「僕らの未来」はこれからも続いていく──ファンと笑い、泣き合ったmiwaの再現ライブツアー『guitarissimo』には、15年分の愛が広がっていた

「僕らの未来」はこれからも続いていく──ファンと笑い、泣き合ったmiwaの再現ライブツアー『guitarissimo』には、15年分の愛が広がっていた
今年3月にデビュー15周年を迎えたmiwaが、とても興味深いツアーを開催している。それは14年前にリリースした1stアルバム『guitarissimo』の再現ライブ。当時のツアーを再現するのではなく、アルバムを再現=収録曲順に演奏していくというものだ。そんなツアーの東京公演、3月9日のZepp Haneda (TOKYO)を観た。

大学時代に『guitarissimo』をよく聴いていた私は、夢を追いかけるか悩んでいた時に“don't cry anymore”に力をもらい、恋愛をしていた時は“オトシモノ”を聴いて泣き、挫けそうになった時は“つよくなりたい”を聴いて心の底から支えてもらったりもした。私はこのライブをそんな思い出に浸りながら観るかなと考えながら会場へ足を運んだのだが、一曲目の“ありえない!!”のイントロが放たれた時に会場を覆った爆発的な歓声を聞いた瞬間に、これは『guitarissimo』で作った心の中の思い出のアルバムに浸るのではなく、同じ心のアルバムに新たな1ページがこれから刻まれるんだという感覚になった。

それは、当時の『guitarissimo』ツアーのライブ映像で聴こえた歓声とは全く違った期待感と感涙の色が交じった歓声だったということもあるが、CDで聞ける音源とは全く違った質の演奏が目の前で広がっていたからだ。15年という期間で成長したmiwaの演奏力と歌唱力、パフォーマンスも含めてすべてにおいて『guitarissimo』の楽曲たちがブラッシュアップされていた。当たり前のことを言っているけども、期待をしていたからこそ、その期待を遥かに超えたあの瞬間の衝撃は、脳裏に思いっきり焼き付いて離れない。また、思い出をみんなと共有しながら楽しむmiwaとファンが作る会場の雰囲気も居酒屋で語らうような感覚でよかった。会場には10代以下から90代まで幅広い年代のファン。さらに、15年前からmiwaと関わりがあるスタッフやミュージシャン、編曲家、そして一般社団法人の日本記念日協会に認定された「miwaの日」(3月8日)に東京・歌舞伎町で開催されたmiwa楽曲のカバーを19組のアーティストが弾き語りで演奏するイベントに参加した方々も客席に集結していた。

「15年前から強くなって、みんなに歌を届けたい、その気持ちは昔から変わらない」とmiwaがMCで話していたが、まさに15年という期間は彼女を強くしたし、その周りには彼女に惹かれた多くの仲間、彼女に影響を受けて自分も歌を届けたいと夢を叶えようと奮闘する後輩、15年前から彼女のアーティスト人生を見届け続けてきた多くのファン、そんなmiwaを愛する人々が数え切れないほどにいる。

この先の15年、もっと先へと歩みを始めたmiwaが今何を思っているのか。15年間の活動の中でどのように彼女は強くなっていったのか。そんなmiwaが歩んできた歴史をともに辿りながら、たくさん語ってもらったインタビューが、3月31日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』5月号に掲載されるので、楽しみに待っていてください!(岩田知大)

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