で。ブログにも書きましたが、その撮影フリー&Youtubeにアップ推奨、という企画のありえなさにすっかり気をとられていたんだけど、現場に行ってみて、もっとありえないことがあったことに気付いた。
こんな季節に野外でやるバンド、いません。下手すると史上初かも。
とにかく、寒い! 今にも雨もしくは雪が降りそうな天気。にもかかわらず、フロントエリアで観るための整理券を求めて、朝から1000人以上が行列を作ったという。数千人が集まった開演5分前=15:35、アントキの猪木(この企画のMCとして「Youtubeへのアップのしかた講座」とか「リハーサルスタジオ潜入」とかに声で出演していた)による陰アナで注意事項・告知が流れる。大ウケ。で、始まるかと思ったら、普通にスタッフの声で、もう一度陰アナが流れていた。なんだ。
で、スタート。ニュー・アルバム『FREEDOM』の1曲目「Intro」が流れ、メンバーが登場、そのままタイトル・チューン「Freedom」になだれこむ、というアルバムそのまんまの始まり方でスタート。無意識に身体が動くようなラテンの高揚感、Kjメロディの心地よいメランコリア、シンガロングし両腕を掲げたくなる一体感、でも決してぬるい連帯には流れないピッとした緊張感――ここ数作でDragon Ashが追求してきたことの完成形みたいな曲がこの「Freedom」であり、最初に聴いたとき「なんちゅう『これ以上ない曲』なんだ」とびびったものだが、さらにびびったのは、人前で初めてやるはずのこの曲が、既にツアー10本くらいこなしたあとみたいな、完璧な仕上がり方をしていたこと。
2曲目以降も同じくで、これまでライブでやったことがあるのは「Velvet Touch」と「La Bamba」だけのはずなのに、全曲がもうすごいグルーヴ。最高。1週間くらい前にコメントをもらった時、Kjは「まだリハーサル1回もやってないんですよねえ」と言っていたのに。とにかく、ライブ・バンドとして異様に優れている。って別に今日知ったわけじゃないが、改めて思った。
「せっかくこういう機会を作ってもらったんで、ゲストで友達も呼んできました」というKjの紹介で、5曲目「EpisodeVI」で、SBKのSHUN&Shigeoも登場。全6曲、30分ちょっとのステージだったが、10分くらいに感じた。この短さで、この寒さでこの高揚感なんだから、3月18日からはじまるツアーは、さらにすごいことになると思う。
で。全曲撮影してみて思ったこと。
やめときゃよかった。
撮っていると、楽しくない。いや、「撮る」という行為は楽しいけど、それによってライブを楽しむこと自体が、2番に下がってしまう。あと、ファインダーに切り取られた部分しか見ることができないので、ATSUSHIが踊っているとこを撮ってると、同じタイミングでIKUZONEがフロントに出てきたのに気付けなかったりする。すばらしいライブだっただけに、もっと好き勝手にあっちこっち観ながら楽しみたかった。踊れないし。画がぶれちゃうから。以前、自分でライブ写真を撮ったことは何度もあって、その時はいつも「これは楽しい作業だなあ」と思ってたけど、映像は大変でした。肩凝るし。なんか損した気がする。
でも、誰にも何も言われてないのに、勝手に撮ったので、誰も責められない。始まる前、某音楽サイトの知り合いにばったり会って、「あれ、撮らないの?」「撮りませんよ」「なんで?こんなネタ振られてるのに撮らないって、音楽サイトの人間としてそれでいいの?」とか言ってたんだけど、彼女の方が正しかったです。(兵庫慎司)
Intro
1.Freedom
2.繋がりSUNSET
3.Velvet Touch
4.La Bamba
5.Episode6
6.運命共同体
Outro