andymori @ 恵比寿リキッドルーム

andymori @ 恵比寿リキッドルーム
andymori @ 恵比寿リキッドルーム
andymori @ 恵比寿リキッドルーム
昨年10月にミニ・アルバム『アンディとロックとベンガルトラとウィスキー』で鮮烈なデビューを飾った3ピース・ロックバンド、andymori。今年2月に1stアルバム『andymori』をリリースしてから瞬く間に知名度も上がり、イベントやフェスに引っ張りだこ状態となった彼ら。「すごい人が集まってくれて、ビックリです。俺らずっとライブをやってたのに、今までみんなどこにいたんだろう?」と小山田(Vo/G)が言ったようにフロアは超満員。これまで小さなライブハウスで徹底的にライブをこなしてきた3人が、『SAWASDEECLAP YOUR HANDS』と題して恵比寿リキッドルームにてワンマンライブを行った。

今日のワンマンは2部構成で、途中にエレキコミックのやついいちろうによるDJタイムを挟むというもの。1部で約40分、2部で約50分、駆け抜けるように速くて短い勢いのある楽曲を矢継ぎ早に演奏していき、その間にはすでにライブでも披露している数々の新曲もドドっと披露してくれた。

andymoriは決して演奏技術で勝負していくバンドではない。だから今まで、性急なリズムとどこまでも青いメロディで押していくバンドだと思っていたのだけど、今日のライブを観てそうでないことに気付いた。単純に情熱や勢いだけで押し切るようなバンドじゃないのだ。

andymoriのライブを観ていて思うのは、一瞬自分が日本じゃないどこかにいるような不思議な感覚に陥ること。というか、ここが日本だろうが、アメリカだろうが、イギリスだろうが、中国だろうが、インドだろうが、アフリカだろうが、どこでもいいやって思えるような感覚。それくらい大きな観念を日常レベルの視点から歌っているのが、andymoriに惹かれる最大の理由だなと改めて思った。今日披露した新曲の一部で「バグダッドで亡くなった人の数を数える団体の歌です」「友達のことを歌った歌です」「中央線の歌です」と色々紹介していたのだけど、「バグダッド」と「友達」や「中央線」が並列されるような世界観ってやっぱりandymoriだけだと思う。王道なロックンロールだけど、どこか哀愁に満ちていてシリアスともとれるサウンドは、確実にandymoriのアイデンティティとなってオーディエンスに届いているようだった。

やついいちろうのDJタイムでは、「休んでいいからね!」というやっつんの気遣いに反して、フロアは大盛り上がり! プレイした曲はこんな感じ。

“My Generation”/The Who
“I Fought The Law”/The Clash
“メモリーズ”/スピッツ
“くちばしにチェリー”/EGO-WRAPPIN'
“群青日和”/東京事変
“風吹けば恋”/チャットモンチー
“ultra soul”/B'z
“学園天国”/フィンガー5
“Love&DISCO”/the telephones
“Aims”/SPECIAL OTHERS
“チョコレイト・ディスコ”/Perfume
“YAH YAH YAH”/CHAGE and ASKA

“YAH YAH YAH”に乗って、再びステージに姿を現した3人。2部スタートは“ベンガルトラとウィスキー”“モンゴロイドブルース”“andyとrock”とつんのめるような勢いで飛ばしていく。頭を振り乱しながらダイナミックなリズムをドカドカと大胆に展開していく後藤。曲に寄り添いながら歌うようなベースラインを紡いでいく藤原。時々音程をはずしながらも、それさえ持ち味に変えていく小山田の歌とギター。3人が鳴らす荒削りでハイスピードなロックナンバーにはものすごい求心力が宿っていた。

アンコールでは「andymoriはこのメンバーになってからオリジナルしかやったことがないんだけど、カバーをやります」と言って、くるりの“ロックンロール”を披露したのだが、原曲よりも手数の多い後藤のドラムに耳を奪われてしまった。音の分厚さが倍増して、すごくいい! そして、2回目のアンコールでは、1部でやった“everything is my guitar”、2部でやった“FOLLOW ME”というandymori鉄板のハイテンション・ナンバーを再び投下しフロアを沸かせ、ラストはどんなことがあっても《それはハッピーエンドなんだ》と受け止める“ハッピーエンド”の優しい泣きのメロディがフロアをじんわりと包み込んだ。

来年2月3日には待望の2ndアルバム『ファンファーレと熱狂』がリリースされることが決定! 今日やった新曲も収録されると思うので、早く音源が聴けるのを楽しみにしつつ、続々と出演が決定している年末年始のイベントでも新曲チェックをお忘れなく! (阿部英理子)
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