オーケー・ゴーが、2014年にリリースされた最新作『ハングリー・ゴースト』収録のナンバー“Upside Down & Inside Out”のミュージック・ビデオを自身のFacebookページ上で世界初公開した。

ずらりと並んだトレッドミルと自ら振り付けしたダンス・ビデオで注目を集めた“Here It Goes Again”や、ドローンを駆使し「史上最大のワンカット映像」として話題を呼んだ前作“I Won't Let You Down”など、ユニークなミュージック・ビデオの数々で知られるオーケー・ゴーだが、今回のビデオはロシアのROSCOSMOSと「ガガーリン宇宙飛行士訓練センター」、そしてロシア国内最大の航空会社S7（エス・セヴン）航空の全面協力を受けて制作された、人類史上初の「無重力空間で作られた芸術作品」となっている。

映像はこちらから。

このビデオの撮影は、ROSCOSMOSが提供した宇宙飛行士訓練用の特別機が空中に放物線を描いて飛行する際に機内に発生する無重力状態を利用して行われている。

これまでの彼らのミュージック・ビデオに共通する「ワンカメラ・ワンショット」の美学は今回も貫かれているが、1度の無重力飛行で無重力空間が生じるのはわずか27秒。そのため1度のフライトの間に無重力飛行を何度も繰り返し、8回連続してカメラを回すことで8回×27秒＝トータル216秒の無重力状態を発生させ、その無重力状態の時間内の映像だけを集めて1曲分のミュージック・ビデオとして完成されたのだという。

なお、無重力飛行を終えてから次の無重力飛行の準備が整うまでの所要時間はおよそ5分。その間機内では音楽を一時停止し、メンバー全員もその場で動きを止め、次の無重力状態になった瞬間に再び続きのアクションを始めるという方法で撮影が行われ、撮影完了までには実に3週間を要したという。

これまでにも多くの映像作品を共に制作してきた自身の姉、トリッシュ・シーと共同で本ビデオの監督を務めたメンバーのダミアン・クラッシュは、この「無重力MV」のアイデアが生まれたきっかけについて次のようにコメントしている。

「民間企業による商業宇宙旅行が話題になりだしたのが10年くらい前で、当時ヴァージン・ギャラクティック社やスペースX社が進めている計画を聞いた時、人類が宇宙空間でアートを制作するようになる日が来るのもそう遠くないんだな、って僕には思えたんだ」

リリースの詳細は以下の通り。

●リリース情報
オーケー・ゴー『ハングリー・ゴースト』
発売中
VICP-65264 | ￥2,300+税
日本盤ボーナストラック収録

01. アップサイド・ダウン＆インサイド・アウト / UPSIDE DOWN & INSIDE OUT
02. ザ・ライティングス・オン・ザ・ウォール / THE WRITING'S ON THE WALL
03. アナザー・セット・オブ・イシュー / ANOTHER SET OF ISSUES
04. ターン・アップ・ザ・レディオ / TURN UP THE RADIO
05. オブセッション / OBSESSION
06. アイム・ノット・スルー / I'M NOT THROUGH
07. ブライト・アズ・ユア・アイズ / BRIGHT AS YOUR EYES
08. アイ・ウォント・レット・ユー・ダウン / I WON'T LET YOU DOWN
09. ザ・ワン・モーメント / THE ONE MOMENT
10. イフ・アイ・ハド・ア・マウンテン / IF I HAD A MOUNTAIN
11. ザ・グレート・ファイア / THE GREAT FIRE
12. ララバイ / LULLABY
13. ファイト・ソング / FIGHT SONG