フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂

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フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
昨年10月21日の渋谷公会堂公演(渋公13年ぶりワンマン!)を皮切りに、アルバム『ハッピーエンド』を引っ提げ半年間にわたって日本各地を回ってきた全国ツアー『フラワーカンパニーズ ワンマンツアー“ハッピーエンド2012-2013”』の最後を飾る追加公演にして、約2年ぶりとなるフラカン日比谷野音ワンマン・ライブ! 大歓声の中「こんばんは、フラワーカンパニーズです!」と高々と叫び上げた鈴木圭介(Vo)が「寒いぞー! 日比谷!」と続けていたのは、折しも4月下旬の東京を直撃した真冬並みの寒さのせいであって、午前中の強い雨こそ止んだものの、会場にはマフラーや手袋姿の観客も目立つあいにくの天候。上半身裸にオーバーオールがトレードマークのグレートマエカワ(B)もこの日はジャケット着用で登場、「ヒートテック着てライブやったの初めてだよ。めちゃめちゃ暑い!」と話す圭介との間で「じゃあ、オーバーオール貸したろか? 楽屋にあるから」(マエカワ) 「なんで着てないの今日?」(圭介) 「寒いからだよ!(笑)」(マエカワ)という会話も飛び出していたほどだ(でもドラム:ミスター小西は「寒くないですか?」と客席に呼びかけながら終始半袖で通していた)。しかし、その寒さすらこのスペシャルな一夜の舞台装置に変えてしまうような圧巻のパワーを、4人は最後の最後まで放射し続けていた。

フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
野音に渦巻くオーディエンスの期待感と“なれのはて”でがっちりギアを合わせた後、“煮込んでロック”“SO LIFE”と最新作『ハッピーエンド』からエネルギッシュな楽曲を連射、さらに定番ナンバー“恋をしましょう”の《愛してるよ 愛してるよ 愛してるよ 白眼をむいて》で野音一面シンガロング&大ジャンプへと導いてみせる。歓喜に身を任せて踊りまくる観客を見て、満足げに「野音・ラブズ・ユー!」と呼びかけたマエカワの「……ほんとは『ユー・ラブ・野音』だよな?(笑)。でも、野音もみんなのこと好きなんだよ!」の言葉が、客席をさらなる高揚感で包んでいく。“人生GOES ON”など『ハッピーエンド』の楽曲はもちろん、TVドラマ『まほろ駅前番外地』OP曲だった最新シングル曲“ビューティフルドリーマー”から、『マンモスフラワー』(1998年)収録の“トラッシュ”といった久々の曲も含め、結成24年目のキャリアを存分に堪能できる熱演の数々と併せて、
圭介「すごいですよ。東京に出てきたのが24歳の時で、もうすぐ44でしょ? 東京出てきて20年ですよ。泣かず飛ばず!」
マエカワ「まあまあ泣いとるんじゃないか? 飛ばんだけだよ(笑)」
圭介「飛ばずに泣いているのかな? いやあ、20年経っても、何一つあきらめてないぞ!」
 といったMCのトークの1つ1つが、オーディエンスのハートをと熱くたぎらせていく。

フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
ロックンロールとともに歩み続けた自らの足跡を俯瞰し、メランコリックな感傷も重ね合わせながら《ロックンロールは続いてく》と歌い上げた“ロックンロール”も含め、『ハッピーエンド』はそのタイトルと裏腹に「ロックンロールは本当に自分たちにハッピーエンドをもたらしてくれるのか?」と自問自答しながら作り上げた作品だった。その真摯なモードが露になったのが、「2年前にここでやって。2年前だから、震災直後で……あの後、何回かあっちのほうに行ったけど、何にも変わってないっちゃあ変わってないところもあったし、変わったところもあったし。いずれにせよ、長い目で見てやっていかないといけないから。我々も、何回でも行くし」という圭介の言葉に続いて披露された、後半の“246”“また明日”“エンドロール”という『ハッピーエンド』曲群のパートだった。ザ・クラッシュ“ロンドン・コーリング”を思わせるサウンドが醸し出す黄昏感を《にじんで にじんで 虹の橋になれ》という歌で突破していく“246”。《生き続けるって事は 取り残されるって事か?》とヘヴィな心情を凛としたサウンドとともに放つ“また明日”。そして、ゲスト・キーボード=常田真太郎(スキマスイッチ)を迎えて響かせたのは、いち生活者として震災の光景から受けた衝撃を赤裸々に綴った“エンドロール”だった。《ハッピーエンドに変えられないのか?》という圭介の熱唱が、すっかり暗くなった都心の曇り空を高く貫いて広がっていく――そこにさらに重ねて鳴り渡ったのが、都会で闘う孤独な心情を轟々たるロック・シンフォニーへと編み上げた“東京タワー”。思わず胸が熱くなった。

フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
そんな真摯な歌とサウンドを聴かせた直後に、“エンドロール”のイントロのキーを間違えた圭介を「ひょうきんな音したよね(笑)」(竹安堅一/G)とみんなでいじったり、「MC長いですね!」(常田) 「短いほうだよ!」(マエカワ) 「後ろでずっと『まだかなあ』って思ってました(笑)」(常田)というやりとりや「あさってで、フラワーカンパニーズ結成24周年! いよいよ25周年イヤーになります。ツアーは今日で終わるんだけど、来週はアラバキの大トリ!」(マエカワ) 「大トリ圭介(鳳啓介)でございます!」(圭介)という渾身のダジャレで会場を爆笑に包んだりするのも、日常の憂いも諦めも丸ごと血沸き肉躍る祝祭の燃料に変えてみせるフラカンならではの名場面だ。“脳内百景”の赤黒い衝動逆噴射ロックンロールから、ライブは一気にクライマックスへ。竹安の鮮やかなカッティングが冷気を切り裂いた“NUDE CORE ROCK'N'ROLL”、さらに“チェスト”“YES, FUTURE”で本編終了! まさに真冬さながらの天気にベストマッチなアンコールの“真冬の盆踊り”で最高の狂騒感を生み出した後、Wアンコールではマエカワがあのオーバーオールで登場。「ノー・オーバーオール、ノー・ライフ!」とドヤ顔で宣誓するマエカワに、客席中から降り注ぐ拍手喝采! 喉も裂けよとばかりの圭介の絶唱が胸に迫った名曲“深夜高速”、そして最後は野音をでっかいクラップとシンガロングで埋め尽くしてみせた“サヨナラBABY”で大団円!

フラワーカンパニーズ @ 日比谷野外大音楽堂
6月に行われるワンマン『~もういちどハッピーエンド~』全6公演のみならず、6月9日・下北沢GARDENでのフラワーカンパニーズ×子供ばんど(!)をはじめ「6月以降、東京では毎月ライブやっていこうと思ってるんで!」とマエカワはMCで話していたし、「今、新曲をバリバリ作っとるから。だいぶエンジンがかかりそうな感じで。新曲たくさん作ったら、新作も出しちゃうかもしれんなあ」という言葉がオーディエンスの熱気を高めてもいた。結成25周年を目前に、どこを切ってもフラワーカンパニーズのリアルで充実した「今」があふれ出す、最高のロックンロール・アクトだった。(高橋智樹)

[SET LIST]
01.なれのはて
02.煮込んでロック
03.SO LIFE
04.恋をしましょう
05.人生GOES ON
06.切符
07.永遠の田舎者
08.ビューティフルドリーマー
09.トラッシュ
10.元少年の歌
11.ロックンロール
12.吐きたくなるほど愛されたい
13.246
14.また明日
15.エンドロール
16.東京タワー
17.脳内百景
18.NUDE CORE ROCK'N'ROLL
19.チェスト
20.YES, FUTURE
encore1
21.天使
22.はぐれ者讃歌
23.真冬の盆踊り
encore2
24.深夜高速
25.サヨナラBABY
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