コートニー・ラヴは、ロックンロールはほとんど死にかけていると語っている。
デイズド誌の取材に応えたコートニーは次のようにロックが瀕死の状態にあることを語っている。
「ロックはほとんど死にかけているし、アートとしてものすごい救世主的な方向性を新たに見出すか、新しいオアシスかニルヴァーナが登場して、カニエ(・ウェスト)くらいの大事にならないともう先はないかも」
さらにロックがもともと破壊的な表現だったことさえもう知られていないとも次のように説明している。
「ものすごく革新的なものじゃなきゃならないし、それだけたくさんの人たちの人生に影響しなきゃだめだし、それなのにキッズ、特に00年代以降の世代は、ほとんど例外なくみんなラップを聴いて育ってきてるから。そういう子たちがロックはもともと破壊的なものだったということを知ってるかどうかはおろか、聴いたことあるのかどうかさえ、もうわからないと思う」
また、音楽業界ではいまだに女性であることで先入観を持たれることが多いと語っていて、会場で自分たちでドラムを組み立てているだけで「いい子ちゃん」、あるいは「ハニー」などと呼びかけられたものだと説明している。ドラムや機材を自分たちで搬入するだけで、少なくともスタッフからはビッチ扱いはされないのだとコートニーは語っている。
そもそも女性の音楽スターという存在が絶対的に少ないだけでなく、常に色眼鏡で見られていると次のように語っている。
「たとえば、バルコニーからホテルのテレビを投げ落とすとか、キース・リチャーズがやったような乱行や、ジム・モリソンがやったようなことや、ボノがやったようなことをやったとしたら──昔はそんなこともあったってことさえみんなもう忘れちゃってるけど──わたしは、男性アーティストとは違う尺度でいつも自分のことを測られてると思うのね」
さらに作品や演奏についての評価も、一般的に女性アーティストに対しては点が厳しいともコートニーは説明している。
「これはデイヴ・グロールとも話してたことで、今月話してたんだけど、デイヴがいうには自分だったら別にサウンドをいつも変えていく必要はないのに、わたしだったらそれを要求されるっていうのね。その一方で、PJハーヴェイの新作を聴いたら、『すごい、この人は変化がとまるってことがないんだな』って思って。驚異的だし、人間離れしてるのよね」
さらに女性として音楽業界でわたり合っていく秘訣については次のように指南している。
「女子の場合、完全に自己完結してないんだったら、ピアノを完璧に弾けるわけではないんだったら、ギターを完璧に弾けるわけではないんだったら、なにからなにまで独学でやってみせるっていうわけじゃないんだったら、そうしたら誰かと寄り合っていかなきゃならないんだから、本当に信用できてずっと長い間一緒にやっていける人たちとやるしかないってことね」