POLYSICS JAPAN TOUR OR DIE!!!2013「15周年イヤーが終わっちゃう! イヤー!!!」
all pics by KAZUMICHI KOKEIPOLYSICSの活動開始は1997年3月。というわけで、昨年3月からこの3月までを15周年イヤーと称して実に意欲的な1年を過ごしてきた彼等。昨年3月に記念イヤー幕開けライヴとして、15年前に初ライヴを行った日と同日の3月4日にスペシャルライヴを行い(その模様はこちら→
http://ro69.jp/live/detail/64900)、付け加えておくとその前日には通算1000回記念ライヴも開催し(その模様はこちら→
http://ro69.jp/live/detail/64871)、夏には3年ぶりのシングル『Lucky Star』のリリースと共に各地のフェスへ出演、冬には2012年2枚目となるアルバム『Weeeeeeeeee!!!』をリリース、そして今回のレコ発ツアー等々、充実するにもほどがある!というくらいの1年間だったわけだが、その締めくくりとして1月から始まった全国19本のツアー、そのファイナル公演がこの日。まさに大団円中の大団円である。
開演時間を5分ほど過ぎ、場内がすっと暗くなり始めるやその瞬間から大歓声となる場内。まずは、お馴染みのグレーのツナギに身を包み下手からゆっくり現れた3人。冒頭挨拶「TOISU!」の連呼で一瞬にしてPOLYSICS的雰囲気を作ってしまうところはいつもながらの上手さで、感心している間も無く、「いくぜ、新木場!」のシャウト一発からいきなりフルスロットルのスピード感で襲い掛かるPOLYSICSワールドが炸裂する。
今回のステージセットは、中央に人間がふたりは乗れそうな大きめのお立ち台があり、その前方には客席4~5列目くらいまでせり出した花道も設置。そのほか、ステージ左右にも小さいながらお立ち台があり、そのすべてをフル活用するべく冒頭からあちらこちらに実に忙しいハヤシである。1曲目の終了と同時に早くもマイクをスタンドからはずして手に持ったまま中央お立ち台に駆け上がり、そこで再度「TOISU!」を連呼。そのままマイクをそばに待機していたスタッフさんに渡して、2曲目“シーラカンス イズ アンドロイド”イントロを弾きながらステージ左右を駆け回り、スタッフさんがマイクをスタンドに戻すタイミングと同時に定位置に戻る。その間、別のスタッフさんはギターシールドを送り出したり巻戻したりその阿吽も実にスピーディー。曲調だけでなくステージ捌きまで含め、めくるめくジェットコースターのような展開が、そのままMCも無いまま一気に5曲加速するように展開したのだが、このノンストップ感こそがPOLYSICSというか、このスピードについていけてこそPOLYSICSファンというか、これも一種の名人芸だな、と改めて15年の積み重ねに感服してしまう展開でもあった。
冒頭5曲ですでに汗だくになりながら、「早速、良い感じだね」とすっかり上機嫌なハヤシ。「15周年、最後の日です!」と叫ぶや、そこから今度は6曲連発の押し倒し攻勢に入っていくのだが、このブロックは最新アルバム『Weeeeeeeeee!!!』からの曲をふんだんにフィーチャーしたパートで、さまざまな新機軸が垣間見える場面となる。ややこしいリズムや変拍子リフをこれまた高速でぶっ放す“Ice, Tights, Mike”は十八番の展開、一転して彼等としてはややアブストラクトな楽曲“Quiet Smith”では深海を思わせる暗めの照明の中、地を這うような重厚なビート感を強調。そして“Steam Pack”では花道先端までのっしのっしと進んできたハヤシが、ギターピックをオーディエンスに渡す→彼にギターをかざす→彼が弦をかき鳴らす→場内大歓声→がっちり握手、という儀式を披露。その儀式をステージ左右含め都合4回行い、オーディエンスに演奏面でも参加を促す手法で空気感をさらに濃密なものにしていくなど、ライヴのショーアップに向けあの手この手の奥義が続々と披露されていく。


