【完全レポ】Ken Yokoyama×東京スカパラダイスオーケストラ、話題のコラボ曲を初披露!パンクもスカも飲み込んだ熱狂の一夜!
2016.05.18 12:10
Ken Yokoyamaが、5月16日に豊洲PITでマンスリーライブ「Rumble Of The Month」をゲストに東京スカパラダイスオーケストラを迎え開催した。RO69では、この模様をロングレポートでお届けする。
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「今日俺ら、むちゃくちゃ気合入れて行くんで、気合で返してくれよ! 思いっきり暴れてくれよ!」と熱く呼びかけるスカパラ・谷中敦(B.Sax)のコールとフロア瞬間沸騰級のスカパラの熱演に、「本当にすごいバンドだよな! 演奏だけで持ってっちゃうのに、さらに歌モノなんかやられた日には、俺が女だったらぐっしょりズラ!……いや、汗の話ですよ?(笑)」と横山健(Vo・G)が最大級の賛辞を贈る――。Ken Yokoyamaが5月から8月まで4ヵ月連続で開催する平日限定マンスリーライブ「Rumble Of The Month」。ここ豊洲PITで行われた初回公演の対バンゲストは東京スカパラダイスオーケストラ! 誰もが待ち侘びたコラボ曲披露からお互いのカバー曲まで、両バンドの鍛え上げられたタフネスと対バン相手へのピュアな相思相愛ぶりが入り混じって、最高の熱狂空間を生み出していた。
先攻として登場した先輩バンド=スカパラ、冒頭から“DOWN BEAT STOMP”などキラーナンバーを連射して3000人規模のフロアを容赦なくシンガロングとクラウドサーフの嵐へと叩き込んでいく。谷中やGAMO(T.Sax)、NARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、加藤隆志(G)はもちろん、時に大森はじめ(Perc)や沖祐市(Key)、川上つよし(B)まで前列に飛び出し、茂木欣一(Dr)も含め9人全員が音のエースストライカー状態で繰り広げるパワフルなアクト。「闘うように楽しんでくれよ!」の谷中のコールを挟んで“ゴッドファーザー愛のテーマ”を響かせる頃には、豊洲PITはむせ返るような熱気に包まれている。
ライブ中盤、「会ってより好きになりました。海外にもたくさんファンのいる、日本のパンクの仁義です! 横山健!」という谷中のコールとともに、スカパラと揃いの白スーツ姿で横山健が登場。「やっとできるね。夢でした!」(谷中)、「今日、初披露です!」(横山)というMCに続けての曲はもちろん、6月22日にニューシングルとしてリリースされる「東京スカパラダイスオーケストラ feat. Ken Yokoyama」名義の新曲“道なき道、反骨の。”。オリジナル作品としては初の日本語詞を力強く突き上げる横山の熱唱と、スカパラの晴れやかなダンディズムが一丸となって、突き抜けるような開放感を描き出していた。
「マジ嬉しい!」(谷中)、「最高っすね!」(横山)とふたりで肩を組んでみせた後、「オラ、もう1曲やりたいズラ!」とコマさん口調でおねだりする横山に応えて9人+1人で演奏したのは、なんとKen Bandの“Punk Rock Dream”! スカもパンクも踏み越えた爆演が、会場の温度を天井知らずに高めていく。さらに“SKA ME CRAZY”“Can't Take My Eyes Off You -君の瞳に恋してる-”などでがっつりフロアを揺らしていたスカパラ。「俺、絶対に忘れないからな!」の谷中の言葉に、惜しみない拍手と歓声が降り注いでいった。
そして後攻Ken Yokoyama! 転換が終わった舞台に、横山健/Hidenori Minami(G)/Jun Gray(B)/松浦英治(Dr)がゆっくりオンステージ。東京でのライブは3月の日本武道館公演以来ということで、まさに一触即発状態のキッズの期待と歓喜を、「『Sentimental Trash』の中で一番燃えてる曲」こと“Dream Of You”ででっかく受け止めると、“Summer Of '99”の激速2ビートで一気にレッドゾーンへと導き、フロアをクラウドサーファーとコール&レスポンスで埋め尽くしてみせる。続けて「踊れる曲!」と最新アルバム『Sentimental Trash』からもう1曲“I Don't Care”で会場を揺らしたところで、「スカパラ兄さんが『最高のお客さんだな!』って言ってたよ!」と呼びかけ、大歓声を呼び起こしていく。
「Ken Bandのテーマソング」=“Let The Beat Carry On”で自分のマイクをフロアに委ねたのをはじめ、この日のライブ中に何度もマイクを観客に投げ渡し、文字通りオーディエンスと一緒になって熱唱していた横山。Kenco Yokoyama(Jun Grayプロデュースのガールズバンドコンピに参加する際の名義)の新曲“If The Kids Are United”で自ら「合唱指導」してから一面のシンガロングを巻き起こしたところから「武道館でやらなかった曲ブロック」として“Boys Don't Cry”“Why”へと流れ込んだのに続けて、「テッパン曲やります!」と“Maybe Maybe”、さらに“Punk Rock Dream”! そして、「一度もやったことない曲……なんと俺たち、スカパラのカバーをやる!」という横山の言葉に驚きと感激の声が広がる中で鳴り渡ったのは「東京スカパラダイスオーケストラ feat.甲本ヒロト」の歌モノ名曲“星降る夜に”! “道なき道、反骨の。”とは異なるセンチメンタルな詞世界と横山の歌声が融け合って、珠玉の高揚感が会場狭しと広がっていった。
メンバー全員この瞬間を全力で楽しもうとする多幸感と、パンクロックの切迫感、パンクシーンを担う男気、メンバーをいじるMCや下ネタまで交えつつ垣間見せるパンク少年的な腕白感……それらが渾然一体となった唯一無二の空気感の中、「2015年、Ken Band伝説の名曲!」という横山のコールとともに怒涛のシンガロングが沸き返った“I Won't Turn Off My Radio”からライブは終盤戦へ。「何か聴きたい曲あるかい?」と観客のリクエストに応えて“I Can't Smile At Everyone”“My Shoes”を演奏した後、「今日、スカパラと一緒に歌わせてもらって――パンクもスカもレゲエもハードロックも関係ねえな!」と万感の想いを告げる横山の「震災後の、パンクスの歌を聴いてくれ!」の叫びとともに轟かせた“Ricky Punks III”が、さらに“Believer”の希望そのもののメロディが、熱気を貫いて鮮烈に響いた。
ゲスト:スカパラと同様にアンコールなしのアクトを、“Pressure Drop”のスカパンクのビートで締め括ってみせたKen Yokoyama。「今」を生きるパンクロックの強靭な存在感と生命力に満ちた、胸震えるステージだった。次回「Rumble Of The Month」は6月10日、渋谷TSUTAYA O-EASTでCrossfaithと激突!(高橋智樹)