ジョン・ライドンが語る、少年時代やシド・ヴィシャスの思い出、自身の食材遍歴

ジョン・ライドンが語る、少年時代やシド・ヴィシャスの思い出、自身の食材遍歴

現在ヨーロッパ・ツアー中のパブリック・イメージ・リミテッドのジョン・ライドンが少年時代やシド・ヴィシャスとの思い出などについて語っている。

ザ・ガーディアン紙の取材を受けたジョンは、子供時代や現在の生活など、さまざまな話題について応えている。今ひとつ趣旨のはっきりしない取材なのだが、ジョンと食べ物について迫るつもりだったのかもしれない。とりあえず、子供時代にかかった大病についてジョンは次のように振り返っている。

「7歳の時に髄膜炎にかかったんだ。3か月間昏睡状態に陥って、ほとんど1年間入院したんだよ。入院する前の晩にポークチョップを食べたから、今もポークチョップを食べると病気になると俺は思い込んでるんだ。とにかくもう、ポークチョップには近づけないし、無理なんだよね、しっかり燻製にしたベーコンだったら引き寄せられちゃうんだけどさ」

「昏睡状態の間は静脈点滴で栄養補給してたのかな、さっぱり知らないんだ。病院食についてもさっぱり憶えてないんだよね。目が覚めたらすっかり記憶を失ってしまって、両親のことさえ憶えてなかったんだ。自分が誰かもさっぱりわからなくて、そのギャップを埋めていくのに3年くらいかかったんだよ。スプーンの使い方さえわからなくて、やっと習得してもすぐに忘れちゃうんだよ。学校に戻ったら、残忍な教師たちやフォークの持ち方が逆の左利きは神への冒瀆だと思っているような悪辣なシスターたちが俺のことを『バカよりバカなおバカくん』とか呼んできたりしてね。でも、給食のおばちゃんたちが『ジョン、なにを言われても気にしちゃだめよ』ってやさしくしてくれたんだ。給食のデザートはバーズ(菓子メーカー)のカスタードを使ってたから好きだったな。それにセモリナ・プディングも好きだったな。真ん中にかかってるシロップがね。あの赤いシロップが本当に好きだったんだ」

また、少年時代の住居については次のように振り返っている。

「11歳の時に(フィンズベリーパークの)エイカー・エステートにある共同じゃないトイレのついたアパートに引っ越したんだ。去年、その部屋に行ってみたら、今住んでるトルコ人の一家が快くもてなしてくれたよ。一番思い出深いのはキッチンのテーブルで、ここでハインツのベイクドビーンズ(洋風煮豆)をトーストに乗っけて"ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン"の歌詞を書いたんだよ」

「その家も出ることになったのはおふくろの妹の一家がカナダから遊びに来ることになったからなんだ。親父は俺がすごく伸ばしてた長髪が我慢ならないっていうから、ばっさり切って、黄緑色に染めてやったんだよ。その時、傑作だったのが親父の言い草で、『さっさとこの家から出てけ、芽キャベツみたいな頭しやがって!』っていうもんだったんだ」

「それからハムステッドの地下鉄の裏手にあった、不法占拠に遭ってた廃ビルにシドと棲みこむことになったんだ。シドと俺とで、ヒールズ(百貨店)に入ってたヴェジタリアン・レストランで1日数時間か掃除をやっててね。シドとの棲家ではハインツの缶詰ばっかり食べてて、ほとんどベイクド・ビーンズだったな。いつも冷めたまんまね。でも、イタリアン・カフェとかに行くと、安いリゾットとか食えたし、俺がまともなコーヒーとかを飲むようになったのもそういう店でのことだったんだよ。カプチーノとかすげえはまったし。今じゃ紅茶専門で、1日最低でも20杯くらいはいくかな。アメリカでPGティップスとヨークシャーティーが輸入されるようになるまでは俺の旅行鞄はいつもそれでぱんぱんにして目的地に向かってたからね」

また、ジョニー・ロットンという名前の由来については次のように語っている。

「ロットン(腐ってる)っていう名前は俺の歯からきてるんだよ。俺の歯ってほんとに汚くてさ、すごい長い間、汚かったんだよね。子供の頃、食後やどんな時でも、歯をきれいに磨くという概念がうちには存在してなかったんだ。歯ブラシっていうのはうちの親父が靴磨きに使う道具だったんだからね。いつもどこかの歯が欠けてる状態で、なんかそれが俺の成長記録みたいなものでもあったんだけど、カリフォルニアに移ってから、歯槽膿漏やあらゆる歯肉炎を経験して、再建手術でまともな状態に戻すまで2年から5年くらいかかったんだよ。その間は食事も大変だったんだよね、新しいチタン合金の歯と舌の置き位置がなかなかわからなくてね。舌を噛んで出血した状態で食べられるものといったら、ステーキをミディアム・レアで、これに塩をたくさんかけて食べるしかなかったよね」

さらにアメリカに移ってからの発見を次のように語っている。

「カリフォルニアに移って最大の発見のひとつとなったのはアヴォカドだったんだ。イギリスじゃエキゾチックでとても手の出ない高価なものだったからね。アヴォカドは大好きだし、いろいろ食べ方を工夫するのも大好きだよ。メキシコ風にスパイシーにして食べるのもいいけど、たいていはお刺身みたいにして食べるね、スライスにしてお醤油をつけてね」

なお、ジョンは資産家のノラ・フォースターと結婚していることでも知られているが、普段は自分が料理を担当しているとのことで、お得意の料理は母親から教えてもらった羊や牛のハツのローストで、「きちんとパン粉、セージやタイムの詰め物をして焼き上げるんだ」とのことだ。
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