そして今ツアーにおけるライヴ中盤での見せ場となっているのが、ヤノの「燃えよギター」コーナーである。簡単に説明しておくと、これは最新アルバム『Weeeeeeeeee!!!』の特典DVDにて始まったもので、このツアーを通じてヤノをギタリストとして成長させるという無茶ぶり企画。実際、彼がステージ奥のドラムセットから出てきてステージ前方でギターを数曲で演奏するのだが、意外にも(と言ったら彼に失礼ですが)ツアー・ファイナルともなると彼が白のストラトキャスターを抱える姿も実に堂に入ったもの。背後で鳴り響くビートをバックに、“Digital Coffee”ではスカっぽいリズムギターを刻み、“Moog is Love”では延々と続くスライドのソロを披露し、そして“サブリミナル CHA-CHA-CHA”ではハヤシとふたりでお立ち台に上がり向い合ってのソロ合戦を展開するという大胆技まで見せる。それらが単なる企画モノ以上の「ライヴ・パフォーマンスとして成立した」ものになっているから立派だ。なにより本人がライヴを盛り立てる手段として、この「燃えよギター」に実に意欲的で、のけぞり・えびぞり、右腕の大回転、ギターを首の後ろに回しての担ぎ弾き等々、出来ることは何でもトライの大回転ぶり。曲終了毎の「サンキュー!」の叫びも雄々しく、なにやら新たな自己発見の扉を開けてしまったかのような主役っぷりである(ちなみに本人の自己採点によると、この日は90点の出来。つまり良くできた日だったそうです)。


そんな見せ場でひとしきり盛り上がったあとは、ハヤシの「まだまだ騒ぎ足りないだろ!祭りな気分はまだまだ続くぜ!」のMCから怒涛の後半戦に突入していく。今やタオル回しの定番となった“ムチとホース”からスタートした後半ブロックは、そのまま本編最終曲“Electric Surfin' Go Go”まで8曲ぶっ通しで上がり続ける、ほとんど体力&根性勝負の過酷メニュー。しかしながら、会場全員の両腕ウェーヴが美しい“Rocket”といい、ギターネック噛み付き奏法で爆笑をとる“How are you?”といい、フミがお立ち台に上るやそこから台がぐんぐん上昇してゆき3メートル近い高度からベースソロを繰り出す“Electric Surfin' Go Go”といい、次から次へと繰り出されていくアイデアも潤沢にしてユーモラス。加速の限界に挑むかのような流れにありながら、それでもサービス精神の合わせ技を忘れないPOLYSICS節は、ラストのラストまで健在であった。
一旦メンバーが下手へ掃けステージに幕が下ろされるも、もちろんアンコールを求める拍手は鳴り止まない。5分ほど経ったところで“AT-AT”のイントロが鳴り響き、再びステージの幕が開くと、そこには鮮やかなオレンジのツナギをまとった3人の姿が。「16年目に突入したところで、衣装を新調しました!」と、ここからはすでに15周年イヤーを後にし、身も心も次のモードに入っていることを強く宣言するハヤシである。そのまま「まだまだダバダバしたいんじゃないのか~い?」と得意満面の様子で“Let's ダバダバ”、そして鉄板曲 “Buggie technica”を最後の最後に披露しハヤシの「16年目もよろしく!」というシャウトとともに、15周年イヤーは幕を閉じた。(小池清彦)
セットリスト
1.ピーチパイ・オン・ザ・ビーチ
2.シーラカンス イズ アンドロイド
3.Shout Aloud!
4.Sparkling Water
5.Why
6.Young OH!OH!
7.Ice, Tights, Mike
8.人生の灰
9.Quiet Smith
10.Distortion
11.Steam Pack
12.KI.KA.I.DA!
13.プロテニス
14.Digital Coffee
15.Moog is Love
16.サブリミナル CHA-CHA-CHA
17.ムチとホース
18. Lightning Express
19. Lucky Star
20. Everybody Say No
21.Rocket
22.How are you?
23. Weeeeeeeeee!!!
24.Electric Surfin’Go Go
アンコール
1.AT-AT
2.Let's ダバダバ
3.Buggie technica