キーン @ 新木場スタジオコースト - キーンキーン

キーン @ 新木場スタジオコースト

キーン @ 新木場スタジオコースト - キーンキーン
キーン @ 新木場スタジオコースト - キーンキーン
キーン @ 新木場スタジオコースト - キーンキーン
3rdアルバム『パーフェクト・シンメトリー』を2月に発売したキーン。1st、2ndに続き同作も全英1位を獲得するなど、2004年のデビュー以来、本国イギリスで高い人気を誇り続けている。2006年のサマーソニックをキャンセルし、その後の来日ツアーも実現しなかったため、日本のファンにとってはまさに待望の単独公演となる。それだけに、メッセージを記したフラッグを掲げている人がいたりとフロアの温度も高い。メンバーのリハビリなど、さまざまな困難を乗り越えて完成した『パーフェクト・シンメトリー』は、グッド・メロディや繊細さといったキーンらしさはそのままに、シンセサイザーやダンサブルなリズムを大胆に導入。自分たちにつきまとうイメージの殻を突き破るような、前向きなバイタリティに満ちていた。新作のアート・ワークがまさに象徴しているのだが、これまでの黒と青の世界に、彼ららしいスピード感とセンスで新たな色彩を塗り出している、そんなサウンドなのだ。それだけにボーカルのトムも、ショッキング・ブルーの衣装を着たりしていて、軽やか。デビュー当時のことを思うと、今の姿はまったく想像できなかったけれど、まっすぐに「歌」を届けようとする彼らの本質は何も変わってなかった。これまでの3作からの楽曲がバランスよく配されたセットリスト。まず、とにかく、トムの歌声にやられてしまう。コンディションもいいのだろう。伸びやかで、生理的な心地よさに加え、目の前に景色が開けていくような開放感を聴き手にもたらす。そんな歌声に加え、より心を打つのが、トムの姿勢。抜群の歌唱力を持ちながら「まだまだ足りない」「もっともっと届けたい」という気持ちが抑えきれないといった模様。MCで前回のサマーソニックのキャンセルの件を謝罪していたけれど、だからこそ、日本のオーディエンスに「届けたい」という思いも強くなっていくのだろう。ガッツ・ポーズをしてみたり、拳を何度も突き上げながらオーディエンスを鼓舞したり、ステージが小さく感じられるほどに縦横無尽に駆け回ってみせる。歌声のみならず、今のトムからあふれ出るポジティブなエモーションもフロアに降り注いでくるよう。過剰なまでにエネルギーを放出してみせるところは、新作で取り入れたディスコなんかに通じるところがある。だから“スパイラリング”“パーフェクト・シメントリー”“ベター・ザン・ディス”“ユー・ドント・シー・ミー”といった新作収録曲が、すごくライブ映えしていた。また、日本のファンにとっては、2ndの楽曲群を生で体感するのも初。当然お客さんの渇望感も高く“リーヴィング・ソー・スーン?”“イズ・イット・エニー・ワンダー?”“クリスタル・ボール”など、イントロのたびに歓声があがり、ハンド・ウェーブ、手拍子が巻き起こっていた。そして「おかえりー」ということで、フロアからステージに「Welcome BackTシャツ」が投げ入れられたりも。“トライ・アゲイン”“ベッド・シェイプド”といったメロウなナンバーではトムの歌声と静謐なピアノの音色がフロアに響き渡ってゾクゾクとするような緊張感がある。「What do I know?」と掛け合うのも忘れて聴き入ってしまっていた。まっとうな「歌」をここまでの純度でもって、ダイナミックに届けてくれるバンドはそうそういない。本当におかえりなさい。この調子だと出演が発表されたサマーソニック09のステージもすごいことになりそうだ。(森田美喜子)
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