディエンスからの愛は伝わりまくったと思う。次の来日が待ち遠しい! 名ライブ盤『オコノコス』をまたじっくり聴きこもう。

ちなみに、バンドの意向で、観客によるステージ撮影や録音が可能となっていたから、行けなかった人も、友達を通じたりして今夜の映像が観られたりするチャンスがあるかもしれませんよ。(森田美喜子)

1.Evil Urges
2.Touch Me I\'m Going To Scream Part 1
3.Off The Record
4.The Way That He Sings
5.I\'m Amazed
6.It Beats 4 U
7.Sec Walkin
8.Golden
9.War Begun
10.Thank You Too
11.Mahgeetah
12.Lay Low
13.Gideon
14.Librarian
15.Dondante
16.Smokin From Shootin
17.Touch Me I\'m Going To Scream Part 2
18.Cobra→into
19.End of Run Thru

アンコール
20.Bermuda Highway
21.Look At You
22.Wordless Chorus
23.Highly Suspicious
24.Anytime
25.One Big Holiday
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