UVERworld/ Zepp DiverCity(TOKYO)

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)

●セットリスト
1. DECIDED
2. ナノ・セカンド (short ver.)
3. WE ARE GO (short ver.)
4. ODD FUTURE
5. Fight For Liberty
6. LIMITLESS
7. 誰が言った
8. PRAYING RUN
9. シリウス
10. 優しさの雫
11. CORE STREAM
12. Wizard CLUB
13. CORE PRIDE
14. Q.E.D.
15. IMPACT
16. EDENへ
17. Ø choir
18. 在るべき形


7月から繰り広げられている「UVERworld LIVE TOUR 2018(ホールツアー)」の終盤戦でありながら、ライブハウス公演として迎えた誠果(Sax・Manipulator)誕生日当日の生誕祭。バースデイライブの主役がセットリストの決定権を持つ、恒例のUVERworldルールに基づいたステージということで、真太郎(Dr)曰く「誠果くんのドSな部分をメンバーが食らっているセットリスト」になった。熱狂の一体感をもって初めてバースデイライブの祝祭感が成立する、そんな一夜の模様をレポートしたい。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
真太郎の熱いドラムソロが鳴り響く中、サックスを携えた誠果が喝采を浴びてマニピュレーターブースに収まる。信人(B)、克哉(G)、彰(G・Programming)、TAKUYA∞(Vo・Programming)らもオンステージすると、のっけから決断の意志を迸らせる“DECIDED”からライブがスタートだ。2コーラス後の間奏で、ここぞとばかりに誠果のサックスがパンチの効いたブロウを決めてくる。続いて“ナノ・セカンド”の昂ぶったサックス・イントロが吹き荒れる中、TAKUYA∞は「俺たちが求めた夜、さらにその次の次元まで連れて行ってやるよ!」と思いを投げかけ、同期を絡めながらもタイトで筋肉質に引き締まったバンドサウンドが溢れ出していった。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
「今日はムチャクチャやっていいかなあ。あ、でも、最近ツアーでやっていない懐かしい曲とか、新しい曲とか、俺やらされるんで(笑)」(TAKUYA∞)、「誠果さん生誕祭、略してセイカンタイ」(真太郎)と、生誕祭の主役以外も楽しそうだ。当の誠果は「マジでやばいライブにしようと思ってるから、よろしくな」と挨拶し、ゴリゴリの“LIMITLESS”では踊るようなサックスフレーズを吹き鳴らしていた。“誰が言った”のTAKUYA∞は誠果を指差し、《そしてあれを言ったのは誰だ?/『一人減らしてデビューさせろ』》の歌詞を歌う。今の誠果が正メンバーとしてステージに立っていること自体が、反骨の物語なのである。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
“PRAYING RUN”を披露した後、TAKUYA∞がツアー中の誠果にまつわるあれやこれやのエピソード(誠果の名誉のためにここで触れるのは控えておこう)を暴露し、「お前、何もかもバレてんじゃねえぞ! もっと上手くやれよ! お前、いつ反省すんだよ!」と詰め寄ると、誠果が一言ボソリ「……年末」と答え、“シリウス”に繋いでいったのには大笑いさせられた。19歳でバンドに加入すると同時にサックスを始めた誠果(当時買ったサックスはこの日のステージでも活躍)の足跡を振り返りつつ、インディーズ時代からのレパートリーであるバラード“優しさの雫”では、アーバンソウルばりの上質なヴァイブが育まれる。ソフトタッチでありながらも、芯の通った名演だ。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
豪放なインストのロックシンフォニー“CORE STREAM”を放ったあと、熱狂のバースデイパーティはさらにボルテージを上げてゆく。暴れ太鼓フォーメーションの“Wizard CLUB”、そして“CORE PRIDE”での誠果のサックスは、バンドサウンドをグイグイと牽引してゆくような力強い響き方をしていた。「思い出せよ誠果。お前がサックスを始めた年の誕生日を。もっとしっぽり、貧乏たらしく、小さなホールケーキを囲んでやってたじゃねえか」。そんなふうに届けられた“Q.E.D.”は、まだ何者でもなかった頃の6人と、今の華やかなステージの上の変わらぬ6人を結びつけている。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
オーディエンスが渾身の歌声を上げる今回の“IMPACT”は、バンドサウンドを大合唱が後押しするというよりも、大合唱を中心にバンドサウンドが構成されているような奇跡的な響き方をしていて、ちょっと呆気に取られてしまうぐらい凄かった。そして、今回のホールツアーで披露されてきた未音源化の新曲“EDENへ”。重厚かつ厳かなサウンドで、大胆に間をとったグルーヴに歌が伝う、驚くほどに斬新なデザインのソウルナンバーだ。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
「大切にしなきゃって思える人と過ごせるような、誕生日を迎えてください。俺が、なんでこんなに誠果のこと好きなのかって言われたら、分かんねえ。だらしないし、エロいし。でも、UVERworldのことをめちゃめちゃ大切にしてくれるし、俺のことを大切にしてくれる。扱いづらいって、離れていく人も多いのにさ」。TAKUYA∞のそんなメッセージは、人の存在そのものを肯定する、この上ないバースデイプレゼントだろう。

UVERworld/	Zepp DiverCity(TOKYO)
“Ø choir”、そして“在るべき形”と続く特大シンガロングで、今回のステージは幕を降ろす。最後にマイクを握った誠果は晴れやかな表情で「メンバー6人がいて、こんなに最高なCrewがいて、自分が成り立っているんだって思いました。これからまた、俺個人としても、UVERworldとしても、良い意味で皆さんの期待を裏切っていくんで、よろしくお願いします!」と告げていた。あらためて、誕生日おめでとう、誠果。2018年UVERworldの旅路は、まだまだ続いていく。(小池宏和)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする