【コラム】BABYMETALが勝ち続けてきた理由を、今改めて考える

  • 【コラム】BABYMETALが勝ち続けてきた理由を、今改めて考える - photo by Taku Fujii

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  • 【コラム】BABYMETALが勝ち続けてきた理由を、今改めて考える - photo by MIYAAKI Shingo

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RO69のライヴレポート(http://ro69.jp/live/detail/126504)にも掲載されている通り、6月21日に幕張メッセで開催されたBABYMETAL史上最大・2万5千人規模の単独公演「巨大天下一メタル武道会」は怒濤の熱狂の中で幕を閉じた。ワンマン/フェス含めBABYMETALの躍進ぶりを目撃してきた身としては、今回の幕張メッセもぜひ観たかった……と思いながら、これまで観たステージの数々を回想していた中で、改めて気がついたことがある。

BABYMETALの世界観は「ワンマン=ホームでは完結しない」のだ。

僕がBABYMETALのステージを観て、そのすごさを最初に体感したのはフェスでのことだった。ひとつは、2012年から3年連続で出演してきたサマーソニック。フードコートの小舞台「SIDE-SHOW」(2012年)から「RAINBOW STAGE」(2013年)、幕張会場の屋内最大ステージ「MOUNTAIN STAGE」(2014年)へ……と年々スケールを拡大しながらファンも傍観者も惹き込んでいく図を、そのつど目の当たりにしてきた。そして、国内最大級のメタルの祭典「LOUD PARK」出演時(2013年)。「メタルフェスにアイドル?」という賛否両論の下馬評すら吹っ飛ばす“イジメ、ダメ、ゼッタイ”激演で巨大なウォールオブデスを描き出していた姿には、観ていて思わず感激を禁じ得なかった。それらのフェスの体験と期待感をもって、自分がワンマン=ホームの場に臨んだのは、あまりに当然の成り行きだった。

実際、ワンマンライヴは素晴らしかった。ワールドツアー完遂の祝福感が圧巻の熱量を生んでいた昨年9月の幕張イベントホール公演。さらなる進撃の黙示録の如きメロディックスピードメタルアンセム=“Road of Resistance”で壮大なシンガロングが巻き起こった、今年1月のさいたまスーパーアリーナ公演。どちらも音楽的に/パフォーマンス的に/演出的に見て大満足のステージだったし、ホームならではの一体感にあふれてもいた。

でも、このふたつのワンマンを観た後、僕は確かに思った。
「BABYMETALを、フェスのステージでもまた観たい」と。

ご存知の通り、BABYMETALのライヴの世界観は、「キツネ様」のお告げにより「『世界をメタルでひとつにする』という使命=“メタルレジスタンス”を実現する」というストーリーに則ったものだし、その物語はライヴ空間をエンターテインメントとして成立させる舞台装置としてのフィクション、ファンタジーであるはずだった。しかし、BABYMETALの3人のヴァイタリティ、とりわけリードヴォーカルを担うSU-METALの気迫が、そのストーリーに驚くほどリアルな手応えを与えた。メタルという異世界の表現と真摯に向き合い、神バンドの凄絶な轟音を全身に浴びながら日々闘い続けてきた3人の姿は、ついにはメタルレジスタンスというファンタジーすら「現実」として体現するに至ったのである。

そして。基本的にBABYMETALのライヴは、ワンマンであれフェスであれ、メンバーが曲間に微笑ましいMCをすることもなく、ひたすらショウに徹したストイックなステージングが施されている。極論すれば、個々のメンバーの予備知識を知らなくても――ライヴを初めて観た人も、それこそさくら学院当時から長年応援しているファンも、等しくその音楽とアクトを堪能することができる。「知識や教養をたくさん蓄積した人が優位に立つ」というサブカルチャーの象徴とも言えるジャンル=ヘヴィメタルを主戦場としながらも、ビギナー/マスターの差異もメタル/ポップの境界線も無効化し「外の世界」へ向け発信する――ザ・ドアーズ風に言うところの「Break On Through To The Other Side」なBABYMETALの構図は、極めてカウンターカルチャー的、ロック的なものだ。

フェスという名の「アウェイ戦」の後には、BABYMETALの健闘を「ホーム」=ワンマンライヴで称えたくなる。が、その後にはまた「アウェイ」で鮮烈に闘う姿を無性に観たくなる。それまで特にファンではなかった人が、フェスの場でBABYMETALを観て魂を昂らせていく図そのものが至上のエンターテインメントになる――今年のUK「Download Festival」やUS「Rock On The Range」をはじめ海外の名だたるフェスを沸かせ支持を拡大し得た背景には、BABYMETALの「常に外に向かって攻め続ける物語性」と、その物語を今この時代の「現実」として繰り広げるメンバー自身の表現力と覚悟が確かに作用しているはずだ。海外フェスのコワモテ客たちも、彼女たちのパフォーマンスの中にそのロックな姿勢と構図を感じていたことと思う。

「フェスへの出演は『ワンマンライヴへの呼び水』」という視点をも遥か置き去りにしたところで、フェスとワンマンのでっかい輪廻を描いているBABYMETAL。8月のサマソニ→ドイツ2公演→UK「Reading & Leeds Festivals 2015」出演を経て、9月からは初の本格的国内ワンマンツアー「BABYMETAL WORLD TOUR 2015 in JAPAN」も開催される。ますます目が離せない展開になってきた。(高橋智樹)
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