10月23日にリリースされた新曲"Hello"がビルボード・シングル・チャートでは1位獲得が確実とみられ、ヴィーヴォではテイラー・スウィフトの"バッド・ブラッド"を抜いて公開から24時間で最大の再生記録を誇るビデオともなったアデルだが、新作制作にとりかかった当初に用意した楽曲群が自身のマネージャーやリック・ルービンからも不評だったことを明らかにしている。
アデルは約5年ぶりとなる新作『25』を11月20日(金)にリリースするが、i-D誌の取材に応え、3年ぶりとなるインタヴューで新作や名声との折り合い、あるいは普段の生活などについて語っている。
マネージャーとリック・ルービンにダメ出しされたという、当初用意した楽曲群については次のように語っている。
「わたしのマネージャーは『これじゃまだだめだよ』っていう感じで。もちろん、ちょっと自信を傷つけられた感じだったけど、でも、実はわたしもそう思ってたの。それからリック・ルービンに飛行機で来てもらって、その時の新曲群を聴いてもらったんだけど、『きみのこと信用できないな』って言われちゃって。わたしにはこれが一番怖いことなのね、人に信じてもらえないことが。それで全部最初からやり直すことにしたわけ」
2011年に他界したエイミー・ワインハウスについては次のように振り返っている。
「エイミーと『フランク』を聴いてなかったら、100パーセント自分からギターを手に取ってみることもしなかったはずだし、"デイドリーマー"や"ホームタウン"は書いてなかっただろうし、"サムワン・ライク・ユー"もギターで書いた曲だったのね。いろいろいわれているけど、わたしとエイミーは実は全然よく知らない仲だし、友達だったとか、そういうことは全然ないのね。ただ、わたしは(パフォーマンス・アーツ専門の学院の)ブリット・スクールに行ってて、エイミーもしばらく在籍していたというだけのことで。でも、『フランク』を聴いてなかったら、わたしのその後もこうはなっていなかったと100万パーセントいえるから。エイミーのことは本当に憧れてたし……やっぱり本当に悲しいのは、もうエイミーの声を聴くことはできないってことなの。わたしがこれまで聴いて知っている以外の声ではもう聴けないっていう」
名声やセレブリティになったことについては次のように語っている。
「もう本当にそれが怖くて。それがわたしをだめにして使い物にならなくなるんじゃないかって、自分を見失って、わたしがその音楽を心から愛している一部の人たちみたいに成り果てるんじゃないかって。それとわたしが愛している人たちのことも怖くなってくることがあって、みんながわたしのことをわかってくれなくなったんじゃないかって。かなり毒性の強いものなのね、この名声って。もうわたしの身体の中には充分毒素は詰まってるんだから、さらに余計な毒素なんて要らないんだけど!」
また、派手な社交や生活をひけらかさないことについては次のように語っている。
「別にアンチ有名人のガミガミ女みたいになろうとしてるわけじゃなくて、ただ、まともでリアルな生活を送りたいの、レコードの作品を書くためにも。現実からかけ離れちゃった人のレコードなんて、誰だって聴きたくないし。というわけで、わたしはファンのみんなのためにも地味な生活を送っているともいえるのね」
新作制作に時間がかかったことについては次のように触れている。
「しばらくはもう、今のこういう瞬間は絶対に来ないんだろうとしか思えなかったくらいだったし、どうしてもレコードを書くために自分と向き合えなくなっていたのね。だから、今回の楽曲が出来たことについては超嬉しいし、ほんとに誇りに思ってる。いろいろ大変だったことをこうして愚痴ってきてるけど、実際の楽曲はどれもすごく盛り上がるから」