シアトルを活動の場にしていたプロデューサーで、パール・ジャムの1991年のデビュー・アルバム『Ten』やアリス・イン・チェインズの1993年のEP『サップ』などのプロデュースを手がけたリック・パラシャーが8月14日にワシントン州クイーンアンの自宅で他界した。
死は肺動脈塞栓症と下肢の深部静脈血栓症によるもので、足にできた血栓が肺動脈にまで流れて発作を起こしたものだと音楽サイトのノースウェスト・ミュージック・シーンが伝えている。享年50だった。
パラシャーはほかにも3ドアーズ・ダウンの2002年の大ヒット作『アウェイ・フロム・ザ・サン』、全米のみでも600万枚を越えるセールスを記録したニッケルバックの01年の『シルヴァー・サイド・アップ』などのヒット作を手がけ、テンプル・オブ・ザ・ドッグ、ブラインド・メロン、ボン・ジョヴィなどのプロデュースにもあたっている。
また、パラシャーと弟のラジは1985年にシアトルにロンドン・ブリッジ・スタジオを開業させており、このスタジオは90年代初頭にシアトルで台頭したグランジ・シーンの中心的な場所の一つとなったことでも知られている。自身も音楽活動をしていたリックはピアノ、フェンダー・ローズ、オルガン、パーカッションの演奏などでも知られていたが、プロデュースについては特にヴォーカルの扱いが卓越していることで知られていた。