KEYTALK/CLUB CITTA’川崎

KEYTALK/CLUB CITTA’川崎 - All photo by 後藤壮太郎 / 白石達也All photo by 後藤壮太郎 / 白石達也
2018年3月7日にリリースされた最新アルバム『Rainbow』を携え、4月から7月まで全国19ヶ所24公演のスケジュールを駆け抜ける、KEYTALK「Rainbow road Tour 2018 〜おれ、熊本で2番目に速いから〜」。今回レポートするのは、ツアー中盤戦にあたる神奈川・CLUB CITTA’川崎2デイズの2日目だ。まだツアーは続くのでセットリストの記載は控えるけれども、以下本文では少々の演奏曲表記などネタバレを含むので、閲覧にはご注意を。

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7月14日(土)のファイナル熊本を目指して突き進む今回のツアーのタイトルは、巨匠・寺中友将(Vo・G)が以前から公言していた某有名レースゲームについての話題に基づいている。ビデオゲームを元ネタにしたメンバーの小芝居で次の演奏曲を紹介してみたり、ライブハウスでこれだけド派手な視覚効果を次々に仕掛けるか、というステージは、さながらビデオゲームのプレイを観ているかのような楽しさと華やかさであった。

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ただし、ライブの印象そのものは「視覚効果が凄かった」というものではなくて、むしろそれと堂々渡り合う『Rainbow』モードの強烈なパンチ力を宿したソングライティングと、4人の表現スキルを惜しみなく注ぎ込む演奏に意識を奪われる。胸を焦がすロマンの中へとリスナーを叩き込む灼熱のロックチューン“ワルシャワの夜に”や、人間関係が呼び起こす激情の渦と化したシングル曲“ロトカ・ヴォルテラ”といった、アルバム『Rainbow』序盤の首藤義勝(Vo・B)作品がもたらすインパクトは強烈。ただ高度なグッドメロディを手がけるのではなく、まるでバンドの放つ熱量までが予め計算されているかのような、ロックなアタック感を込めたソングライティングになっているのだ。

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ライブ序盤に「1曲目で口にかかった髪が、2曲目で口の中に入って、3曲目で喉に引っかかって、要約するとめちゃくちゃ楽しいってことです!」と告げていた小野武正(G・MC・Cho)は、暫くすると巨匠から「せっかく1時間かけてストレートにした髪が、戻ってるじゃないですか」とイジられてしまう。それぐらい、温度・湿度の変化もえげつないライブだということだ。八木優樹(Dr・Cho)は、秀逸な魚の顔真似を見せる新キャラクター=ノドグロさんや、赤い帽子を被った某有名ゲームキャラクターそっくりの風貌で巨匠が握るコントローラーに操作されるなど、変身ネタ多めである。巨匠はテキーラの小タルを担いできて、ショットグラスになみなみと注ぎ飲み干してみせたりもする。

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照明の色彩が夕焼け色にグラデーションがかった巨匠作の“旅立ちのメロディ”では、アコースティックとエレクトリックのギターサウンドが織り成す響き合いも美しい。4人の演奏のフォーメーションが自由度高く新鮮な見せ場を作り上げるステージ(しかも、これがひとつのハイライトになっている)は、ライブバンドとしてのさらなる可能性を証明していた。また、オーディエンスの高らかなコーラスを誘う巨匠作“Rainbow road”では、《放物線》という歌詞フレーズが義勝作の“ワルシャワの夜に”と呼応するように響いて、ドラマティックな流れを生み出していた。

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4人がそれぞれにキャラ立ちしたKEYTALKのロックは、確かにゲームに興じているような楽しさがある。でも、まるで子供が遊ぶようなノリで難解な数式をスラスラと書き記すように高度な音楽をしたためたり、わちゃわちゃと戯れているようでロックのGPレースのポールポジションを掻っ攫っていく姿は、4人のミュージシャンが競い合い鍛え上げてきたバンドの、天井知らずな進化を裏付けていた。めちゃくちゃパーティ性が高くて素晴らしい楽曲が次々畳み掛けられるのに、背筋をゾクリとさせられるような凄味を感じさせる瞬間が幾度となく訪れるのである。

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松岡修造とのコラボムービーが公開されている、C.C.Lemonのオリジナル曲“Cheers!”(7月18日(水)にシングルリリース)は、巨匠と義勝の清冽なユニゾンボーカルが映え、フロア一面のハンドウェーブを誘うナンバーになっていた。また、9月8日(土)にスケジュールされたワンマンライブの公演タイトルは「KEYTALK幕張メッセワンマンライブ『ド真ん中で頑張マッセ~shall we dance?~』」に決定したことをステージ上で発表。まだまだツアーは続くけれども、2018年のKEYTALKはその後も次々に凄いものを見せてくれそうだ。(小池宏和)

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