『HiGH&LOW』を音楽で体感! 『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』全曲解説 - DISC 2 -
2016.06.17 19:00
今、ドラマ・映画で話題となっている『HiGH&LOW』の世界観を音楽で体感できるアルバム『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』が今月15日にリリースされました。
RO69では、同アルバム全曲解説をDISC-1とDISC-2に分けて掲載します。
本日はDISC-2です!
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『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』DISC-2
01.EXILE TRIBE / HIGHER GROUND feat. Dimitri Vegas & Like Mike
『HiGH&LOW THE MOVIE』主題歌。世界のクラブ・ミュージック界の権威である雑誌『DJ Mag』のランキングで1位にもなったベルギー出身の兄弟デュオ・Dimitori Vegas & Like Mikeのベルギー出身の兄弟デュオによる超強力なEDMトラックをEXILE TRIBEが迎え撃つ総力戦に、DISC-2も冒頭からいきなりブチアガる。煌びやかさとストリート感が交錯するサウンドイメージによって、EXILE TRIBEと『HiGH&LOW』の世界がガッチリとひとつに繋がっている。
02.ACE OF SPADES feat. 登坂広臣 / SIN
「雨宮兄弟」のテーマ。ときに自暴自棄にも見える危うい破壊衝動と孤高の匂いを放ちながらも、心の深い場所で強い絆を結んでいる——そんな雨宮兄弟の魅力をACE OF SPADESのパンキッシュなミクスチャー・サウンドが見事に表現した一曲。HISASHIの妖しくソリッドなギターリフから強力なリズム隊まで鉄壁の「音」に、TAKAHIROと登坂広臣がしのぎを削りながらも力を与え合うように「声」で立ち向かう、雨宮兄弟らしい本能のバトルが繰り広げられている。
03.ACE OF SPADES / Louder
「雅貴」のテーマ。半端なく強いけれど、隠し切れない人間味が溢れている雨宮雅貴の姿と、ACE OF SPADESでの活動において自らの魂の裸の部分を曝け出すTAKAHIROの重なるところが、ザラついているのにピュアさを感じさせるラウドロックチューンとして見事に表現されている楽曲。自然体なのにカッコいい、まさにTAKAHIROであり、雅貴だ。
04.PKCZ_ feat. 登坂広臣 / CHAIN BREAKER
「広斗」のテーマ。あえてロックではなく最新のクラブ・ミュージックで広斗の荒ぶる魂を表現したアッパー・チューン。ルールを壊しながらも、自分の心を高揚させるポジティブな衝動を信じ、前だけを見て突き進む、この号のインタビューでも語られているような登坂の生き様が「広斗」の中に息づいていることがこの曲からも感じられる。
05.EXILE THE SECOND / ASOBO! feat. Far East Movement
「ダウト」のテーマ。闇のスカウト集団のギラギラ感という『HiGH&LOW』のヒールな要素を、SECONDが「九龍グループ・家村会」に続いて先鋭的にカッコ良く表現している。ビルボード1位も獲得するなどLAで活躍するアジア系アメリカ人のヒップホップユニットFar East MovementとSECONDの個性をVERBALが有機的に繋ぎ、欲望の坩堝のようなパーティー・サウンドが生まれた。
06.GENERATIONS VS THE RAMPAGE (from EXILE TRIBE) / Unbreakable
GENERATIONSとLDHの新人グル—プTHE RAMPAGEによるバトル形式のコラボレーション楽曲ということでアルバム中、最もフレッシュなテイストのEDMチューンとなっている。この楽曲における「闘い」というテーマの中に宿る魂の透明感は、LDHと『HiGH&LOW』の未来を示唆しているに違いない。
07.THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / FIND A WAY
続いてTHE RAMPAGEの単独楽曲。20歳前後のメンバーが多く半分以上が10代の16人組で、歌声にもダンスにも蒼さが光るが決して幼くはない。自分としっかり向き合うことでお互いを磨き合うマインドを、若い感性で体現する彼らの世界が、『HiGH&LOW』の「街」というコンセプトとリンクし、グループの名刺代わりにもなりそうな楽曲となった。
08.PKCZ_ feat. V.I (from BIGBANG) / WE RUN DIS
張城「李」のテーマ。『HiGH & LOW THE MOVIE』の鍵を握る重要人物のひとりである李を演じるのは、BIGBANGのV.I。BIGBANGの音楽的な自由さと枠にとらわれないスケールの大きな活動を見ていて、LDHに共感する部分があるのではないかと客観的にも思っていたのだが、V.Iの映画やこの楽曲の参加からは、やはり熱いリスペクトが感じられ、幸福なコラボレーションであったことがわかる。これからも濃密な交流が続くことに期待したい。
09.ANARCHY, SWAY & CRAZYBOY / FUNK JUNGLE
MIGHTY WARRIORSは、音楽と共に生きるチームであり、そのいかしたレコードにまみれた日常のグルーヴがジャンルをゴッタ煮にしたサウンドの中でアッパーに表現されたのがこの楽曲。とくにこの楽曲にはMIGHTYが実際に音楽グループとしても存在しているかのように錯覚するくらい本物のトライブ感がある。
10.SWAY & ANARCHY / BBFL
続いてMIGHTY WARRIORSの「パール」「9」のテーマ。これもANARCHYとSWAYが歌っているというよりは、劇中でパールと9が歌っている感じでヒップホップ・ミュージカル的なニュアンスがある。ギャングスタ・ラップのスタイルだが遊び心に溢れて、どこかキュートですらあるところがパールと9らしい。
11.KUBO-C, P-CHO & JAY'ED / Hell On Earth
ムゲン「琥珀」のテーマ。自由を求めて純粋に生きていたはずの琥珀が悲しみと憎しみにまみれ、葛藤と狂気に呑み込まれ、闇に落ちていく——その心の中に渦巻いているものが生々しく描かれた一曲。物語を追い続けて来た僕らは、琥珀という男が現実に地獄の風景を見ながら生きていたとしても、その心の中に光を見出したいと願う。この楽曲も手に汗握りながら必死で聴き入ってしまう。
12.青柳翔/ Maria
ラストを飾るのは、EXILE ATSUSHIが詞曲を手がけ、青柳翔自身が歌う「九十九」のテーマ。闇に落ちた琥珀が見ている地獄の風景に対する、アンサーの役割を果たすような、切なくも大きなスケールのメロディと言葉を持つこの曲は「共に闘い、共に悲しみ、共に強くなる」という物語のテーマの、最も裸の心の部分を描いている。ヒップホップやクラブ・ミュージック、ミクスチャーロックが主軸になったこのアルバムが、このシンプルな「歌」のもとに収束した瞬間、音楽を通して『HiGH&LOW』の物語が体の中に染みわたり、大きく魂が揺さぶられる。
(古河晋)
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『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』全曲解説 - DISC-1 - はこちら。
http://ro69.jp/news/detail/144523
HiGH&LOW Special Trailer ♯15 「ORIGINAL BEST ALBUM 全曲ダイジェスト
なお、2016年6月18日(土)発売の『CUT 2016年7月号』巻頭特集は「登坂広臣のすべて、『HiGH&LOW』のすべて」です。劇中で雨宮広斗を演じる登坂広臣、スモーキーを演じる窪田正孝のロングインタビューに加え、劇場版『HiGH&LOW』について16Pにわたって徹底検証しています。もちろん、RO69で紹介している『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』全曲解説も掲載します。是非ご期待ください!
CUT 2016年7月号
http://ro69.jp/product/magazine/detail/144413