What's flumpool!?――まさにその名のとおり、flumpoolというバンド像を1枚に収めた1stフルアルバムを昨年12月に発売したflumpool。同アルバムを携えての全国ツアー『What's flumpool!?~Love&Piiiiss Kids Show!!~』が3月にスタートし、折り返し地点を越えて本日は東京3days公演の最終日。ツアーはこれから6月5日(土)沖縄那覇市民会館大ホールまで続いていくので、詳しいセットリストや演出などを書くのは控えなければならないのだが、一言で言ってしまえば、『What's flumpool!?』という問いに対する答えをバンド自身が、そしてオーディエンスが共に創り出していくようなライブだった。
flumpoolというバンドがバンド自身だけのものではなくなった、つまり彼らの音楽がオーディエンスに伝わっていくことで、一旦バンドの手から離れて聞き手のものとなり、それがオーディエンスの反応としてバンドへ返っていくことで楽曲が変化していくという至極健全で真っ当なバンドのありかたというものを『What's flumpool!?』という作品のみならずライブを通してもそれを実現している。デビュー1年足らずで日本武道館ライブを成し遂げた彼らだから当然のことかもしれないけど、そういった特別感のあるライブではなく、通常のツアーや普段のライブでいかにバンドマジックみたいなものを創り出せるかがバンドの手腕であって、そういう意味で今回のツアーはより一層、flumpoolのバンド感というものが露になってきているのだと思う。
始まってたった3曲で尋常じゃないくらいの熱気に満ち溢れた客席。「まだ3曲ですよ。そんな後先考えないで先走ってる感じ……大好きです!」と山村が言うと、すかさず地鳴りのような大歓声に包まれる。バンドとオーディエンスの互いの信頼感はガッチリと結ばれているようだ。くるくると回した赤と白のタオルが客席を埋めた“回転木馬(メリーゴーランド)”、阪井の煽動で会場全体がダンスで盛り上がった“夏Dive”、女子も男子も1階も2階も半端ない声でコール&レスポンスを交わし、大合唱へと導いた“Hello”など、会場とバンドを結ぶ一体感が素晴らしい。観客はもちろん、何よりメンバー自身の自然で和らいだ表情がすごく印象的だった。
そして、今回のツアーではメンバーそれぞれがflumpoolというバンドで表現するということにおいて、自由度が高まりそれぞれのキャラクターや持ち味を発揮していくことで「全員で創るflumpool」というバンド内のグルーヴが生まれていると思う。阪井や尼川がメインボーカルをとる楽曲だったり、小倉がドラムソロを披露したり、真っ直ぐでキャッチーなメロディーを真摯に届けるというだけに留まらない新たな表現方法を模索しつつ、いろんな挑戦に臨んでいる。山村はそんなメンバーを「ボーカルを差し置いて目立とうとしている(笑)」なんて冗談めいたことを言っていたけど、メンバー紹介では一人ひとりの逸話とともに人間的な良さを語っていた。中でも、リーダーである小倉には「レコーディングの時にこれを聴いてくれる人がどうしたら喜んでくれるか、どうしたら幸せになってくれるかをいつも考えていて、それは見習いたい」と語っていた。
今、flumpoolは自分たちのやりたい音楽を自分たちらしく、かつ、それが聴き手の望むようなものであることを目指している。「みんなの素晴らしい笑顔だったり優しさが僕らを勇気付けて、僕らはまた新しい場所に向かえています。今日は終わってしまうけど、また絶対会えると信じています」と、このツアーのために作ったという楽曲“流れ星”を披露。オーディエンスへの最大の感謝を込めて、さらなる笑顔に触れられることを信じて、気持ちいいくらいに純粋無垢なメロディーを届けてくれた。
すべての楽曲を演奏し終わると、ステージ中央にメンバーが横一列に並び、6月23日にニュー・シングル『reboot~あきらめない詩~/流れ星』をリリースすること、年末には横浜アリーナと大阪城ホールにてライブを行うことを発表した。拍手喝采を浴びる中、長い一礼で観客に感謝の意を伝える。本当に清々しいバンドだ。次なる舞台はアリーナクラスのステージ。今年1年分のflumpoolの笑顔を見届けることができるライブになりそうだ。(阿部英理子)
flumpool@渋谷C.C.Lemonホール
2010.05.09