8月5日に出たミニ・アルバム『STARS FROM THE BROKEN NIGHT』『J summer tour 2009 –get hot over hot!-』のリリース・ツアーの追加公演。ボーカル&ベースはJ、ギター:DOOMの藤田タカシ、ドラム:THE CULTやThe Missionで叩いてきたスコット・ギャレット、というメンツは以前から変わらないが、もうひとりのギターが、このツアーからチェンジ。masasucks(そう、the HIATUSのギターです)に代わり、ヌンチャクの溝口和紀が参加。「ごっちん」と呼ばれていました。いきなりこれだけの曲数覚えてツアーでプレイってすごい、俺には無理、と、MCでJに称賛されていました。
で。どういうライブだったかというとですね。
実は、ずいぶんごぶさたしてしまっており、この人のライブを観るの、かなり久しぶりだったんですが、なんか、終始、右から左から上から下から、堅くてでっかいもので、ごっつんごっつん殴られ続けているような、そんな1時間50分でした。
音が塊になって飛んでくるのが目に見えるよう。ほら、富士山に登ると、赤くてブツブツでゴツゴツの石がいっぱいあるでしょ。溶岩が溶けたみたいなやつ。イメージとしては、車ぐらいの大きさのあれが、ステージから次々とビュンビュン飛んでくるような感じだった。どんな感じだ。でも、ほんとにそう感じた。
とにかく、すんげえ音。外人。ドラムが白人だから、だけじゃない。ベースもギターも、Jの歌まで含めて、全員、音が外人。とか言いたくなるごっつさ。ボリュームがでかいだけじゃない。音圧がすごいだけでもない。プレイが豪快なだけでもない。何なんだろう。わからないが、とにかく、「鳴り」そのものから違う。
日本のバンドで、バンドじゃないか、まあいいや、とにかく日本のミュージシャンのライブで、こういう感じを味わったことって、ほとんどない。あ、あった。RIZEだ。でもそれくらいしか記憶にないです。
で、それもすごいんだけど、それより大事なのは、というか「いいなあ」と思ったのは、その「ごっつさ」が、どの曲においても、受け手に対してとても肯定的に響いていることだ。
常人レベルじゃない、圧倒的な音なのに、だからステージの下の我々とは明らかに別物なのに、遠くない。その超人っぷりに「うわあ、俺と違いすぎ……」みたいに、打ちひしがれる気分にならない。むしろ、なんだかわからないけど、「よおし!」って気持ちになる。
何だろう。Jの人柄なのかな。人柄なんだろうな。っていう解釈は安直な気もするが、恨みつらみや怨念ではない、いや、そういうのもほんとはこめられているんだろうけど、それをそのまま人にぶつけてもしょうがないからきっちり消化して別のエネルギーに変えてから放つ、みたいな、そんなポジティヴな空気が、超満員のリキッドルームを常に満たしていた。
「勢いだけじゃ撃ち抜けないものを、俺は撃ち抜こうとしています。重戦車のように突き進んでいくんで、みんな頼むぜ」。みたいなことを、本編最後のMCで、Jは言っていた。
出している音と、やっていることと、そしてそれを観て聴いて自分が感じていたことと、あまりにもぴったりでした。
あと、ブログにもちょっと書いたけど、ファンがほんとに熱い。最後、アンコール終わって客電ついて、「以上をもちまして本日の公演はすべて終了です」ってアナウンスが流れても、帰らない。場内整理のバイトくんが2、3人、トラメガで「終了ですー!」と叫びながら場内を回るが、ムダ。「J!」「J!」というコールは、逆に大きくなるばかり。やむをえず本人が出てきて、お礼と「冬のツアーで会いましょう」というあいさつをして、ようやくみんな帰途につく、という状態でした。これ、ミュージシャンは幸せだなあ、と思った。
なお、「せっかく出てきたんだから1曲やればいいのに」と一瞬思ったけど、「そうか、ギターはこのツアー初参加だからもうレパートリー全部やっちゃって1曲もないんだろうな」と、すぐ納得しました。(兵庫慎司)
1.SALVAGE
2.I DON’T KNOW
3.Die for you
4.go crazy
5.Flower
6.THE WAVES –Beyond the Waves-
7.SPLASH
8.final call
~Drum Solo~
9.Go Charge
10.INSOMNIAC SONG
11.break
12.PYROMANIA
13.Drivin’ Now
14.Feel Your Blaze
アンコール
15.So High
16.RECKLESS
17.BURN OUT