今週のRO69ニュースROUND UP:来日決定! 新旧奇天烈ポップ・メイカーの運命的コラボ、FFSが面白い

  • 今週のRO69ニュースROUND UP:来日決定! 新旧奇天烈ポップ・メイカーの運命的コラボ、FFSが面白い - FFS『FFS(デラックス・エディション)』6月10日(水)発売

    FFS『FFS(デラックス・エディション)』6月10日(水)発売

  • 今週のRO69ニュースROUND UP:来日決定! 新旧奇天烈ポップ・メイカーの運命的コラボ、FFSが面白い - pic by David Edwards

    pic by David Edwards

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フジロックが第10弾、サマーソニックが第14弾出演アーティストまで発表され、いよいよ大詰めになってきた今夏のフェス・ラインナップ。そこに加え、先日新たに発表されたのがサマーソニック東京の土曜深夜に開催されるオールナイト・イベント、「HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER」だ。

◆HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER、第1弾ラインナップとして6組を発表(2015/6/5)
http://ro69.jp/news/detail/125256

サマソニがHostess Club Weekender他のライヴ・イベントを企画してきた「Hostess Club」とタッグを組んで開催されるこのイベント、何が凄いってとにかくラインナップが半端ない。トム・ヨーク、フランツ・フェルディナンドとスパークスのコラボ・バンド「FFS」、スピリチュアライズドと、プロパーなサマソニの各ステージでもメインを張れそうな豪華アクトに加え、マシュー・ハーバート、ジョン・ホプキンスら、いかにも「Hostess Club」らしいカッティング・エッジなアクトまで。

ちなみにこの「HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER」が昨年の「ミッドナイトソニック」の枠を踏襲することになると考えると、ステージはSONICとRAINBOWの2ステージ制になるだろう。ヘッドライナーはトム・ヨークとFFSが務めることになるという。

トム・ヨークのソロ初来日の意義については後日改めて書くとして、ここでは6月10日にファースト・アルバム『FFS』の日本リリースを控えるFFSのおさらいを。

近年、ここまで相思相愛なコラボレーションも滅多にないはずだ。このフランツ・フェルディナンドとスパークスのFFSは、フランツにスパークスのメイル兄弟が飛び入り参加したわけでも、スパークスの新作にフランツの4人がゲスト参加したわけでもない。FFSはほとんど新バンド結成にも近い意味を持つ超本気のコラボレーションであり、6人がスタジオでがっつりいちから作り上げた『FFS』は新バンドのデビュー・アルバムと呼ぶべきものだ。

フランツはもともとスパークスの大ファンで、彼らの初期のリハーサルのレパートリーにはスパークスのナンバーが必ず数曲含まれていたという。中でも特にアレックスがフェイヴァリット・ナンバーとして挙げていたのが“When Do I Get To Sing 'My Way'”。1994年の『官能の饗宴』収録。ちなみにこの『官能の饗宴』はアレックスが初めてリアルタイムで聴いたスパークスのアルバムだったそう。

Sparks- "When Do I Get To Sing 'My Way'"

一方のスパークスもフランツの“Take Me Out”(2004)を聴いて「この若者たちは素晴らしい」と太鼓判を押していた。つまりフランツのデビュー直後から彼らのことを知っていたわけで、その当時から「いつか一緒になにかやろうと話していた」という。

Franz Ferdinand-“Take Me Out”

かたや70年代からその捻くれたポップ・センスで独自路線を突き進んできたスパークスと、00年代のポスト・パンク、ニューウェイヴのリヴァイヴァルの中から登場したフランツは、言わば父と息子のような関係にもある両者だ。でも、FFSにおける彼らの力関係は完全にイーブンだ。

キーボードが主導するスパークスとあくまでギター主体のフランツは音楽性でもイコールではないけれど、FFSはそのふたつのバンドの強みを持ち合い、掛け合い、FFSサウンドと呼ぶべきまったく新しい領域に達している。そしてそれが可能だったのは、彼らがポップ・ミュージックの哲学を、「ポップ・ミュージックは野心的であるべきだし、同時に楽しく、踊れるものであるべき」だという方向性を共有していたからだ。

ちなみにかのモリッシーはスパークスの大ファンとして知られているが、フランツもまたかつてお気に入りの新人バンドとしてモリッシーに指名され、対談を行ったこともある。モリッシーが愛する「ポップネス」、スパークスとフランツの共通点はこんなところにもある。

FFS - Johnny Delusional

前述のようにフランツとスパークスによるコラボの構想は10年以上前から何度か持ち上がっており、ようやく「本当にやろう」ということになった昨年、スパークスからフランツに送られて来た最初のデモ・ナンバーが“Collaborations Dont Work(コラボなんて上手くいかない)”だったというのも何とも彼ららしいユーモア・センス。

ちなみにここらへんのFFS結成のいきさつについてはロッキング・オン最新号のアレックスのインタヴューに詳しいのでぜひそちらもチェックしてみてください。

FFS - Collaborations Dont Work

なお、FFSのライヴは現状こんな感じです。完全に6人編成の新バンド、FFSであることがおわかりいただけるはず。ラッセルとアレックスのツイン・ヴォーカルが楽しすぎるし、ステージ・アクションの親和性も高すぎる!

FFS - Police Encounters - Later… with Jools Holland - BBC Two

FFS - Johnny Delusional - Later… with Jools Holland - BBC Two

なお、「HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER」のステージではFFSのオリジナル・ナンバーに加え、スパークスとフランツのナンバーも数曲プレイされる予定だという。一期一会の新旧ポップの饗宴、見逃さないで!(粉川しの)
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