MONGOL800 @ 新木場STUDIO COAST
2013.12.20 17:45
活動15周年を刻む2013年は、1月にファン投票を反映した『800BEST - simple is the BEST!! -』を、その約一ヶ月後にニュー・アルバム『GOOD MORNING OKINAWA』をリリースし、7月にはメモリアルな『MONGOL800 ga LIVE ”800BEST” at 日本武道館』なども挟みながら(主催フェス『What a Wonderful World!! 13』は台風接近のため無念の中止に。リヴェンジに期待したい)、新作ツアーに明け暮れているモンパチ。そのセカンド・ラウンドと呼ぶべき『MONGOL800 GOOD MORNING TOUR 2013-2014』は、まずライヴ・ハウス編が11月頭の鹿児島からスタートした。今回レポートする東京・新木場STUDIO COASTはその18本目の公演にあたる。12/21の福岡公演が残されている上、年明け1/11の宮城からはホール・ツアーに乗り出す予定となっているため、セット・リストの記載などは控えるけれども、今後の公演を楽しみにしている方は閲覧にご注意ください。
これぞ新作ツアーというぐらい、『GOOD MORNING OKINAWA』の世界観を堂々描き出す内容。そして、歓喜を伴う音楽の祝祭感と、シリアスなメッセージは果たして共存し得るのか、という問いに、全身全霊を掛けてイエスと答えてみせるモンパチの姿があった。むしろ、陽気なパーティ・チューンや優しく温かいラヴ・ソングもひっくるめて、強いメッセージしかなかった。本編の終盤に、上江洌清作(Ba./Vo.)は「こんなマイペースなモンパチさんに、付き合ってくれてありがとう」「みんな一人一人、好きな曲違うと思うけど、それに当て嵌まるように、また曲を作っていくからさ。また遊びましょう!」と告げていたのだが、故郷・沖縄というテーマに深く向き合った『GOOD MORNING OKINAWA』というアルバムは、決してバンドの独りよがりな想いなどではなく、それこそ往年の大ヒット作『MESSAGE』と同様に、分かち合われるべき想いとして、リスナーの心情に寄り添いながら丹念に編み上げられたアルバムであることが、ステージから伝わってきた。
眩くがっちりとした3ピース・サウンドに、儀間 崇(G./Vo.)&高里 悟(Dr./Vo.)のふくよかな歌声のハーモニーも混ぜ込んで届けられる新作曲群のオープニング。STUDIO COASTをみっちりと埋め尽くしたオーディエンスは、視界一杯に両の手を打ち鳴らし、或いは拳を突き上げる。キヨサクはその光景を前に「暑いぞトーキョー!! 12月だぞコノヤロー! ほんと助かります。っていうか今日、すごい人だ。本日、満・員・御・礼! ソールド・アウトでございます!」と言葉を投げ掛けていた。トロピカルなビートや雄々しいマーチング・ビートと抜けの良いドラム・サウンドを次々に繰り出すサッシ、そして序盤からギター・ヒーローっぷりを全開にしているタカシの姿も頼もしい限りである。「初めての人もいれば、15年観てくれている人もいて。でもライヴが始まっちゃえば関係ないからね! 無礼講だから。みんなで楽しく行きましょう!」といった言葉に続いては、ベスト盤のファン投票第1位に輝いた“DON’T WORRY BE HAPPY”や“小さな恋のうた”だ。盛大なシンガロングを巻き起こし、フロアをばんばか波打たせるさまは、さすがに痛快極まりないものがあった。
「15周年、人間で言えば15歳、一番むずかしいお年頃でございます。反抗期です(笑)。モンパチの怒り、沖縄の怒り、聴いてください。でも音楽は音楽、楽しく歌いましょう!」とキヨサクが切り出したのは、《日本の平和を守る為に/アメリカ産のヘリが飛ぶ/世界の平和を守るために/アメリカ産の武器が売れる》と基地問題をテーマに据えた“Bougainbilly”だ。トゲトゲしい爆音で喚き散らすのではなく、アメリカ産のゴキゲンなカントリー・ロックに乗せて批評的にアレンジを施している点からも、複雑に入り組んで積み重ねられた想いが滲み出ている。改めて、すごいロック・ソングだ。メッセージが丸ごと身体に浸透するような、そういう手応えがある。一方、タカシが手掛けて自ら歌う“カマドー小”は、こちらも陽気に軽やかに届けられながら、伝統と外来文化が重層的に織り成す、現代の沖縄のライフ・スタイルが示すものを伝えていた。
そして、《ただひたすらに愛だの恋だのを/歌ってられるようなバカになりたいな》と歌い出される、圧巻の“明日から印象派”。ロックは誰のために、何のために歌われるのか。モンパチは、「伝えたいことがある」と「伝わらなければ意味がない」の狭間で、一貫してその問いに向き合い続けている。過去のナンバーも交えて場内の歓喜を増幅させ続け、クリスマスを目前に控えた時期ならではの趣向が盛り込まれたアンコールまで、15年を掛けて摑み取ったタフな表現と晴れやかな笑顔に満たされるステージであった。この日のライヴの模様は、映像作品としてリリースされることもアナウンスされていた(前説で、会社を休んでしまった人や、隣の相方が違う人は、映り込まないように気をつけてください、と告げられていたのも可笑しかった)ので、会場に足を運ぶことが出来なかった人も、いずれぜひこの濃密なパフォーマンスに触れてみて欲しい。
なおMCによると、この12月初頭、ツアー日程の合間を縫って、キヨサクとタカシはスタッフ数名と共にNAHAマラソンに出場。15周年ということで15kmの走破を目標に掲げていたそうだが、「練習しないでどれぐらい走れるかと思って。靴も前の日に買って、会場に行くまでに既に足が痛くなったんだけど(笑)、15km走りました」というタカシと、チーム中最短の5kmという記録を残したキヨサクである。一方、グレ釣り歴10年のサッシはと言えば、『第32回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権』に出場、予選から勝ち抜き、なんと優勝を果たしたそうだ。「釣り界では一躍、時の人だから(タカシ)」とのこと。知らなかったのでびっくりしたし、スタジオコーストのロビーには、立派なトロフィーや記念盾が展示されていた。高里 悟選手、すごすぎるだろう。主催の釣り具メーカー「がまかつ」のHPには、サッシとモンパチのプロフィール付きで大会の結果報告がアップされている(「イベント情報」の項目)ので、興味のある方は見てみてください。かっこいいです。(小池宏和)