Mrs. GREEN APPLE/幕張メッセ国際展示場 

Mrs. GREEN APPLE/幕張メッセ国際展示場  - All photo by Hajime KamiiisakaAll photo by Hajime Kamiiisaka

●セットリスト
1. Love me, Love you
2. キコリ時計
3. 愛情と矛先
4. StaRt
5. HeLLo
6. Oz
7. 日々と君
8. パブリック
9. アウフヘーベン
10. Coffee
11. 鯨の唄
12. FACTORY
13. ツキマシテハ
14. WanteD! WanteD!
15. うブ
16. WHOO WHOO WHOO
17. L.P 
18. REVERSE
19. 青と夏
20. 【*未発表曲】
21. SPLASH!!!
22. Speaking
23. They are
24. PARTY
25. Love me, Love you
(アンコール)
E1. 光のうた
E2. CONFLICT
E3. はじまり
WEN. 我逢人


3rdアルバム『ENSEMBLE』のリリースに伴う全国ホールツアーを締め括る幕張メッセ2デイズ、その2日目。終盤のMCで、『ENSEMBLE』というアルバムおよび今回のツアーについて大森元貴(Vo・G)はこのように語った。普段取り繕っている分、曲の中ではありのままの自分を出しているため、制作中は悲しい気持ちになるのだと。そういう作り方はもうやめようと思った時期もあったが、実際出来た『ENSEMBLE』は『TWELVE』(2016年リリースの1stアルバム)同様、華やかさの裏側の、悲しみ・苦しみ・切なさ・つらさまでもが曝け出されたアルバムになったのだと。そのため「このぐらいやらないとエンターテインメントとして成立しない」と思い、今回のような方向性に舵を切ったのだと。

ブロードウェイを思わせるアルバムアートワークを踏襲したステージセット。メンバー5人のクラシカルな衣装。全29曲を怒涛の勢いで演奏し、絶えず楽しさと驚きを提供するような構成——。デビュー以降、彼らが極めてきたエンターテインメントの正統進化形というべきライブとなったのは、そういう経緯があったからだった。

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ステージセットの頭頂部に立つ大森が華麗にターンし、“Love me, Love you”でライブがスタート。間奏は音源とは異なるアレンジになっていて2番以降はまるごとカット、そのまま“キコリ時計”に繋げる流れだ。オーディエンスのジャンプで幕張の床を大きく揺らすと、山中綾華(Dr)のビートに若井滉斗(G)のカッティングが重なり“愛情と矛先”へ。前日にもこの場所でライブを行ったばかりではあるが、本人たちの様子を見ると、やはり新鮮な驚きがあるらしい。大森は「ちょっと半端ない景色ですね」と感想を漏らしていたし、藤澤涼架(Key)も演奏中、目を丸くしながら客席を覗き込んでいた。「昨日のエネルギーも半端なかったんですよ。だから今日も負けてられないですよ?」。そう呼びかけた大森は、MCの間イヤモニを外し、客席からの大歓声を受け止めている。

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ところどころ短いMCを挟んではいたものの、4曲目“StaRt”から22曲目“Speaking”まではほぼぶっ通しだった。大森&藤澤がダンサーとともに踊ったのは“Oz”。『TWELVE』リリース当時のツアーファイナルと同じように「せーの!」と声を合わせて始めたのは“パブリック”。その直後に披露されたのは同曲の片割れ的存在“アウフヘーベン”で、濁流のように激しいサウンドが深い爪痕を刻んだ。一転、幕を落としそこに映像を投影しながら奏でた“Coffee”では、ステージの内側を向き、互いの呼吸を感じ取りながらアンサンブルする5人の姿が透けて見える。なお、同曲では音源同様、髙野清宗(B)がコントラバスを演奏していた。

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濃密な展開のなか、これまでのライブでもそうであったように、大森はオーディエンスへ、恥ずかしがらず後悔なく楽しんでほしいと呼びかけていた。また、客席へ伸びる花道も活用しながら、メンバーは積極的に前に出ていっていた。今思えばそれはきっと、「外ではそつなく振る舞ってしまうかもしれないけど、ここではそうする必要はない」、「だからあなたも素直になっていいんだよ」という想いが彼ら側にあるからではないだろうか。だからこそ大森は「1万人に話しかけてるわけではないんですね。あなたのおかげでここに来れたと思ってます」と感謝を伝えていたし、このバンドは「何千人」、「何万人」という数字単位で人のことを捉えるような発言を決してすることがない。《手を挙げて 叫んでいるのを/誰かがきっと見ているから/怖がらないで 貴方は貴方の/生命だけを輝かせて》(“鯨の唄”)というフレーズは彼らが伝え続けてきたメッセージそのものであり、水面を模した青色のレーザー光線の下、客席が手のひらの海と化した光景は美しいものだった。“WanteD! WanteD!”、“うブ”、“WHOO WHOO WHOO”の3連投は、オーディエンスの心のリミッターを鮮やかに解除してみせた。“青と夏”のラストには、大森が「君らの番だ」と客席を指さした。未発表曲ではリリース前とは思えないほどの盛り上がりが生まれ、“Speaking”では広い会場が大合唱で満たされた。

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ここで冒頭に書いたように大森がアルバムやツアーについて話し始め、「そんななかで異彩を放っている悲しく青白い曲があるんですけど、みんなに聴いてもらって初めて昇華されると思ってます。聴いてくれますか?」と“They are”のことを紹介した。藤澤の叩いた低音が静かに、重く響く。鍵盤による優しい旋律と、それを壊さぬよう柔らかく抱きしめるようなボーカル。後に加わったバンドサウンドは、それらをやさしく照らす灯りのようだ。

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人を愛し、憎み、赦すことのできる大森の歌は、メンバー5人(+その他彼らの表現に携わる人たち)の手を介し、聴き手一人ひとりの元に渡ることにより、かけがえのない光を宿すようになる。ステージ狭しとダンサーが躍動し、山中→髙野→藤澤→若井のソロ回しもあった“PARTY”~“Love me, Love you”による大団円は、そういうMrs. GREEN APPLEの在り方を表しているかのよう。彼らが描き続けてきた人間賛歌・人生賛歌が大きく花開いた光景はあまりに感動的なものだった。そして彼らの音楽が、いよいよ鳴るべきところで鳴らされたようにさえ感じさせられたのだ。

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アンコールで“CONFLICT”を歌っている最中、大森が胸の辺りをトントンと叩いた。この曲は文字通り、大森が制作時に向き合っているであろう「葛藤」を曝け出したような曲ではあるが、それと同じような感情を私たちも知っている。いつか終わりが訪れると分かっていても、たとえ傷つくことになったとしても、愛することを諦めることはできない。そうやって笑ったり泣いたりしながら、私たちはこれからを生きていくのだろう。

「ぜひ、悔いのないような人生にしてください。一緒に生きていきませんか!」
「また会える日を楽しみにしています。それまでどうか頑張って。どうか負けないで。諦めんじゃねえぞ!」

大森がそう呼びかけると、ダブルアンコールの“我逢人”が始まったのだった。(蜂須賀ちなみ)

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終演後ブログ
【速報】Mrs. GREEN APPLE幕張2デイズ2日目、素晴らしかった
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