アーケイド・ファイア、性同一性障害をテーマにした"We Exist"MVへの批判に答える

アーケイド・ファイア、性同一性障害をテーマにした"We Exist"MVへの批判に答える

アーケイド・ファイアのウィン・バトラーはバンドの"We Exist"の新しいビデオに対する、アゲインスト・ミーのローラ・ジェイン・グレイスからの批判に答えている。

この曲は性同一性障害を扱った楽曲で、ビデオには映画『アメイジング・スパイダーマン2』のアンドリュー・ガーフィールドが性転換女性役で出演しており、女性が意を決して出かけて行ったバーで嫌がらせを受けた後にコーチェラ・フェスティヴァルでのアーケイド・ファイアのステージに導かれるという流れのあらすじになっている。

このビデオについてローラは、スパイダーマンなどを抜擢せずに、実際の性転換女性を起用すればよかったのにと批判していた。ローラはもともとトム・ゲーベルとして通っていた男性で、2012年から自身の性同一性障害を明らかにし、今後は女性として生きていくこと、活動もローラとして行っていくことを宣言していた。また、バンドの最新作『Transgender Dysphoria Blues』もそうしたローラの経験がテーマとなっている。

LGBT向けの雑誌ジ・アドヴォケイトの取材に応えたウィンとビデオの監督のデイヴィッド・ウィルソンは、ジャマイカのゲイの少年が自身のアイデンティティを父に打ち明けるというこの曲のメッセージを広く伝えるためにはハリウッドのスーパーヒーローを起用した方が効果的だとローラの批判に答えている。ウィンは次のように語っている。

「なにかがいったんインターネットに乗っかると、かなり強力に伝わっていくことになるんだよね。ジャマイカに住むゲイの少年だったら、この役柄をスパイダーマンを演じたあの役者が演じているという事実は相当に衝撃的なはずなんだよ。ぼくの意見ではね」

「ただ、この問題のデリケートさはよくわかるよ」ともウィンは認めている。

「でも、このビデオにはものすごく思慮と愛を込めることになったから、個人的にはネガティヴなものにはなっていないと思うんだ」

実際、ウィルソン監督は本当の性転換女性を起用することも考えていたと明らかにしたというが、このビデオへのアンドリューの思い入れと情熱を知ってアンドリューでいくことにしたと次のように説明している。

「話し合ってみるまでは、本当にこの人選でいいんだろうかって思ってたんだよ。実は本当に性転換した人を使うべきじゃないかってね。でも、アンドリューと電話で話してみると、このプロジェクトへのアンドリューの思い入れと情熱はこちらが気圧されるほどのものだったんだよ。これほどの知名度を持つ俳優が音楽ビデオにここまで気持ちを入れてくれるっていうことはめったにあることじゃないからね。これでいくしかないと思ったよ」

"We Exist"のビデオはこちらから。

(c) NME.COM / IPC Media 2014

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