『アナと雪の女王2』本日公開! ディズニー・アニメーションとプリンセス、その名曲たちの魅力を3つの時代の変化から探る!

『アナと雪の女王2』本日公開! ディズニー・アニメーションとプリンセス、その名曲たちの魅力を3つの時代の変化から探る!

本日11月22日(金)、ついに公開された『アナと雪の女王2』。記録的な大ヒットを樹立した前作から早6年、アレンデール王国を治めるエルサとアナの姉妹の前に、新たな試練が訪れる……!? 新たな主題歌“イントゥ・ジ・アンノウン”のプレビュー動画を見ながら、その内容にワクワクしたファンの方もきっと多いことだろう。


ディズニーのアニメーション映画では、昔から「プリンセス(王女)」を主人公としたファンタジー物語が描かれ、そこから多くの「名曲」が生まれた。ここでは、その歴史を3つの時期に分けて振り返りながら、ディズニー映画の中の「プリンセスの役回り」と、その象徴である「主題歌」が、社会の変遷と共に、いかに「進化」してきたのかを探ってみよう。

1. ディズニー・クラシック(古典名作期):1937~59年


『ピノキオ』や『ダンボ』など、数多くの古典を生んだこの時期のディズニー映画。中でも『白雪姫』(37年)、『シンデレラ』(50年)、『眠れる森の美女』(オーロラ姫、59年)の3作は、プリンセス(王女)を主人公としたファンタジー作品の「原点」と呼ぶにふさわしい名作で、今なお世界中のディズニー・ファンに愛され続けている。

この頃のプリンセスは、いかにも「お姫さま」という言葉が似合いそうなくらい、可憐で、おしとやかなキャラクターとして描かれていた。昔は継母にいじめられていたけど、王子様がやってきて、魔法のキスをしてくれて、その後は永遠に幸せに暮らしました……という、ひと昔前の「おとぎ話」の世界だ。

主題歌の方も、そんなロマンティックな恋愛/人生観を象徴するパターンがほとんど。『シンデレラ』の“夢はひそかに”に代表されるように、この頃のプリンセス・ソングの定番は「夢見る乙女」系のバラードだった。



2. ディズニー・ルネッサンス(第2次黄金期):1989~98年


「女性の観客目線」をより意識したストーリーテリングの導入により、大ヒットを連発したこの時期のディズニー映画の中で、プリンセスの立ち位置は大きく変化していく。『リトル・マーメイド』(アリエル、89年)、『美女と野獣』(ベル、91年)、『アラジン』(ジャスミン、92年)、『ポカホンタス』(95年)といった作品に登場するプリンセスは、よりアクティブで、「自分の運命は自らが切り開く!」という強い意志を持ち、男性へのアプローチも、より積極的な姿勢へとシフトチェンジしていく。「夢の王子様」の到来を待っているだけの「受け身」なプリンセスは、もう時代遅れなのだ。

主題歌の世界観もより現代的にアップデートされ、『リトル・マーメイド』の“パート・オブ・ユア・ワールド”のように、王国の「外の世界」への憧れを歌ったナンバーが人気を集める一方、ミュージカル界の大御所アラン・メンケンが作曲した、力強く、ド派手なアレンジも流行。圧倒的に「歌ウマ」系な楽曲がディズニー映画音楽の「ニュー・スタンダード」として確立したのもこの時期だ。


3. ピクサー&『アナと雪の女王』期:2010年~


CGの飛躍的な進化によって、よりリアルな映像表現が可能になった現代にあって今なお、大人から子供まで、みんなに愛され続けるプリンセス・ストーリー。『塔の上のラプンツェル』(10年)や『メリダとおそろしの森』(12年)がヒットしたこの時期のディズニー映画のプリンセスは、王国の古いしきたりに縛られることなく、恋愛面でも、より「脱・王子様」化が進んでいく。自分の夢を信じて困難に立ち向かっていく彼女たちの姿は、人種や国籍の違いに関係なく、世界中の女の子たちの「ロールモデル」のような存在と言えるだろう。


そんな時代のプリンセス・ソングの代表と言えば、もちろん『アナと雪の女王』の“レット・イット・ゴー”。自分らしく、ありのままに生きることを讃える究極のアンセムは、世界中で大ヒット。21世紀を代表するディズニー・ソングとなったのもご存じのとおりだ。


社会の変化と共に、歌詞の面でも、サウンドの面でも、大きな変遷を遂げてきたディズニー映画の音楽。その伝統は、今回の最新作『アナと雪の女王2』のサントラの中でも、しっかりと受け継がれている――ディズニー・プリンセスが歌う主題歌は、いつだって、時代を映す「魔法の鏡」なのだ。

なお、『アナと雪の女王2』では、パニック!アット・ザ・ディスコウィーザーによる英語版エンドソングにも大きな注目が集まっている。というわけで、特集の最後に、時を越えて受け継がれてきたディズニー名曲MVの一部をお届けします。(内瀬戸久司)







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