定刻より10分を過ぎた頃、場内が暗転。お馴染みのSE(YESの“Heart of the Sunrise”)が鳴り渡ると同時に一気に沸き立つフロア。大歓声の中、まずはSCAFULL KING、FRONTIER BACKYARDのメンバーや松田“チャーベ”岳二を擁する最強のバック・バンド、MASTER LOWが登場。「ダダッ! ダダッ!!」と小気味よいリズムから鳴らされたオープニング・ナンバーは、イッチャンの地元愛を捧げた“U-10-G”! マイク・スタンドに掛けられたシルク・ハットが、無言のうちに主役の存在を告げている。
間髪おかず2曲目“A.A.A.”に雪崩れ込むや、ステージ袖からイッチャン、勢いよく駆け出してオン・ステージ! ホワイトのジャケットにストールというイカしたコーディネートで、右に左にと走り回ってフロアを扇動。ニュー・アルバム収録曲に続いてライブでの鉄板チューン“Makin’Magic”を繰り出せば、あっちこっちでダイバー続発!! 半年のブランクを微塵も感じさせない、どころか、「これ、ツアー・ファイナルか何かじゃねぇの?」と訝りたくなるような怒濤のスタート・ダッシュだ。「これがロックだよ!!!」とMCも舌好調。『MASTER LOW FOR...』を軸としながら、新旧織り交ぜたセット・リストで沸点を幾度も更新していくイッチャンだった。
ライブ・トータルの印象として、これまでにもましてハンド・クラップ度が非常に高いライブだった。それはつまり会場の一体感が半端じゃなかったということで、『MASTER LOW FOR...』が即効性と享楽性に長けたものあり、イッチャンの“ポップ・サイド”が表出したアルバムであるということをこの夜のライブは示唆していたと思う。最後にはメンバーひとりずつにインタビュー(?)したり、「またZepp Tokyoで会いましょう!」と満面の笑みで告げるなど、イッチャン自身も大きな手応えを感じていたようだった。こりゃあ東名阪ワンマンもスゲーことになるぞ!(奥村明裕)
MASTER LOW FOR... release tour
8.19(火)大阪BIG CAT
8.26(火)名古屋ダイアモンドホール
8.27(水)ZEPP TOKYO