Pay money To my Pain @ 恵比寿リキッドルーム

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最新アルバム『after you wake up』の壮絶なオープニング・ナンバー“Here I’m singing”で幕を開けた途端、瞬間沸騰したかのように跳び、拳を突き上げるオーディエンス! 高らかに湧き上がるリキッドルーム一丸の大合唱! ボーカル=Kの火傷しそうなテンションに満ちたスクリーム、そしてヘヴィかつダイナミックに炸裂する爆音が描き出す、悲壮なまでにシリアスでエモーショナルなハードコア・パンクの「その先」の風景……Pay money To my Painの全国ツアー『Tour2009 -1st ride-』ファイナル=リキッドルーム恵比寿ワンマン公演は、19:10の開演からあっという間に臨界点! の大熱狂ぶり。「暴れろー!」というKの声とともに“Position”のブラスト・ビートが暴走し、「怒りをぶちまけろー!」と叫び上げながら次の“Against the pill”へ……と、会場の熱気は1曲ごとに増す一方だ。全編英語詞で極限まで切迫したメッセージをゴリッと脳裏に叩き込んでくるKの歌。そして、ハードコア/ヘヴィ・ロックを軸にしつつ独自の深化を重ねたPablo(G)/T$UYO$HI(B)/ZAX(Dr)のバンド・アンサンブル。それこそ洋楽勢にまるで引けを取らないソリッドな音を、いわゆるUSハード・ロック的マッチョイズムでぶん回すのではなく、むしろ己の非力さと向き合い、「それでも今、ここでできること」を真摯に見つめることで、日本のバンドとしてのリアリティとともに聴く者に刻みつけていく……そんなPTPの音は、だからこそ僕らの胸に響くし、多分にヘヴィで内省的な要素を持つこの音楽が「僕らが明日から前に進むためのエネルギー」たり得ている所以だろう。“From here to somewhere”でひときわ大きな大合唱が巻き起こったところで、ようやくチューニング・タイム。ドラム・スタンドに腰を下ろし、フロアに語りかけるK。
K「はい、出席をとります! 佐藤!」
観客「はーい!」(一斉に)
K「斉藤!」
観客「はーい!」(さらに勢いよく一斉に)
K「……嘘つけ!」
……と会場の緊迫感をほぐしてみせたところで、「なんか、見たことあるやつがいるぞ!」と舞台袖を覗き込むK。そして「JESSE、出ておいで!」と声をかけると……かつて一緒に2マン・ライブも行ったRIZEのJESSEが袖から登場、鮮やかにフロアへダイブ! それを合図に“Train”“Lost the Voice”“Anxiety”とさらに畳み掛けると、オーディエンスのカオス度合いは危険なほどに高まっていく。「ダイブで顔とか蹴られても、許してやってください! あと、痴漢とかするなよ! 痴漢は家でやれ! 見つけたら往復ビンタ! 痴漢はアカン!」というKのダイレクトな言葉が実に心地好く響く。閃光のような目映いアンサンブルが1人1人の心を射抜いたスロウ・ナンバー“Same as you are”。渾身のスクリームで「世の中にあふれているものの中から、本当に必要なものを自分で選び取ることこそが大事」と訴えかける“The answer is not in the TV”……と速射砲のように繰り出される楽曲に全身を貫かれているうちに、開演から1時間半が過ぎ、あっという間に残すところ本編残り2曲。「楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、残すところあと32曲となりました! ……やれねえって!」と冗談めかしてみせるK。しかし、「次の曲は、海外に行ってて『日本に帰りたくない』って思った時に、故郷を思って作った曲です」という赤裸々なMCとともに空気は一変。パブロの奏でる旋律とKのメロディアスな熱唱が絡み合い、やがてクライマックスへ向けて昇り詰める……哀愁のヘヴィ・バラード“Home”の哀しみに共振するかのように、オーディエンスはステージの4人を凝視している。「最後に、どうしても伝えたいメッセージを……今はどうしょうもなく辛くても、必ず明日は来るから。希望の歌を聴いてください!」というKの言葉に導かれて、ラストの“Another day comes”へ。会場の空気が震えるほどの大合唱! 「……ここまで一体になれたのは、初めてかもしれねえな。どうもありがとう!」というストレートな感激の言葉を残して、本編が終了。ほどなく、アンコールで再び登場した4人。「いろんなやり方があると思うんだけど、俺らは俺らのやり方で……」というKのMCとともに鳴らしたアンコールの1曲目は、今日の幕開けを飾った“Here I’m singing”。4人の魂の現在地を改めて確認するように、あるいは今日の余韻をリキッドルームの全員でじっくり噛み締めるように、今日2度目の“Here I’m singing”の熱くタイトなサウンドが響き渡っていた。(高橋智樹)
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