flumpoolがデビュー当初から規格外の成長を遂げてきたバンドであることは重々承知していたが、ここまで圧倒的なステージをしようとは、正直想定外だった。今年1月リリースの2ndアルバム『Fantasia of Life Stripe』を引っさげた全国ツアー、そのファイナルとなる東京国際フォーラム2DAYSの2日目。震災の影響で延期となっていたツアーの終着点ということもあって大きな祝祭ムードに包まれることは予想していたけれど、ここまでストイックに「届けたい」という意思を剥き出しにする4人の姿を見られるとは思っていなかったからだ開演時刻の18時半過ぎ、大歓声に迎えられてメンバー4人とサポートキーボードの高藤大樹が登場する。1曲目は“どんな未来にも愛はある”。スポットライトで照らされた山村隆太(Vo/G)が曲の一説を弾き語りで披露し、そこにバンドによるイントロが重なると、ステージ両脇に設けられたモニターに4人の姿が映し出される。悲鳴のような歓声に包まれる場内。続く“星に願いを”では、ハンドマイクを握った隆太が、観客のオイ・コールとハンドクラップを誘導。“Hello”ではステージ背後の巨大スクリーンに歌詞が映し出され、それに合わせて大きなシンガロングが発生する。これまでも武道館ワンマンやアリーナツアーを経験しているflumpool。楽曲そのものの力はもちろん、華やかなステージ演出で観客をひとつにしていく手腕の見事さは、この冒頭3曲だけでも明らかだ。しかし何より心を揺さぶったのは、貪欲なまでに観客とコミットしようとする4人の姿だ。連日のライブで少し枯れた声を気にもせず「まだまだ行くぜ!」とシャウトしたり、「東京、待たせてごめんよ。本当はもっと早く皆に会えるはずやったけど、大震災の影響で、延期を余儀なくされました。こんなときに俺らだけで音楽を楽しんでいいのか悩んだけど、もう俺たちには音楽しかないと腹括って今回のツアーをやってきました。だから今日は、ここにいる全員を笑顔にするから。皆はその笑顔を家族や友達に分けてあげて。それがいつしか被災地に伝播すると信じています!」という熱っぽいMCを冒頭から繰り広げる隆太。いつになくハードエッジなギター・ソロと饒舌なMCで観客を沸かせる阪井一生(G)。そして時にステージ前方に乗り出してアグレッシブなベース・プレイを見せる尼川元気(B)と、スティックを高く振り下ろしながらダイナミックなビートを叩き出す小倉誠司(Dr)。そこには、目の前の聴き手ひとりひとりをflumpoolが描く幸せの向こう側へ導いていこうという強い意志が漲っているように思えた。デビュー当初からトップ・セールスを記録し大きな渦の中心となってきたflumpool。普通のバンドであれば突然のブレイクに押し潰されてもおかしくない状況の中で、彼らは踏みとどまり、自らに課された使命と真っ向から向き合う覚悟を決めてきたのだろう。4人の気迫漲るパフォーマンスはそれをよく象徴していたし、ポップな歌であろうがディープな歌であろうが大きな熱狂が生まれるステージは、flumpoolの歌がもつ圧倒的なスケールを強靭に物語っていた。というわけで、全てがハイライトと言ってもいいぐらい輝きに包まれたアクトだった。例えばスクリーンに真っ赤な文字で歌詞全編が映し出された“この時代を生き抜くために”や、熱唱する隆太の表情をひたすら捉えたPVを背景にして鳴らされた新曲“証”のシリアスな響き。例えば桜が舞い散る映像がステージを華やかに彩った“今年の桜”や、イントロが鳴った瞬間に地鳴りのような歓声が上がった“NW ~Dear Mr.&Ms.ピカレスク~”のダイナミックな疾走感。例えば阪井一生(G)→元気→隆太によるお馴染みのヴォーカルリレーが見られた“ハイドレンジア”や、男子と女子に別れてのコール&レスポンスが展開された“Calling”の祝祭ムード。すっかりイジラれキャラが板についた一生によるユルーいMCですら、ストイックに極まっているように思えた。ホールという規模に甘んじず、アリーナツアーで見せた豪華絢爛さも、ライブハウスツアーに宿る生々しさも、どちらも全力で体現させたステージ。銀テープがキラキラと舞う中、隆太が拳を握り締めながら全身全霊で歌った本編ラスト“君に届け”の一体感と高揚感は、本当に頼もしいものだった。アンコールでは、隆太ひとりがステージに立ち“Over the rain~ひかりの橋~”を弾き語りで披露。お馴染み“夏Dive”の「阪井一生ダンスタイム」では、一生がダンサーを従えて客席に降り、オーディエンスを大いに沸かせる一幕も。さらには「僕には歌うことで1人でも多くの人に笑顔になってもらうしかない。毎日ツライことも哀しいこともあるけれど、それに負けずに生きていたら絶対報われる日が来るから」という、隆太の熱っぽいMCが再び展開されたりもした。「明日から胸張って行こうぜ!」と何度もシャウトしながら届けられたラスト“labo”では、この日最高の大揺れを生み出して終了。どんな状況であれバンドの未来をポジティブに切り拓いていこうするflumpoolの強靭な精神力が、最初から最後まで全開となった濃密すぎる2時間半だった。(齋藤美穂)セットリスト
1.どんな未来にも愛はある
2.星に願いを
3.Hello
4.reboot~あきらめない詩~
5.この時代を生き抜くために
6.ギルト
7.僕はここにいる
8.君のための100のもしも
9.今年の桜
10.証
11.two of us
12.ハイドレンジア
13.MW ~Dear Mr.&Ms.ピカレスク~
14.Quville
15.Calling
16.君に届け
アンコール
17.Over the rain~ひかりの橋~
18.夏Dive
19.Touch
20.labo
flumpool @ 東京国際フォーラム ホールA
2011.08.20 20:10