で、サンボ。SEでイースタンユースの“孤立無援の花”が鳴り響く中、登場。山口、「俺は今日パンク・ロックをやりに来たんだよ! パンク・ロックっていうのは大人の言うこときかないことだよ! 大人のことバカじゃねえかと思うことだよ! 大人だって子供の言うこときかなきゃいいんだよ!」と絶叫。1曲目、個人的に死ぬほど好きな曲だけど、最近あんまりライブでやっていなかった“これで自由になったのだ”(2nd『サンボマスターは君に語りかける』収録)で始まり、思わず「おおっ!」と声が出る。近藤、間奏で演奏を放棄、ベースを投げ捨ててスピーカーに上って仁王立ち、「うわああーっ!」とかわめいている。というように、とにかくテンションの高い、延々ツアー回っている中の1本とは思えない、今日燃え尽きるみたいなライブだった。あと、冒頭のMCもそうだけど、それ以外も「むかつく奴らをぶっとばしに行こうぜ!」と叫んだり、「ここから一駅行ったら国会議事堂駅ってのがあんだよ。ブタみたいな政治家がいるんだよ」などと、前半は何故かやたら攻撃モードでした、今日の山口隆は。後半は一転して、なんか穏やかにかわいらしくなっていました。
アンコールまで含めて全9曲、新曲も1曲あり。そんな力任せで強引で豪快なライブでありながら、同時に、サンボが最強の名曲生産マシーンであることを見せ付けるような選曲でもあった。本当にいい曲を書いて、すばらしいグルーヴの演奏ができて、最高な声で歌えるバンドなのに、そこをあんまアピールしたがらなかった。むしろぐしゃぐしゃに壊してから提示したりしていたのが、ようやくこのひとつ前のツアーぐらいから、自然にそこを出すようになった気がする。で、今回も、それがさらに続いている気がする。いいモードにいると思う、今のサンボは。
なお、最近山口は、アンコールを終えて、ひとりでアカペラで歌ってからひっこむことが、よくある。あのいつも歌うの、真心ブラザーズの“GREAT ADVENTURE FAMILY”という曲です。96年リリースのアルバム『GREAT ADVENTURE』の1曲目に入っています。「知ってるよ」と言われそうな気もするけど、昔の曲だし知らない人もいるかなあと思って書いてみました。
あともうひとつ。中盤、“very special!!”をやっている時に、フロア中央あたりに丁半コロコロ(元X-GUN)の西尾がいるのを目ざとく発見した山口、「西尾ー! 上がってこいー!!」と叫ぶ。そしたらほんとにステージに上がってきて、山口と一本のマイクでほほ寄せ合って、一緒に歌ってました。普段から西尾氏はいろんなライヴで見かけるけど、彼に向かって「上がってこい!」と叫んだミュージシャンは初めて見た。友達なのかな、と思ったけど、山口のブログによると違うみたいです。呼び捨てにしたことを詫びてました。(兵庫慎司)