ブライアン・ジョンソン、AC/DC脱退は追放ではないかという批判に対する声明文全訳

ブライアン・ジョンソン、AC/DC脱退は追放ではないかという批判に対する声明文全訳

5月以降のワールド・ツアーをガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズを迎えて完遂すると明らかにしているAC/DCだが、1980年以来ヴォーカルを務めてきたブライアン・ジョンソンはあくまでも自身の聴覚障害のために自ら身を退こうと決心したことによるもので、バンドから放り出されたわけではないと明らかにしている。

ブライアンはロック・オア・バスト・ツアーのアメリカ公演中の3月に聴覚障害を患っていることを明らかにし、その直後にアメリカ公演の10公演分が順延扱いとなった。その後、ブライアンの症状が実は軽いのではないかという報道も出回り、ブライアンがほぼ一方的にバンドを追放されるのではないかという憶測が伝えられていた。

その後、4月16日にバンドの代行ヴォーカルとしてアクセル・ローズが決定し、ブライアンは事実上脱退したことがAC/DCによって発表されたが、一部からは一方的な切り捨てだと批判が集まっていた。しかし、ここにきてブライアンは19日に声明を発表し、次のように説明している。

「聴覚障害の分野で名立たる医師数名による検査をうけて、3月7日にぼくはこのまま大会場での演奏を続けていると聴覚を完全に失う危険があると診断されました。この診断の意味する現実と直面して恐れおののきましたが、その一方で、実はぼくはそれまでの部分的な聴覚障害が自分のライヴでのパフォーマンスの妨げとなってきているようにしばらく感じていたのです。

ステージでギターを聴き取るのが難しくなっていて、ほかのミュージシャンの音がはっきりと聴こえなくなってきていたので、自分のパフォーマンスも損なわれているのではないかと不安になっていました。正直言ってこれは自分の良識に従って見過せる事態ではありませんでした」

「ぼくは途中でなにかを諦めるような人間ではないですし、やっていることについてはなんでも完全にやり遂げたいと思っています。けれども、医師の人たちはぼくにもバンドのみんなにも、残りの公演とその後のライヴ活動についてもぼくがライヴ・パフォーマンスをやめるしか解決法はないとはっきりと申し伝えてきました。これはぼくのプロとしてキャリアで最も暗い1日になりました」

「以来、複数の医師のアドヴァイスを受けていますが、この先近い将来においては、現在の自分の聴覚の耐性を越えてしまうアリーナやスタジアム規模でのパフォーマンスは出来ないと指導されていて、した場合には根本的な聴覚障害、最悪の場合には完全な聴覚の喪失もありうるといわれています」

「こうした経緯にぼくの心は誰にも想像できないほど押し潰される思いでした。今のぼくの心境は、これまでの人生で一度も味わったことのないほど辛いものです。AC/DCのひとりとして、過去36年にわたってアルバムを作っては献身的なファンのみなさんにライヴを届けてきましたが、それはライフワークとしてのものでした。この先、その一部としてではなく人生を歩んでいくことなどまったく想像のつかないことですが、しかし、今ぼくにはほかに選択がありません。唯一確かなのは、ぼくは物理的にこの先のAC/DCのライヴには加われないけれども、ぼくの気持ちは必ずそこにいるということです。

中止になった公演について、チケットを買ったみなさんやずっとぼくとAC/DCを応援してくれてきたファンのみなさんには心から申し訳ないと思っています。ここのところの騒動でぼくに励ましと応援の言葉を贈ってくれただけでなく、これまでの長い間ずっとAC/DCを支えてきてくれたことへの感謝と心からのありがとうという気持ちをどう言い伝えればいいのかわかりません。また、アンガス(・ヤング)とクリフ(・ヤング)にも支えてもらったことに感謝します」

なお、アクセルはスラッシュとダフ・マッケイガンを迎えたガンズとすでにノット・イン・ディス・ライフタイム・ツアーに乗り出しているが、AC/DCがヨーロッパ・ツアーを予定していた5月と6月上旬分についてはすでに調整済みで、この時期にアクセルはAC/DCに参加することになる。アメリカ公演順延分については追って発表される予定だ。
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