スペースシャワー列伝BIG08 @ SHIBUYA-AX

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スペースシャワーTVが主催する人気ライブイベント『スペシャ列伝』。今日はこれまでの『列伝』に参加した200組以上のアーティストから選りすぐりのバンドが登場する『BIG』シリーズの第2回目。PE’Z、サンボマスター、サカナクション、髭(HiGE)、MO’SOME TONEBENDERという五者五様の個性豊かなバンドが登場した。休日ということもあって開演は16:30。1バンドずつの持ち時間もゆったりと約1時間ほどあり、対バン形式にしては1バンドを思う存分に楽しめるという贅沢なイベントだった。

●PE’Z
トップバッターを飾ったのは、PE\'Z。登場後、一言も交わさずに1曲目“HEY JORDU”を真っ赤なライトで照らされる中、挑発的に演奏。立て続けに“BET-300”“Hale no sola sita〜LA YELLOW SAMBA〜”とアッパーなナンバーが続くと、まるで天を指差すように手を掲げて盛り上がるオーディエンス。とにかくアツい! 来年10周年を迎えるというPE’Zだが、今年はpe’zmokuとしての活動を主にやっていたため、PE’Zとしてのライブは今日久々だったそう。オーディエンスとしても久々だったので、改めてPE’Zの魅力を再発見するかのように踊り、騒ぎ、楽しんでいるようだった。まるでギターのようなディストーションの効いたキーボードの音色が荒れ狂うように鳴り響き、核となるメロディーを奏でるトランペットとサックスが激しく掛け合い、リズム隊が圧倒的なグルーヴを生み出す。様々なジャンルを取り入れながらも、5人の個性でそれを一旦破壊して、自分たちの解釈で再構築しているから、ジャンル=PE’Zとしか言い様がないサウンドがこれでもかと言わんばかりに炸裂していた。

●サンボマスター
「初めまして、サンボマスターって言います。せっかくの日曜日だっていうのに、外はおしゃれカップルだらけですけど、大丈夫ですか?ここは?さっきPE’Zが出てましたけどあんな風にまともに演奏はできませんけど、暴れていただいて、ロックやるぞー!」という山口の挨拶から始まったサンボマスターのライブ。“光のロック”で一瞬にすべてをかけるような激烈なパフォーマンスで場内をぐいぐい引っ張っていく。山口の雄弁な叫び語りも、激しくも切なく心に真っ直ぐ届く音も、いつ観ても同じなんだけど、いつ観てもハラハラドキドキさせられる。この感覚はやっぱりスゴい。特にバラード曲で訪れる胸を鷲掴みされるような愛を叫ぶ言葉。凄い良い声してるなぁと改めて惚れ惚れとしてしまう山口の歌声。こんなにもストレートに愛を音楽に乗せて届けられるバンド、そうそういない。「愛と平和!」コールで“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”へ突入!「盛り上がってくれてありがとうございます。昨日見た夢ではこんな盛り上がってなかったんですよーーーー!!!!」と叫ぶと、場内は「ウォーーーー!!!!」と必死で応える! ラスト“愛しさと心の壁”でフロアはハイジャンプで一気に沸点へ。どさくさに紛れて「昨日、優勝した原監督おめでとう!原!原!」と巨人のリーグ優勝を祝う言葉も飛び出し、最後には「音楽を見にきてくれてありがとう」とか「音楽、音楽!」というコールとか、「アイラブミュージック!ユーラブミュージック!」といった音楽を愛しているという心からの叫びが放たれた。最後は山口のみがステージに残り、即興アカペラ。マイクなしで会場に向けて生の歌声を響かせ、観客は固唾を飲んで見守るように聴き入った。

●サカナクション
SEが流れると、早くも場内から手拍子が沸き起こった。ほの暗いステージから闇を切り裂くようなサイバーなシンセ音が鳴り響き“インナーワールド”で幕開け。とにかく、ライティングとサウンドの絶妙なバランスがたまらない。楽曲の盛り上がりと同時に空間を駆け抜ける白い閃光が目をくらまし、気づけばそこには煌びやかなダンスフロアが広がっている。サカナクションが繰り広げる独特な世界へといざなわれて、オーディエンスはすでに心酔状態だ。“マレーシア32”で山口がステージを縦横無尽に練り歩き、軽やかに飛び跳ねては踊り、フロアを煽りまくる。サカナクションが鳴らす一音一音に感じることは、夜の深い闇の中で光を求めて彷徨うという感覚。目くるめく展開の“ナイトフィッシングイズグッド”や“夜の東側”といった夜の世界の中で、一筋の光のような希望を追い求める。でも決して、もがかずにあくまでクールなところがサカナクションぽい。12月にリリースされるシングルがライブ終了から期間限定で先行試聴できるのだが、「この会場にいる人はもっと先に聴けます」といって新曲“セントレイ”を演奏。これが、また素晴らしい! ザクザクのギターで切り込んでいくアッパーなビートは、これまで以上に疾走感と爽快感に溢れていて、どこまでもキラキラしてる。サカナクション、また新しい何かを見つけたようだ。これからの展開が楽しみだ。

●髭
おなじみのSE、ジャクソン・シスターズ“I BELIEVE IN MIRACLES”が流れると、宮川、斉藤、フィリポの3人が登場。“白い薔薇が白い薔薇であるように”のイントロを鳴らし始める。さぁ、須藤とコテイスイは一体どこから、どんな恰好で登場するのか?期待でいっぱいのオーディエンス。すると客席フロア後方から2人が現れた! 何か白い紐のようなものをグルグルと巻きつけてフロアを練り歩き、コテイスイはミニ拡声器で煽る煽る。そのまま、這い上がるようにしてステージに上り5人が揃った。そして、オーディエンスはすぐさま沸点へ! ほぼノンストップで駆け抜けるように全10曲、髭の最狂のロックンロールを轟かせる。甲高い雄たけびが冴え渡る“ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク”も、これまでになくストレートなロック・ナンバーの新曲“夢でさよなら”も良かったけど、何より凄かったのは須藤が「みんなは予定調和が好きかい?俺は予定調和が嫌い。予定調和な世の中なんてクソッたれだよ」と言いながら、ピンクのガムテープで目隠しして“ダーティな世界(Put your head)”を暴れ馬のごとく演奏したこと。どこまでも狂ってて、最高だ。「みんなが最高なら、俺も最高。みんなが最低なら、俺も最低。少しは分かち合わなきゃね」と“ハートのキング”でラストを締めくくる。「もっと!もっと!」と5人が奏でる中毒性溢れるロックを求める拍手は鳴り止まなかった。

●MO’SOME TONEBENDER
仰々しいSEとともに、トリを飾るMO’SOME TONEBENDERのメンバーが登場。武井がゴリゴリのベースを一人で響かせ、そこに折り重なるように藤田の重厚なリズムが乗る。そして、挑発的なまなざしでステージを眺める百々。無言の煽りでオーディエンスが一気に沸点に達すると、轟音ギターが激しく鳴り響き、ざらついたロックが叩きつけられた。打ち込みのシンセ音がアクセントになったハイパーサウンドで攻める最新型のモーサム・サウンド“シンクロニシティ”“流星群”が荒れ狂うように鳴り響いた後は、懐かしい楽曲。モーサムは7年前に福岡から東京に出てきてからすぐの頃にこのスペシャ列伝の第1回目に出演したそうなのだが、「その頃を思って」と言って久々に“ペチカ”を演奏した。あまりの懐かしさにオーディエンスの歓喜の声で包まれる。その後は、ノンストップで加速し続けるロックンロール・バトルへ突入。ラストの“BAD SUMMER DAY BLUES”では武井はベースを後ろにしょって踊り狂いながら、マイクスタンドを持ち上げて歌い、百々もギターを弾かずにひたすら歌い叫んだ。要は藤田のドラムと打ち込みのサウンドだけで爆音ロックを生み出すという荒業をやってのけたのだ。フロアはもはやカオス状態。最後には百々がステージをのた打ち回るようにしてギターをかき鳴らし去っていった。ロックと戦い抜いたその証を、生温かい余韻とともに残してイベントは終了。音楽的にもキャラ的にも相当濃いメンツが勢揃いしただけあって、ライブ終了後は十分すぎる充実感と心地よい疲労感に包まれた一夜となった。(阿部英理子)

<PE’Z>
1.HEY JORDU
2.BET-300
3.Hale no sola sita〜LA YELLOW SAMBA〜
4.GREEN DOLLS
5.Milestones
6.Boomerang Boggie〜南国堂の叔父さん〜
7.RUN! RUN! RUN!
8.FREE BIRD
9.さらば愛しきストレンジャー
10.ハナフブキ〜花魁道中罷り通る〜

<サンボマスター>
1.光のロック
2.そのぬくもりに用がある
3.歌声よおこれ
4.未発表曲
5.ふたり
6.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
7.愛しさと心の壁

<サカナクション>
1.インナーワールド
2.サンプル
3.マレーシア32
4.ナイトフィッシングイズグッド
5.夜の東側
6.セントレイ
7.三日月サンセット

<髭(HiGE)>
1.白い薔薇が白い薔薇であるように
2.ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク
3.ブラッディ・マリー、気をつけろ!
4.ドーナッツに死す
5.Mr.アメリカ
6.夢でさよなら
7.黒にそめろ
8.ロックンロールと五人の囚人
9.ダーティな世界(Put your head)
10.ハートのキング

<MO’SOME TONEBENDER>
1.INST〜BIG−S
2.シンクロニシティ
3.流星群
4.ペチカ
5.ロッキンルーラ
6.We are Lucky Friends
7.BAD SUMMER DAY BLUES
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