フルカワユタカ @ 渋谷CLUB QUATTRO

フルカワユタカ @ 渋谷CLUB QUATTRO - all pics by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)all pics by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
昨年11月に発表された“ロックスター”こと元DOPING PANDAのフロントマン=フルカワユタカ初のソロ・アルバム『emotion』、そのリリースパーティが成人の日の夜、渋谷CLUB QUATTROで行われた。開場中にはシークレットとして戦友・Nile Longがダンサブルかつプリミティヴな狂騒アクトでひと足先にパーティを盛り立て(ヴォーカル・SIMが2月8日のライヴを最後に脱退とのこと。残念!)、午後18時15分、ガッツポーズのように右腕を掲げて主役が登場! 1月26日からツアーが始まるため詳しいセットの記載は控えますが、冒頭から「来いよ! 今日はとことん行くんだろう!? 俺は誰だ…?? アイム・ロックスター!!」と意気軒昂にパフォーマンス。音圧に頼らない、緊張と解放を自在に行き来するタイトかつしなやかなバンド・アンサンブルが何しろ爽快で、フロアの熱気はみるみる上昇。今回のバンドフォーメーションも村田シゲ(B/□□□、CUBISMO GRAFICO FIVE)、カディオ(Dr/QUATTRO)、新井弘毅(G/serial TV drama)という、ソロ始動直後から活動を共にしてきた気心の知れたメンツであり(シゲいわく、スターと新井、カディオの仲の良さはちょっと気持ち悪いくらいだそう・笑)、バンドシーンきっての腕利き揃いとあって、全幅の信頼を置いてのびのびと、時に大きなアクションとアジテーションを交えて歌い奏でるスターからは、今のバンドと自身の絶好調っぷりがビンビンに感じられた。

フルカワユタカ @ 渋谷CLUB QUATTRO
最初のブレイクでは「あけましておめでとう!」と新年を祝しつつ、「今日はいろいろ告知をしなけりゃ……それはまた盛り上がってきたところで言いたいと思います」と手短にMCを切り上げて、昂ぶる気持ちを抑えきれないといったように、再びエモーション全開でパーティを加速。「スター愛してる!」と野郎からもラヴコールが飛ぶほど(「薄々感づいてたけど、愛されてるの知ってます」とスター・笑)、クアトロ丸ごとその自信に満ち溢れたダイナミックなパフォーマンスで魅了していった。パーティが最高潮に達するなか、「アルバムがやっと出せた感じです。音楽やってるといろんなことがあるけど、今日はそんな湿っぽい話をするつもりはなくて、とにかく希望に満ち溢れておりますよ!」と胸中を伝えつつ、「4月、5月に東名阪ツアーをやります。『electric communication』っていう僕の企画を始めようと思いまして。次は……もっとちょっとグルーヴィになってきたところで言います」と嬉しいビッグニュースを軽やかに投げかけて再びスパート。とにかく漲る4人のサウンドを、一体感溢れるグルーヴを、フルカワユタカの音楽を目いっぱいに届けたい、そんな熱意と焦燥感が入り混じったような強い想いがステージやMCの端々から感じられるのだった。

フルカワユタカ @ 渋谷CLUB QUATTRO
「で…」と、場内がグルーヴィに沸き立ったところでスターが再度MC――「前回のクアトロ3デイズからちょうど1年になりますよ。いい1年でした」と感慨に耽りつつ、東名阪ツアーの日程/会場を公表。「君らが喜ぶような対バンを用意してます」と期待を煽り、さらに「先行チケットには新曲を付けます!(註:ダウンロード暗号付きのカセットテープが付属するそう)先行の方が値段高いんだけど、それは制作費とかが入ってるからで……なんか、俺、告知ヘタだな。抱き合わせ商法みたいになってるな……」と言いつつも、「もちろん聴いたことない曲をクリックできないという人もいると思うので、これからやりますよ!」といち早くその新曲を披露! ラテン調のリズムとスターの饒舌なヴォーカル&ギター・プレイが躍動する、とにかくやたら踊れるグッドソングがさっそくフロアを揺らし、“高速の戦士”こと新井とスターがナイトレンジャーさながらの超絶速弾きバトルも繰り広げて最高潮の熱気のなか本編はフィニッシュ。

フルカワユタカ @ 渋谷CLUB QUATTRO
フルカワユタカ @ 渋谷CLUB QUATTRO
そして、アンコールでひとり再登場したスターは「昔の曲も歌ってみたいと思います」とアコースティック・ギターを弾き語って、いくつかのドーパンソングをプレイ。「Cause I love you!!」とクアトロ一丸のコーラスも沸き起こしながら、「いい感じだね。どんどん行こうか!」と心底気持ち良さそうに熱唱する。1月26日の千葉LOOK公演には新井に代ってBase Ball Bearの湯浅将平(!)をゲストギタリストに迎えることをアナウンスしつつ、ひとしきり弾き語りでフロアを魅了したあとにはバンド・メンバーを呼び込んで、「なんか、掴んできたんですよね。これからバリバリやっていきますんで、よろしくお願いします!」と気を吐きながら再び絶頂へとヒートアップ。2014年は間違いなくソロとしての最初の黄金期になるはず――そんな確信に近い手応えを感じさせるに十分な、2時間に及ぶ熱演だった。(奥村明裕)
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