5月から北アメリカでイノセンス・アンド・エクスペリエンス・ツアーに乗り出すU2だが、ボノは昨年11月に自転車事故で負傷した手の回復が思わしくないことを明らかにしている。
ボノは昨年11月にニューヨークのセントラル・パークで自転車で転倒して大怪我を負い、左腕の肘や掌などを複雑骨折。その後、5時間以上にわたる肘の手術を行ない、さらに翌日に掌の関節の再生手術も行った。しかし、回復は遅々としたもので、今年の1月にはしびれを切らしたようにオフィシャル・サイトで次のように語っていた。
「回復は自分で思っていたより難航してるんだ。これを書きながら思うのはもう二度とギターを弾けないかもしれないということなんだ。バンドには、バンドも西欧文明も俺がギターを弾けることを当てにはしていないと言ってもらえたよ。でも、個人的にはぼくのグリーンのアイルランド製のグレッチ・ファルコン・モデルのフレットやRED(ボノが関わっているエイズ撲滅支援チャリティ団体)仕様のグレッチのフレットをまともに押さえられなくなるなんてとても悲しいよ。曲を書く時とか、単なる気晴らしにもね。その一方で、ジ・エッジやジミー・ペイジみたいなギタリストで肘にチタン製のボルトを入れてるやつとか誰かいる? でも、ほんとにまったくうまく身体を動かせない状態なんだ」
そして、ここにきてまだ指が2本曲げられないと次のようにニューヨーク・タイムス紙に語っている。
「俺はこれまでずっとどんなものよりも俺の頭の方が石頭で硬いと思ってたんだけど、さすがに考えを改めたよ。俺はなにもハーレーダビッドソンを運転しててコケたわけじゃないんだからね。ただの自転車でコケて身体が粉々になってるんだからさ。あまりにもしょぼい話なんだよ」
「なんだか他人の手のような感じなんだよ。これとこれとかまだ曲げられないんだ」とボノは怪我をした方の手を指し示しながら語ったという。
「なんか死後硬直でも起こしたように硬くなってるんだよね。でも、神経っていうのは1週間で1ミリ単位でしか治っていかないっていうから、あと13か月くらいしたら、本当に治るのかどうかわかってくるっていう話なんだ」
また、自身の腕と肘をさすりながら「この辺は全部感覚が麻痺してて、まだチタンも入ってるんだよ」とボノは説明したとか。しかし、ツアーへの準備は着々と進んでいて、チケットもすでに98パーセントは売り切っているという。ツアーは5月14日のカナダのヴァンクーヴァー公演から幕を開ける。
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