11月13日のパリ同時多発テロ事件を受け開催中止となったライヴの振替公演を同じ会場で12月6日・7日に予定しているU2だが、ボノはパリの市民が事件に動じることなく強い気持ちを保っていけるはずだと語っている。
U2はパリのアコーホテルズ・アリーナで4公演を行う予定だったが、そのうち2公演が事件のため中止に追い込まれることになった。実際、89名が犠牲となったライヴ会場のル・バタクランが襲撃された際、バンドは翌日のライヴに向けたリハーサルをやっている最中だったという。あらためて開催することになった6日と7日のライヴに観客はなにを望めばいいのかという問いに、ボノは次のようにAP通信に語っている。
「まあ、フランスのお客さんのことはよく知ってるし、どういう気質なのかということもこれでよくわかったから、みんなに期待してもらいたいのは抵抗という行為の持つ喜びっていうもんだね」
「U2がやるものはそういうもんだし、フランスのみんなが俺たちに期待しているのもそういうもんだし、それだけの話だよ」
「テロリストの連中は多くの命を奪ったし、それを俺たちが取り戻すことはできないわけだけど、でも、連中にパリという都市の性格を変えることはできないんだよ」
さらにイーグルス・オブ・デス・メタルについては次のように語っている。
「俺たちはもちろん、俺たちと同様に世界を渡り歩いてるアーティストのイーグルス・オブ・デス・メタルがこんな大変な目に遭うことになったことにも心を痛めてるよ。連中はものすごく才能に溢れたバンドで、それがこんな悪夢を味わわされることになったわけだけど、その後の対応も本当に威厳があったよね」
また、パリのオーディエンスについてボノは次のように語ってみせた。
「この人たちはみんな俺たちの仲間なんだよ。よく知った顔のファンのみんなだし、観客のみんなは仲間なんだ」
「みんな、俺の娘とか息子とかみたいなもんで、あるいはエッジとか、ラリー(・マレン)とかとまるで一緒なんだから……だから、ものすごく傷ついたよ。だけど、俺たちはしっかり戻ってみせるんだから。誰にも俺たちのことは止められないよ」
なお、7日のライヴはアメリカのケーブル・テレビ局HBOで中継されるという。