定刻を少し回った19時5分、お馴染みのオープニングSE・Dr. Feelgood“Riot in Cell Block Number 9”の重厚なリフに導かれ、ダニー、ドリー(B/Vo)、ボギー(Dr/Vo)が登場。そしてダニーの「始めようぜリキッドルーム!」の咆哮を合図に、膨大なエネルギーを噴射するザ50回転ズのアクロバティックなロックンロール・サーカスがスタート。ツアー初日のため、この日の詳しい曲目・曲順は割愛させていただくが、とりあえず『ロックンロール・ラブレター』の曲は全部やったし、“Thank you for RAMONES”や“1976”などお馴染みの人気曲もしっかりやった。実に大盤振る舞いのセットだったということだけは伝えておきたい。
また、ダニーが本編中のMCで「みんなはもう気づいたかい! ステージの上がいつもと違うんじゃねえか! 何を隠そう、本日初登場のアンプ! 『ソニック君』ですよろしく!」と紹介していたように、この日は新しいギターアンプのお披露目もあった。聞くところによるとこのアンプ、「アリーナスイッチ」というものが搭載されているらしく、とにかく音がデカイ。ザ50回転ズのロックンロールは、爆音であればあるほど効果を発揮する類のものなので、この機材チェンジは間違いなく大成功だ。よっぽど嬉しかったのか、ダニー、まるで愛犬を可愛がる時のように緩みきった顔でアンプに頬ずりをしていて、ちょっと笑えました。
「今日はありがとう、ロックの名の下に集ったガキ共! 俺たちだって一緒さ! 何も変わらねえ! ステージのここにいるか、そこ(フロア)にいるか、それだけさ! 変わらない、ヤラれてる! ロックンロールの魔法ってヤツに!」
“ロックンロール・マジック”を披露する前に、ダニーは熱っぽくそう語っていたが、この日彼らが1時間半程度の時間を使って、汗だくになって僕たちに見せてくれたのはまさしく、聴く人の人生を一変させるほどの眩い輝きを放つ、魔法のようなロックンロールだった。アンコールが終わり、3人がステージを後にしてからも、決して鳴り止むことのなかった場内の拍手は、彼らと別れるのが寂しい僕たちの心情を何よりも饒舌に表していたのだが、とはいえまだまだツアーは始まったばかり。彼らには、彼らのロックンロールを必要とする多くの人々が、次の街で待っているのだ。いってらっしゃい、ザ50回転ズ!(前島耕)